NO.55
「どうだい、何か面白そうな出ものはないかい?」
「ない」
京極堂は間髪を容れずに答えた。
「だからこんなものを読んでいる。だがね君――面白い、面白くないという君の尺度にもよるが、だいたいこの世に面白くない本などはない。どんな本でも面白いのだ。だから読んだことがない本は大抵面白いが、一度読んだ本はそれより少し面白がるのに手間がかかるという、ただそれだけのことだ。そう考えると君にとって面白い本はここに積んである未整理の本に限らず、その辺の書棚にもう何年も前から埃を被ってずっとならんでいる。それを捜すのは容易なことだから、さっさと選んで買いたまえ。少少なら勉強してあげても良い」
出展:京極夏彦著『姑獲鳥の夏』15P
系統:真理系
投稿者:管理人
管理人コメント:どんな本でも楽しみ方があるものです。
NO.120
この世には不思議なことなど何もないのだよ
出展:京極夏彦妖怪シリーズ
系統:決め台詞系
投稿者:管理人
管理人コメント:京極堂の口癖。この世には起こるべきことしか起こらないのである。