フルメタル・パニック!

作者

出版

賀東招二

富士見ファンタジア


作者「 さて、今回のレビューは前回同様、リクエストのあった、フルメタル・パニック!をやるぞ」

五十嵐「 今回は早いな・・・・・・前のと比べれば」

作者「・・・」

五十嵐「・・・・・・」

作者「・・・・・・・・・」

五十嵐「 ・・・・・・・・・・・・」

作者「 ・・・・・・・・・・・・・・・」

五十嵐「 ・・・・・・・・・・・・・・・」

作者「 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・前のリクエストを先に片付けたかったからな。これは元から読んでた作品だし」

五十嵐「 サボるのも大概にしとけよ」

作者「 い、いや、忙しくてな。ま、完結から未収録の短編が出るまで1年開いてるし、それを待ってたってことで」

五十嵐「 そういうこと口にしちゃったら意味ないだろ」

作者「 取り敢えず始めようぜ」

五十嵐「 しょうがねえな」

作者「 フルメタル・パニック!は賀東招二著、富士見ファンタジア文庫のライトノベルだ。全12巻、短編9巻、外伝2巻だ」

作者「 さらにアニメは三作にOVAも作成、コミックも好評連載。さらに最近は最終巻から数十年後を舞台にしたアナザーストーリーも刊行開始した。こっちは作者違うけどな」

五十嵐「 スパロボにも出演してたよな」

作者「 うむ、賀東招二先生はスパロボ好きらしく、後書きで新ロボのスパロボ参戦時の能力はこんなもんかなとかやってたな」

作者「 さてこの作品は、ミリタリー・SF・学園・ラブコメといった要素を一つに纏めあげた傑作だ。あらすじとしてはこんな感じだ」

いかなる国家にも属さず、平和維持活動を主とする対テロ極秘傭兵組織ミスリル。
紛争地帯などに出没し、強襲揚陸潜水艦「トゥアハー・デ・ダナン」や、最新鋭の人型強襲兵器「アーム・スレイブ」などを使い、テロリストを殲滅している秘密組織である。

ミスリルの特別対応班SRTに所属するアフガンゲリラ出身の最年少エージェント相良宗介 が主人公であり、特殊な存在としてある組織から狙われている本作品のヒロインである千鳥かなめを秘密裏に護衛する任務を受け、都立陣代高校に生徒として潜入。
幼少時から戦争を日常としてきた宗介は、平和な日常での常識が皆無で日本の生活に全く馴染めず、 下駄箱を爆破する、銃器を使い器物を損壊する、相手の反応に過剰反応し組み伏せるなど、ひたすら失敗を繰り返す。

修学旅行中、ミスリルに敵対するテロ支援組織アマルガムの幹部であり、宗介のかつての仇敵ガウルンが、修学旅行中のかなめを拉致すべく、学年全員を巻き込んで飛行機をハイジャック 。

宗介はミスリルに救援を要請するが、援軍を待つべき状況で連れ去られたかなめを助けるために、ここで出ていくのは大馬鹿なアマチュアだと分かっていながら、独断専行で決死の反撃を開始する。
だが敵のアーム・スレイブを奪い、孤軍奮闘するもガウルンの駆る特殊なアーム・スレイブ、コダールが立ち塞がり撃破されてしまう。
救援に駆けつけた僚友のクルツもコダールの前に敗れ、負傷した宗介らはかなめを連れて逃亡するが、敵の包囲網を突破するのは絶望的であった。

かなめだけでも逃がそうとするが、それを拒否したかなめの振起に、足掻き抜くことを決め、ミスリルに救援要請を送ることに成功する。
それを受けたダナンからの緊急展開ブースターにより射出されたのは、コダールと同じシステムであるラムダ・ドライバを搭載したミスリルの最新型アーム・スレイブ「アーバレスト」 であった。
 

作者「長編1巻のストーリーがこんな感じだ」

五十嵐「 うーん、なんというか・・・・・・ベタだな」

作者「 そうだな、はっきり言ってしまうとフルメタの長編に関しては、どこかでやったようなシチェーションばかりと言ってもいいな」

五十嵐「パクリ?」

作者「たわけ!!

