NO.199

大伴俊作「頭がそっくりアスファルトの歩道に埋まってしまった。まるでパイルドライバーをかけられた時の様に──」
医者「パイルドライバー?」
 意志は左眉をぴくりと動かすと、倉之介の言葉を繰り返し、質問を続ける。
医者「それで誰の?」
大伴「は?」
医者「だから、誰のパイルドライバーを食らったのか、と訊いているんだ。つまり衝撃の程度の問題だよ」
大伴「さあ、それは……」
 大伴は言い澱む。それに代わって、倉之介が、おずおずと尋ねた。
浜口倉之介「サムソン冬木のならば……」
医者「軽い脳震盪だな」
浜口倉之介「では、前田日明のだったら?」
医者「頭蓋骨陥没だ」
浜口「ならば、ジャンボ鶴田級では?」
医者「頭蓋骨骨折に、脳膜下出血、さらに脳内出血──下手をすれば出血だ」
浜口「ううむ……」
 医師の言葉を耳にして、浜口倉之介は、改めてジャンボ・鶴田というプロレスラーの天才性。強大さを思い知らされたことであった。
大伴「そういう話じゃない!」
 大伴俊作、倉之介と地の文をたしなめると、改まった口調で医師に尋ねる。
大伴「やはり手術は必要ですか?」
医師「CTスキャンで調べてみなければ、断定はできないが。見た感じでは、患者は、全盛期のジン・キニスキーから脳天逆落としを食らった一般人といった状態だな」
大伴「ちょっと、医師せんせいのおっしゃる比喩は、わたしには難解なのですが」
 あまりプロレスには詳しくない大伴がそう言うと、よく見れば木村健悟に似ている医師は小さくうなずいて、
医師「よろしい。分かりやすく説明しよう。いまのこの人の状態は……脳ミソ、ボーン、だ」

出展:私闘学園〔完結篇?〕

系統:宣告系

投稿者:n_al 様

コメント:皆が皆、格闘フリークの世界。医師の比喩も‥‥。

管理人コメント:言う前に検査しないか!!