女性の就業制限業務と措置

川村法務事務所
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危険有害業務の就業制限

女性に関しては、次の業務に就かせることはできません。

@重量物を取扱う業務
この業務に係る規定では、作業方法については具体的な規定はありませんが、取扱うの解釈は規定の趣旨から、直接に重量物を担う場合のことであり、押す場合は含まれないと解されています。
年齢 重量
断続作業の場合 継続作業の場合
満16歳未満 12kg. 8kg.
満16歳以上
満18歳未満
25kg. 15kg.
満18歳以上 30kg. 20kg.
A鉛、水銀、クロム、砒素、黄りん、フッ素、塩素、シアン化水素、アニリンその他これらに準ずる有害物のガス、蒸気または粉じんを発散する場所における業務

坑内労働

女性の坑内労働については、妊婦及び坑内労働に従事しない旨申出た産婦(産後1年を経過しない女性)が行う業務や以下の業務を除いて、女性も坑内労働ができます。
@ 人力により行われる土石、岩石若しくは鉱物の掘削又は掘採の業務
A 動力により行われる鉱物等の掘削又は掘採の業務(遠隔操作により行うものを除く)
B 発破による鉱物等の掘削又は掘採の業務
C ずり、資材等の運搬若しくは覆工のコンクリートの打設等鉱物等の掘削又は掘採の業務に付随して行われる業務(鉱物等の掘削又は掘採な係る計画の作成、工程管理、品質管理、安全管理、保安管理その他の技術上の管理の業務並びに鉱物等の掘削又は掘採の業務に従事する者及び鉱物等の掘削又は掘採の業務に付随して行われる業務に従事する者の技術上の指導監督の業務を除く。)

産前産後・妊産婦

産前休業
使用者は、6週間(多胎妊娠の場合は14週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合には、その女性を業務に就かせることはできません。
産後休業
使用者は、産後8週間を経過しない女性を就業させてはなりません。
なお、産後休業についは、産前休業と異なり女性からの休業請求にかかわらず、就業させることができないことに注意。
ただし、産後6週間を経過した女性が就労を請求し、医師が支障がないと認めた業務に就かせることは可能です。
産前産後休業中の賃金について
産前および産後休業の賃金については、法律上規定がないため、有給とするか無給とするかは会社の(就業規則等)取り決めによることになります。
また、産前産後の休業については、健康保険法による出産手当金の給付があります。
妊産婦の就業制限
妊産婦(妊娠中・産後1年未満)についての就業禁止業務の要旨
重量物を取扱う業務
ボイラー(小型ボイラーを除く)の取扱い業務
ボイラーの溶接の業務
クレーン・デリック(吊り上げ荷重5トン以上のもの)等の運転業務
運転中の原動機または原動機から中間軸までの動力伝導装置の清掃・給油等とベルトの掛け換え業務
クレーン・デリック等の玉掛業務(補助作業業務を除く)
動力により駆動される土木建築用機械・船舶荷扱用機械の運転業務
丸のこ盤(直径250ミリ以上)・帯のこ番(直径750ミリ以上)に木材を送給する業務
操作場の構内における軌道車両の入換え等の業務
蒸気、圧縮空気により駆動されるプレス又は鍛造機械を用いる金属加工の業務
動力により駆動されるプレス、シャー等を用いる厚さ8mm以上の鋼板加工の業務
岩石・鉱物の破砕機・粉砕機に材料を送給する業務
土砂崩壊のおそれのある場所と深さ5メートル以上の地穴における業務
墜落により危害を受けるおそれのある場所(高さ5メートル以上)における業務
足場の組立・解体・変更の業務(地上等の補助作業を除く)
立木(胸高直径35センチメートル以上)の伐採の業務
鉛・水銀・クロム等の有害物のガス・蒸気・粉じんを発散する場所における業務
多量の高熱物体を取扱う業務及び著しく暑熱な場所における業務
多量の低温物体を取扱う業務及び著しく寒冷な場所における業務
異常気圧下における業務
削岩機、鋲打機等身体に著しい振動を与える機械器具を用いて行う業務

妊娠中女性に対する軽易業務への転換

妊娠中の女性が請求した場合には、他の軽易な業務に転換させなければなりません。
軽易業務かどうかの判断は具体的な状況によることになりますが、原則として請求者が請求した業務に転換させる趣旨です。ただし、転換業務を新たに作って与えるまでの必要はありません。


時間外労働等の禁止制限

妊産婦が請求した場合には、法定労働時間を超えるケースの1ヶ月単位の変形労働時間制や1年単位の変形労働時間制で勤務させることはできません。
すなわち、1日8時間、1週40時間の時間内で労働させなければなりません。

また、妊産婦から請求された場合には、時間外労働、休日労働、深夜労働をさせることはできません。これは、非常時災害時においても適用されます。


生理日休暇

生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求した場合には、その生理日(請求の範囲)に女性を就業させることはできません。
これは、単に生理日だからとの理由での休暇請求を認めたものではなく、あくまでも労働することが著しく困難な状態であることの請求理由が必要になります。

著しく困難かどうかの証明については、本人の説明や同僚の証言等により一応事実を推断し得る程度のもので良いこととされていますので、会社が医師の診断書などを求めることは問題がありますので注意しなければなりません。

この休暇についての給与の支払は、各会社の就業規則等の定めに従うことになります。


育児時間の請求

生後1年未満の子を育てている女性は、1日に2回(それぞれ少なくとも30分)の育児時間を請求することができます。
この時間は、会社等で定められている休憩時間とは別に請求でき、勤務時間の始めや終わりに請求することもできます。(もちろん就業時間の途中でもOK)

この休暇についての給与の支払は、各会社の就業規則等の定めに従うことになります。


妊娠中、出産後の健康管理

事業主は、妊娠中の女性が保健指導又は健康診査を受けるために必要な時間を確保する義務があります。
回数等については、以下を参照してください。

産前の場合

妊娠週数 頻度
妊娠23週まで 四週に1回
妊娠24週から35週まで 二週に1回
妊娠36週から出産まで 一週に1回
ただし、医師又は助産師が上記と異なる指示をしたときは、その必要な時間を確保しなければなりません。


産後の場合(出産後1年以内)

医師又は助産師等の指示により、必要な時間を確保できるようにしなければなりません。


女性が保健指導又は健康診査に基づく指導事項を守ることができるように、通勤時間の変更や勤務の軽減などの必要な措置をしなければなりません。
講ずべき措置として以下を参照してください。
事業主に対する母性管理上の措置義務
@ 妊娠中の通勤緩和 女性労働者から医師又は助産師から通勤緩和の指導を受けたことの申し出があった場合には、時差通勤、勤務時間の短縮などの措置を講じなければなりません。
医師等から指示が無かったとしても、申し出があったときは、医師等の判断を求めるなどの対応が必要です。
A 妊娠中の休憩 女性労働者から医師又は助産師から休憩についての指導を受けた旨の申し出があった場合には、休憩時間の延長や回数の増加などの措置を講じなければなりません。
医師等から指示が無かったとしても、申し出があったときは、医師等の判断を求めるなどの対応が必要です。
B 妊娠中又は出産後の対応 女性労働者から医師又は助産師から妊娠中又は出産後の症状等について指導を受けた旨の申し出があった場合には、その指導に基づき作業の制限、休業などの措置を講じなければなりません。
指示が不明確なときは、担当の医師等に連絡を取るなどの対応が必要です。

事業主に対する母性管理上の措置義務
上記1のほか、事業主には、「母性健康管理指導連絡カード」を利用することが求められ、プライバシーについても留意することとされています。


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