| 1ヶ月単位の変形労働時間制は、1ヶ月以内の一定の期間(変形期間)を平均して1週間の労働時間が法定労働時間以下となることを前提として、特定の週に法定労働時間の40時間(44時間)を超えて労働させたり、又は、特定の日に法定労働時間の8時間を超えて労働させることができる制度です。 |
| 1ヶ月単位の変形労働時間制を採用するためには以下の要件が必要になります。 |
| @ |
書面による労使協定又は就業規則その他これに準ずるものにおいて |
| A |
1ヶ月以内の一定の期間を平均して1週間の労働時間が法定労働時間(原則40時間)を超えない範囲で |
| B |
各日および各週の労働時間を具体的に定めること |
| C |
変形期間の起算日を定めること |
| D |
就業規則の変更をおこなった場合には、就業規則の変更を所轄の労働基準監督署に届出が必要。 |
|
| 常時10人以上の労働者を使用する事業場は、就業規則を定めなければならないため(労基法第89条)、1ヶ月単位の変形労働時間制を採用する場合には必ず就業規則で定めをする必要があります。 |
常時10人未満の労働者を使用する事業場は、就業規則に準ずる文書で定めることになっています。
この文書は、労働者に周知しなければなりません。周知しない状態であれば、その変形労働時間制の効力が発生しないということになりますので注意してください。 |
| 労使協定は、その事業場に労働者の過半数で組織する労働組合がある場合は、その労働組合と、また、過半数で組織する労働組合がないときは、労働者の過半数を代表する者との書面により以下の事項を協定しなければなりません。 |
| @ |
1ヶ月以内の一定期間を平均し1週間あたりの労働時間が法定労働時間(40時間、特例事業場は44時間)を超えない定め |
| A |
変形期間 |
| B |
変形期間の起算日 |
| C |
対象労働者の範囲 |
| D |
変形期間の各日および各週の労働時間 |
| E |
協定の有効期間 |
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| 労使協定で定める場合には、有効期間を定めるとともに所轄の労働基準監督署に届出る必要があります。 |
| 労使協定によって変形労働時間を採用した場合でも、就業規則の改訂が必要になりますので就業規則の変更届も必要になることに注意が必要です。 |
| 1ヶ月単位の変形労働時間制を採用する場合の変形期間 |
→ |
最長で1ヶ月 |
|
| 変形期間が1ヶ月以内であれば、4週間、10日単位などの変形期間を設けることも可能です。 |
| 変形期間が4週間、10日単位などの場合でも、労使協定及び就業規則でその期間の起算日を明確にする必要があります。 |
| 変形労働時間制は、変形期間を平均して1週間の労働時間が法定労働時間以内でなければなりません。 |
| 変形期間の労働時間の総枠(限度時間) |
= |
1週間の法定労働時間(40又は44時間) |
× |
変形期間の暦日数 |
÷ |
7 |
|
| 変形期間を1ヶ月とした場合の法定労働時間の総枠(限度時間) |
| 週法定労働時間 |
31日の月 |
30日の月 |
29日の月 |
28日の月 |
| 40時間 |
177.1時間 |
171.4時間 |
165.71時間 |
160.00時間 |
| 44時間 |
194.8時間 |
188.5時間 |
182.28時間 |
176.00時間 |
|
| ※時間の端数処理をする場合には切り捨てとなることに注意 |
|
| 1ヶ月単位の変形労働時間制は、あらかじめ各日の労働時間を労使協定または就業規則等で特定しなければならない制度です。 |
| 使用者が業務の都合等により任意にその労働時間を変更するようなものはこの制度には該当しません。 |
| 平11.3.31 基発第168号 |
| また、就業規則には始業及び終業時刻を定めることになっていますので、就業規則等には各日の労働時間の長さだけではなく、始業および終業時刻を定める必要があります。 |
| 労基法第89条第1号 |
| 変形期間後について必要に応じ勤務割を変更できる場合(JR東日本事件、東京地判平12.3.27等) |
| 判例では、「就業規則に具体的な事由を記載した変更条項を置き、労働時間を変更するのは、労働時間の特定を求める労働基準法第32条の2の文理面に反しない」ただし、「労働者からみてどのような場合に変更があるか予測できる程度に事由を具体的に定める必要がある」と限定条件付で判示されています。 |
| 例外(シフト制) |
| 月ごとに勤務割を作成する業務については、就業規則において以下の定めを設けた場合、それに従って各日ごとの勤務割りを変形期間の開始前までに具体的に特定すれば良いことになっています。 |
| 昭63.3.14 基発第150号 |
| @ |
各直勤務の始業・終業の時刻 |
| A |
各直勤務の組合せの考え方 |
| B |
勤務割表の作成手続及び周知方法等 |
|
| 1ヶ月単位の労働時間制における時間外労働の部分は、事業場で定めた所定労働時間と実際の労働時間を比べて判断することになり、その範囲は以下のとおりです。 |
| @ |
各日について |
| 所定労働時間が8時間(1日法定労働時間)を超えた場合には、その超えた時間。8時間を超えない日は、8時間を超えた部分の時間が時間外となる。 |
| A |
各週について |
週所定労働時間が週法定労働時間を超える週は、週所定労働時間を超える部分の時間。それ以外の週は、週の法定労働時間を超える部分が時間外となる。
ただし、@で時間外労働とされる時間を除く |
| B |
変形期間について |
| @及びAで時間外労働に該当する部分を除き、変形期間の労働時間の総枠(限度時間)を超える部分の労働時間が時間外となる。 |
|
| ※ |
休日を振り替えた場合 |
| 休日を振り替えたことにより、1日8時間又は1週40時間を超える所定労働時間が定められていない日又は週に1日8時間又は1週40時間を超えて労働することとなった場合には、その超えた時間は時間外労働となる。 |
|
| @ |
満18歳未満の年少者 |
| ただし満15歳以上で満18歳未満の者(満15歳に達した日以後の最初の3月31日までの間を除く)については、1週間について48時間、1日について8時間を超えない範囲でならば、1ヶ月単位の変形労働時間制を適用することが可能。 |
| A |
妊産婦(妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性) |
| 妊産婦が請求したときには、1ヶ月単位の変形労働時間制を採用しているときでも、1週又は1日の法定労働時間を超えて労働させることはできない。 |
|
| ※ |
育児を行う者、老人等の介護を行う者、職業訓練又は教育を受ける者その他特別の配慮を要する者につては、それらの必要な時間を確保できるよう配慮するようにしなければなりません。 |
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