バトル物が続いたので目先を変えレビュー第四弾は〈卵王子〉カイルロッドの苦難
| 作者 | 出版 |
| 冴木 忍 | 富士見ファンタジア |
あらすじ-
城塞都市ルナンの王子カイルロッドは、〈卵王子〉と呼ばれていた。彼は母親から、卵として生まれたのだ。そのショックで母親は彼を産んですぐ死亡してしまった。しかし、父王の愛情に包まれ、王子はいたって暢気な青年に育っていた。
唯一の悩みは生まれのせいか、嫁の来手がないこと。今日も今日とて、やっと決まった婚約者に逃げられてしまった。
うさばらしに城を脱け出し、街の酒場に行ったカイルロッドは、つい飲みすぎ、酔いつぶれてしまう。翌朝目覚めた時、彼の前には、異常な光景が広がっていた。ルナンの人々が石と化していたのだ!!
呪い!?誰が、なんのために……。謎を解明し、人々を救うため、カイルロッドのはるかなる旅が始まった!
えー、冴木 忍先生の作品は主人公が不幸なのが多いんですが、この作品はその中でももっとも不幸だと思います。
代表作であり、ファンの間では最高傑作と呼ぶ人も少なくない作品。自分もそう思ってます。
ふざけたタイトルとは裏腹に、ストーリーはシリアス一直線。かなり暗いし、人もけっこう死にます。
旅に出たカイルロッドは幾多の苦難に出会い、人間の醜さ、愚かさを目の当りにし、そして同時に人間の何気ない優しさに救われ成長していきます。
ちょっとネタバレになりますが、実は魔王として世界を滅ぼせる力を秘めていたカイルロッド・・・しかし、彼は世界を救うために戦います。なぜなら彼は世界を愛していたからです。生まれる前から自分を愛し、命を懸けて産んでくれた母。血の繋がらない自分を心から愛し育ててくれた父。自分のために命を懸けてくれた友、みんなに愛されていることを知り、みんなを愛していたから。みんなが生きている世界を守るために、彼は最後まで人間として戦えたのです。
というか、かなり泣きますよこの話。この文書いてる間も、思い出して涙腺緩みまくりです。
凄い影響を受けた話です。古本屋で何気なく見つけたこの本・・・試しに買って、はまり六巻までそろえました。全九巻なんですが、六巻までしかなかったもので・・・それから二年後、ようやく続きを見つけ読破・・・
涙が止まりませんでした・・・
ちょっと台詞を抜粋、
「・・・・・・皆に会えてよかった。皆と同じ時代に生まれ、そして出会えたことに心から感謝している」魔王になることなく、人間として生きられた。そして人間の美しさと醜さを見、絶望を見、希望を見た。抱えきれないほどの楽しい思い出をもらった。大勢の人々に励まされた。「本当に、ありがとう・・・・・・」万感の想いをこめ、カイルロッドは心の中で呟いた。ありがとう。皆に会えて本当に嬉しかったよ――。
劇中最後の台詞・・・「忘れないでおくれ。その気持ちを、皆がおまえを愛していることを」
本当に万感の想いがこもった台詞でした・・・この作品絶対お勧めです。
というわけで第44話「感動!!君も泣け」・・・・・・・・・・・はい?