社員を生かす、生かさないは、人事のあり方次第。
人事考課の目的は、社員を生かすための情報を得ることです。





<経営資源> <古い人事考課> <人事考課の方法>
<人事考課の目的> <人事考課の対象> <人事考課の順序>
<考課者の技術> <考課者エラーの傾向>


 
経営資源
経営資源とは、会社が利益を得るために必要な資源のことで、「ヒト」、「モノ」、「カネ」、「情報」等をいいます。
特に「ヒト」は、自分の判断で他の資源を扱うことができる唯一の存在です。そして、「ヒト」を動かす制度すなわち「人事制度」が会社経営でもっとも重要な位置にあるわけです。

その人事制度の中心となるものが人事考課です。

人事考課は、個々の従業員が仕事にどのような姿勢で向かっているのか、どれだけの業績を示したか、どれくらいの能力を持っているかなどの情報を得るツールであり、、その情報を評価することによって、従業員をもっとも適した部署に配置することが可能となり、それが会社の活性化・業績の向上へと発展していくことになるのです。

従業員情報には、つぎのようなものがあります。
@ 業務上での行動、姿勢及び態度
A 目標に対する成果、成績
B 業務上必要な知識、技術、経験なと゜

人事のポイントは、従業員をどれだけ適材適所へ配置できるかです


 
古い人事考課からの脱皮
日本の人事制度は、年功序列型から能力主義型人事へと変わってきています。
能力主義型人事
職務遂行能力(業務に必要な能力)を基準とする人事制度

人事制度が変われば当然に古い人事考課は通用しなくなります。
従来の人事考課
@ 人事考課自体か単なる査定で、何のためのものか明確性に欠ける
A 仕事の責任、権限が曖昧で、能力を十分に発揮することができない
B 考課の仕方が一方的で、納得されにくい
C 能力の評価基準が曖昧
D 業績の評価基準が曖昧
新しい人事考課で求められているもの
@ 役割、責任、権限を明確にしたものであること
A 従業員が納得できるものあること
B 業績を重視したものであること
C 行動特性を重視したものであること


 
人事考課の方法
人事考課の原則は、上司が部下を評価しますが、それ以外につぎのような方法もとられるようになってきています。
・部下が自分の上司を評価する
・直属でない部署の上級者が評価する
・同僚同士が評価する
・被考課者自ら評価する

これらの評価は、その社員の可能性をつかむために、仕事上で関係するいろいろな角度から評価するほうが、正確な情報を得ることができるという基本的な考え方から行われている方法です。
また、これらの方法が行われる背景には、「顧客満足(CS活動)」を重視する思想があり、個々の従業員の能力を正確に見るためには、仕事の対象者が評価するほうがもっとも正確だという考えからきているものです。

そして、大切なのはこれらの人事考課を実施するためには、その目的を理解するとともに、考課のルールを明確にし従業員にオープンにすることが必要だということです。

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人事考課の目的
人事考課は、会社の目的を実現するために役立つものでなければなりません。

人事考課の目的には、つぎのようなものがあります。
@ 業務の遂行度や態度、能力の診断を実施し、能力開発や人材育成に結びつけていく
A 仕事に必要な知識・技能・適正を適切に評価し、昇格・昇進・配置等を適正に行う
B 従業員の信頼を得るために、業績・努力度を評価し、昇給や賞与等を公正に決定する
C 社内(上司・部下)のコミュニケーションを密にし、現場の情報や意見を経営に活かす。

適切な人事考課を実施できれば、従業員個々の役割や目標・職場の問題点が明確になり、従業員そして会社の活性化に繋がっていくことになるわけです。

また、従業員個々の能力を最大限に発揮させるためには、「従業員の特性に向いた仕事であること」、「モチベーションが上がる職場環境であること」、「努力次第で可能な範囲の目標が設定できること」が不可欠であり、これらを確実に実施するためには個々人の特質を正確に把握する必要があるわけです。人事考課は、そのために行うものでもあるわけです。


 
人事考課の対象
人事考課の対象は、従業員情報に応じてつぎのような形になります。

@ 勤務態度 仕事への姿勢・態度・努力
A 業績 期待に応える結果
B 能力 仕事の知識・技術・経験のレベル


@ 適正 どの仕事に向いているか
A 人柄等の属性 業務遂行上どのような影響があるか
B 個々人の特別な事情 配慮すべき特別な事情はあるか

これらを反映させることによって、はじめて適正な人事考課が可能となります。


 
人事考課の順序
人事考課は、一般的に次の順序で進められます。

本人考課 設定された基準に沿って、達成されているかどうか、本人自ら評価する。(本人考課は、必ずしも実施しなければならないものではない。)
一次考課 直接の上司が行う。日常の仕事を管理する立場にある上司が行う評価は人事考課のなかでもっとも重要な位置を占める。
二次考課 一次考課者の直属の上司が行う。一次考課より広くそして長い視野で、偏りなどを調整することが目的です。そして、一次考課者の評価が著しく異なる場合は、両者が面談し異なるものを明確にすることが重要である。
三次考課 二次考課者の上位者が実施する。会社によって三次考課がある場合とない場合がある。
調整・決定 最後に部門間の不均衡の是正や賃金等の調整を全社的に行い、バランスを調整する。

人事考課は、会社経営の中心的な事項なので、最終決定は会社トップや担当役員が行うことになります。


 
考課者の知識と技術

人事考課は、考課者自身が必要な知識と技術を身につけていなければなりません。

人事考課は、公正・適正・的確性、そして厳正なルールのもとで実施されてこそ、意味をもつからです。


 
考課者エラーの傾向
よくある考課者のエラーパターン
ハロー効果 対象社員が、一つの効果要素にとくに優れていたり、反対に劣っていたりすると、それが先入観となりほかの全部の要素も優れているとか、劣っていると考えてしまうこと。
寛大化傾向 対象社員への同情や全体のバランスを意識し、実際よりも高い評価をすること。考課者に自信がないときにしがちな評価です。
厳格化傾向 考課者自身と比べて、対象社員の仕事ぶりが劣って見え、辛く評価してしまうこと。
極端化傾向 本当はBの評価なのに、AまたはCにするように良い、悪いをはっきりさせたがること。
中心化傾向 極端化傾向と逆で、正確な評価ができず、平均値の評価に集中してしまうこと。
倫理的錯誤 一つの固定観念をこじつけ、複数の考課要素を結びつけて評価してしまうこと。
メイキング 総合点を最初に決めて、それにあわせて各要素を評価してしまうこと。
投影エラー 対象者社員の性格が自分と似ている場合に、相手を理想化し甘く評価してしまうこと。

考課者がこのようなエラーをおこす場合は、最初から考課に対する教育・訓練が必要になります。


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