作者「 王道と言わんか、王道と!! 性能の劣るメカで技量と戦術で渡り合ったり、失意から復活した主人公が仲間のピンチに駆けつけ無双したり、ベタベタな王道を実に上手く料理しているぞ」

五十嵐「 なるほど、つまり・・・・・・うーーーまーーーいーーーぞーーー!!ってやつなんだな」

作者「うむ、うーーーまーーーいーーーぞーーー!!っだ」

龍星「 何を訳の解らんことをやっとるのだ!!」

五十嵐「 龍星はノリが悪いなあ」

作者「 ま、どこかで見たと言うよりも、ベタな王道シチュエーションと言うべきだな。それにシリアスで、重くなりがちな設定でありながら、軽快で熱いアクション映画な感じのストーリー展開と文章力は見事な物だ。まあ後半になると人死とか重い話も増えてくるけど、それも怒涛の展開の溜めになってるしな」

龍星「 俺個人としては、最終巻の整備兵の話が印象深いな」

作者「 あれかー。整備中に命を落とすも、その最後の仕事がってのは熱かったな」

五十嵐「 なんか作者にしては褒めちぎってるな」

作者「 毒舌レビューとか言われてるけど、別に俺は何でもかんでも貶そうと思ってレビューはしてないからな。良い物は良い。ゴミクズはゴミクズとはっきり言うぞ」

五十嵐「ゴミクズってはっきり言うから毒舌って言われるんだろ!!」

作者「 俺は自分の感じたことに嘘は吐きたくない!! 好きなモノは好き、嫌いなモノは嫌いとはっきり言う!!」

龍星「 まあそこまでにしておけ。ところで作者よ、宗介は呼んでいないのか?」

作者「 ゲストに呼ぼうとは思ったんだけどな。忙しいって断られた」

宗介「 かなめとデートの予定が入っている。それに俺達がいない間に水星教諭と神楽坂 教諭がご結婚されたとのことで、挨拶に行かねばならん。お世話になった林水閣下にもだ。マオもクルツとの間に子供ができたと言っていたので、今度会いに行く予定だ。シロのやつも無事だったらしいし、そっちも様子を見に行きたい。それに新しい働き口も探さねばならん。とても行く余裕はない」

五十嵐「 けっ、ラブラブか。リア充爆発しろ」

作者「まあ仕方ない」 (宗介とかなめのその後は、あまりにも甘々、ラブラブ過ぎて腹が立つので書きようがありません。くそっ。そりゃテッサもムカつくわ。後書きより抜粋)
 

龍星「最新式の拳銃を持ってきてもらいたかったのだがな」

五十嵐「ん〜、龍星って銃器とか好きだっけ? 刀とかいじってるのはたまに見かけるけど」

龍星「いや、硬気功でどこまで耐えれるか試そうかと」

五十嵐「・・・・・・・・・ああ、そう」

作者「まあ自分としてはフルメタは、特に貶すべき所がないんだよな」

五十嵐「そりゃまた珍しい」

作者「設定はかなり練り込んである。凡百な書き手だと、これを劇中でつらつらと語る愚を犯すところだが、これにはそういうところが殆ど無い。
ミリタリーマニアと思われるが、それほど兵器の描写が上手く、かつ分かりやすく、どういう兵器で使い勝手や有効性はとかを上手に描写している。
まあ後半でオリジナルなSF設定とか必要なところは語らねばならないところもあって、劇中で長々と語ってた箇所もあったが、まあ許容範囲内だな。
短編の方だと、我慢出来なかったのかASを歩かせるだけの事に、技術的な事とか一話丸ごと使ってやってたが、あれはあれで面白かったしな。文章力の勝利かな」

五十嵐「 本当に褒めるなあ」

作者「 俺、京極夏彦先生のファンだけどさ」

五十嵐「なんだ突然?」

作者「 天才バカボンのクロスオーバー書いてるんだよ、京極先生。で、その中で言ってるんだけど、小説でギャグは難しいって。漫画と違って、絵でのインパクトがないからって」

龍星「 表現方法の違いというものだな」

作者「フルメタ短編のギャグパートで爆笑しました。小説で笑わせるというのはなかなかできることじゃないぞ」

龍星「作者、一人で爆笑はできないぞ」

作者「いんだよ、こまけえことは」

作者「よしいい機会だ。ここは長編と短編の違いを解説しよう」

作者「 長編の方は、シリアス重視の物語だ。主人公である宗介とヒロインのかなめ。彼女を狙う組織アマルガムと主人公側の組織ミスリルとの戦いを描き、主人公達の成長が描かれる」

