健康保険から受けられる給付
〜あなたは、もらえるものをもらっていますか? 給付申請は忘れずに〜

健康保険の給付は、業務外の「病気」「ケガ」「死亡」「出産」を対象にしています。健康保険は、病院にかかったときの治療費だけに使えるものだと思っている人がいらっしゃいますが、健康保険では、治療費のほかに傷病手当金出産手当金埋葬料などの給付も行われています。しかし、これらはすべて社会保険事務所に申請してはじめて支給されるものであり、申請しなければ何にももらうことはできません。申請は、忘れずにしてください。



<健康保険と労災保険のちがい> 健康保険給付の種類 退職後の健康保険給付

 
健康保険と労災保険のちがい

健康保険 主として民間の事業所で働く人たちを被保険者として、その被保険者及び被扶養者の、業務外(私傷病)による病気・ケガ・死亡、出産に対し給付を行うための社会保険です。
労災保険 正式には「労働者災害補償保険」といいます)労働者が業務上と通勤途上におけるケガ、病気、死亡に対し労働者と死亡した労働者の遺族に対し給付を行うための保険です。

業務上でケガや病気などを労働者が被ったときは、「労働基準法第八章」で定めているとおり、その労働者の治療費や休業・障害補償などは、使用者が負担しなければなりません。労災保険は、その負担すべき補償保険といえます。


 
健康保険給付の種類
被保険者本人(一部扶養家族を含む)に対し次のようなものがあります。

1. 医療保障
療養の給付 病気やケガの診療費で、通常の場合は3割の自己負担をしなければなりません。
ただし、個室に入ったり、健康保険で認められていない薬、注射を受けたときは保険外診療となりますので、その差額又は全額が自己負担となります。
入院時食事療養費 入院したときの食事費です。入院して食事療養費を受ける場合は、食事費の一部(標準負担額)を負担することになります。
特定療養費 健康保険で認められていない高度先進医療などを受けた場合、健康保険の給付に相当する部分を給付されます。
訪問看護療養費 難病患者、末期のがん患者、重度の障害者などで、病状が安定して居宅にて継続的に療養を受ける状態の患者が、訪問看護ステーションから派遣される看護師などから受ける療養上のサービスです。このサービスを受けるときは、かかりつけの医師に申込みを行わなければなりません。
療養費 健康保険では、健康保険証を提示して診療を受けるのが原則ですが、海外で診療を受けたとか、資格取得届けの提出が遅れたため自費診療を受けたなど、何らかの事情で、自費で診療を受けた場合に「療養費支給申請書」を提出することにより、診療代が支給されます。
移送費 入院が必要で、転医する場合に歩くことが困難なためタクシーなどを利用した場合にそのタクシー代などが支給されます。具体的には、負傷した患者がその場から医療機関に緊急に移送された場合、医師の指示により緊急に転院した場合などが該当します。申請は「移送費請求書」を提出します。
高額療養費 療養の給付(医療費)を受けるときは、医療費の3割の一部負担金を負担しなければなりません。その一部負担額が規則で定める一定額(自己負担額)を超えた場合に、超えた額のお金が支給されます。申請は「高額療養費支給申請書」を提出します。

1. 生活保障
傷病手当金 被保険者が傷病のために休業し、賃金が支給されなかった場合に支給されるものです。申請は「傷病手当金支給申請書」を提出します。

3. 葬祭費用
埋葬料又は埋葬費 埋葬料は、被保険者が死亡したとき、被保険者により生計を維持した者で、葬儀を行う者に、埋葬費は生計を維持した者がない場合で埋葬を行った者に支給されます。申請は、「埋葬料(費)支給申請書」を提出します。

4. 出産育児費用
出産育児一時金 被保険者が妊娠4ヶ月以上で出産したときに一時金で支給されます。(出産には、早産、死産、人口妊娠中絶、流産が含まれます。)申請は、「出産育児一時金請求書」を提出します。


出産した人の生活保障
出産手当金 出産日以前42日(多胎妊娠の場合は98日)以内、出産後56日以内の期間中で仕事に従事できなく賃金を受けなかった日ついて標準報酬日額の60%が支給されます。申請は、「出産手当金請求書」を提出します。

 
退職後の健康保険給付

1) 傷病手当金・出産手当金を受けている人が退職した場合
資格を喪失する日の前日までに継続して1年以上被保険者であった人は、退職(資格を喪失)したときに、現に受けていた傷病手当金及び出産手当金を引き続き受けることができます。
傷病手当金は1年と6か月間、出産手当金は出産前後合わせて原則98日間の範囲内で、支給を受けることができますが、この期間から在職中の間にすでに支給を受けた残りの期間について受けることができます。

2) 退職後(資格を喪失した後)に保険給付を受ける事由が生じた場合
死亡に関する給付(埋葬料又は埋葬費の支給)
@ 傷病手当金又は出産手当金を継続して受給しているものが死亡したとき
A 傷病手当金又は出産手当金を継続して受給しているもの、老人保健の医療又は特定療養費の支給を受けなくなってから3か月以内に死亡したとき
B 退職(被保険者が資格を喪失)して3か月以内に死亡したとき
出産に関する給付
退職の日(資格を喪失する日)の前日までに、継続して1年以上被保険者であった人が退職の日(資格喪失の日)後、6か月以内に出産をしたときは、被保険者として受けられる出産育児一時金及び出産手当金が受けられます。