作者「 逆に短編の方は、ギャグ系統の話で、宗介が学園などで巻き起こすトラブルなどを中心にした話がメインだな。まあ富士見ファンタジア系ので多いパターンだな。長編は書き下ろしで短編を雑誌掲載とか」

五十嵐「 アニメ二作目の、フルメタル・パニックふもっふはこの短編での話だな」

作者「 長編の方はギャグ系の短編と違って、学園で銃器などを使用しないとか書き分けてたらしい。短編では銃器や爆発物使っても死人一人も出してないしな。まあ長編の後半では学園に爆弾が仕掛けられた際に、宗介が致死性の化学兵器を持ち込んだから避難しろって放送で 、凄まじい勢いで避難が完了して敵の裏をかいたな」

龍星「日頃の行いというものだな」

五十嵐「 敵がそんなの真に受けて迅速に避難するわけないだろって思ってたらあれだもんな」

作者「 この作品は結構、そういう細かいところをフォローしてて、好感が持てるんだよな。その場限りではなく、ちゃんとあの時の話がここでってのがあるとファンとしては嬉しいものだからな。特に宗介のペットであるシロをちゃんと書いてたからな。フォローなく終わってしまっても珍しくない話なのにな」

龍星「 そういえばシロの無事がと言っていたな」

作者「 シロはアルビノのベンガルトラだ。宗介が傭兵時代にミャンマーで敵から身を潜めている時に拾った虎で、負傷して左目が潰れているシロと一緒に身を潜めていた。密輸業者に捕まって東京に運び込まれて剥製にされる所を、情報を掴んだ宗介が救出した」

五十嵐「東京で虎かよ」

作者「 自宅で飼ったり、学校の屋上に放したりで虎が逃げたと大騒ぎになった一話だった。最終的にはミスリルの拠点であるメリダ島の演習用の森に、野豚対策として放されたんだが・・・・・・」

作者「 長編の方でそのメリダ島が戦場になってな。宗介の仲間であるマオが、敵から逃げる際に導くように姿を現している」

五十嵐「 おー、確かに細かいフォローしてるな」

作者「 その後の安否が不明だったが、最終巻ではハワイの動物園に移送されたことが明らかになった」

作者「 この虎に関しては、雑誌掲載時の挿絵で隻眼のはずが両目とも描かれてたっけな。単行本化した時に修正されたけど」

五十嵐「 作者はそういう細かいところ突っ込むよな」

作者「 本来はここらでキャラ紹介でもやるとこだけど、今回は敢えてやらないでおこう。是非、この作品に触れて自分で確かめてほしい」

龍星「珍しいこともあるものだ」

五十嵐「 いつもはネタばれしまくるのに」

作者「 て言っても、ここでのネタバレって書いてる時点でのWIKIとか、調べてすぐ出てくる範囲に留めてるんだがな。文句はそっちに言ってほしい」

作者「とはいえ これで終わりだとちょいと短いし、簡単に感想を書かせてもらおう」

作者「 登場人物はキャラが立っていて、人間臭さが書けていたな。ジ○リアニメとかが好きなあの人が、ラストバトルでこんなしんどい思いもうやだ、こんな因果な仕事もう辞める、戦士の誇りなんて知るか、日本語勉強してアキバに移住して翻訳の仕事するとか戦闘中に愚痴吐いてたりしたのが印象深いなあ」

作者「 ラストバトルはもう詰みの状態になった、と思ったら最後の最後まで足掻き抜いて針の穴のようなチャンスを掴み取る熱い展開だった。まあ宗介個人の方は戦いに勝つことではなく、ヒロインを取り戻すことが目的で、熱いかと言われるとそうでもないんだ が。宿敵であるレナードも、宗介にとってはさして感情の持てない障害物という認識だったし」

龍星「劇中でも書かれていたな」

作者「 まあ戦法は王道的な一手だった。そしてその後に続く、親を乗り越える戦い。そして脱出不能に陥った宗介の独白。バトルとして見るなら物足りなさを感じる」

龍星「仕方あるまい。戦いが目的ではないのだからな」

作者「 うむ、バトルを主眼に読んでしまったが故にそう感じてしまったが、この場面はむしろ人間ドラマとして見るべきところだからな。 あの宗介が、随分とまあ人間臭くなったと思わせる話だった。最後のAIが○○する展開やかなめとの再会もベタな王道だった。王道を上手く書く人ってのは実に素晴らしいと再認識させられた」

五十嵐「 つまりこういうことだな

      r ‐、
      | ○ |         r‐‐、
     _,;ト - イ、      ∧l☆│∧  良い子の諸君!
    (⌒`    ⌒ヽ   /,、,,ト.-イ/,、 l  
    |ヽ   ~~⌒γ ⌒ ) r'⌒ `!´ `⌒) よく頭のおかしいライターやクリエイター気取りのバカが
   │ ヽー―'^ー-'  ( ⌒γ ⌒~~ / 「誰もやらなかった事に挑戦する」とほざくが
   │  〉    |│  |`ー^ー― r' | 大抵それは「先人が思いついたけどあえてやらなかった」ことだ
   │ /───| |  |/ |  l  ト、 |  王道が何故面白いか理解できない人間に面白い話は
   |  irー-、 ー ,} |    /     i 作れないぞ!
   | /   `X´ ヽ    /   入  |

龍星「 まあ斬新だから面白いわけではないからな」

作者「 最近は斬新ならいいだろうと、ポイントを外した作品が多いからなあ・・・・・・」

作者「 結局、王道とは基本。基本ができてないやつは何やっても駄目だ。そういうやつほど、奇をてらいたがる」

龍星「 如何にも。基礎こそ全てだ」

五十嵐「 斬新と考え足らずは違うからな」

作者「 ・・・・・・何でフルメタのレビューでこんなこと話してんだ俺達?」

五十嵐「 お前のせいだろ」

作者「 さーて、次は短編の感想いこかー」

龍星「誤魔化すな」

作者「 短編はギャグ主体だが、ほろりと来る話なんかも混じってる」

五十嵐「 俺は短編二巻の『妥協無用のホステージ』かな、宗介のずれっぷりが結構笑える」

龍星「 ・・・・・・・・・・・・・・・五十嵐、これはどこが笑い所なのだ?」

五十嵐「 ・・・・・・・・・・・・ああ、初めて合った頃は? の? も?・・・・・・龍星は、結構あんな感じだったっけ」

作者「 宗介にボコボコにやられた不良が、かなめを人質にして宗介に報復しようとする話だ」

五十嵐「 生徒会長が、乗り込んできた不良の言葉をほとんど未開の原住民扱いして、通訳をしだしたのは笑えたな」

作者「 人質取られてもそれ以上のえげつない手段で黙らせたしな」

龍星(・・・・・・・・・・・・どこがえげつないのだろうか?)

作者「 俺のおすすめは、同じく二巻の『やりすぎのウォークライ』だ。爆笑したと言った話がこれだ」

作者「 弱小ラグビー部を鍛え直すことになった宗介だが、海軍式新兵訓練で心優しかったラグビー部が、狂悪なラフプレイヤーに変貌する話だな」

五十嵐「 十数年後のアナザーだと、伝説になってるそうだな」

龍星「 自分は『追憶のイノセント』を推そうか」

作者「 お、しんみり系がきたな。もっと上の学校にいけるはずの林水生徒会長が、陣代高校に入学した動機が語られる話だな」

龍星「 他にサイドアームズ一巻の『エド・サックス中尉のきわめて専門的な戦い』も推したいな」

作者「 ミスリルの裏方話だな。前線で戦えるのも、裏方のサポートあっての事という話だ」

五十嵐「 龍星は裏方好きなのか?」

龍星「 何を言う、裏方がいなければ世の中何も回らんぞ」

作者「 うむ、どうも最近は現実でも裏方を軽視する風潮が強いように思うからな。それを考えさせる一話でもあるな」

作者「 日本軍も補給などの裏方軽視で、実に悲惨なことになったしな」

作者「 皆も、世の中色んな所で関わり合って成り立ってるから、自分に関係ないとか無関心決め込まないようにな」

五十嵐「 えーと、これで終わりでいいのかな?」

終わっとけ。

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