解雇
解雇制限、解雇予告手当、解雇無効、解雇事由の記載義務など解雇に関する基礎的な知識を解説しています。

川村法務事務所
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解雇に関する基礎知識

普通解雇 解雇制限 解雇予告手当
解雇無効 就業規則への解雇事由の記載 労働契約時の解雇事由の明示
解雇理由の明示 整理解雇の原則
 
労働契約の解消理由

会社と労働者で締結された労働契約が終了する場合には、会社側からの一方的に労働契約が解除される「解雇」と、それ以外の理由で解除される「退職」があります。
労働契約の終了事由の種類として、
退職
@ 任意退職→労働契約の合意解除
A 無断退職→労働者からの一方的な労働契約の解除
B 契約期間の満了→雇止め
C 休職期間満了による自然退職
D 行方不明の期間経過による自動退職
E 定年退職
F 本人の死亡
解雇(使用者側からおこなう労働契約の解除)
@ 普通解雇→やむを得ない事由による一方的な解除
A 懲戒解雇→懲戒処分としての一方的なの解除
B 諭旨解雇→懲戒処分の一形態としての解雇で内容としては懲戒解雇より軽い
C 整理解雇→人員整理に基づく解除
D 有期労働契約における更新期間契約の更新拒否
E 本採用拒否→試用期間の解約権留を行使したとき
F 採用内定取消→採用前のやむを得ない理由が発生したことによる解除
G 休職期間満了による解雇→就業規則等の定めによっては自然退職となる場合もある
H 定年解雇→平成24年2月現在、60歳未満の定年は無効とされている(高齢者雇用安定法第8条)
解雇が有効とされるには
@原則として、就業規則に定める解雇事由に該当すること
A就業規則等に定めがある場合には、その解雇手続きによること
B労働基準法に定める解雇手続きによること
C法律に定める解雇禁止規定に該当しないこと
D解雇を相当とする理由に該当すること(解雇をすることに合理的な理由があることおよび社会通念上相当と認められること





普通解雇

解雇とは、使用者からの一方的な労働契約の解除です。
民法では、使用者が2週間前までに解雇予告を行えば、いつでも労働者を解雇できることになっており、労働者にも退職の自由が与えられています。
しかし、特別法の労働基準法等で解雇に関する規制で労働者は保護されているのです。
ちなみに、特別法は民法に優先します。

★勤務成績や勤務態度等が不良で従業員としての的確性がないとの理由で普通解雇する場合の有効性を判断
@事業の種類A対象従業員の職務内容B職務能力および勤務態度C勤務成績、勤務態度の不良の程度・回数(事業に及ぼす支障が生じているか・解雇しなければならない程度か・繰り返すものか)、D改善の余地はあるかE会社からの指導はあったか、また、指導をしても改善はなかったかF他の従業員との取扱いの均衡性などを総合的に判断されます。


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解雇制限

労働基準法
産前産後の休業及び業務上のケガ・病気による療養のために休業する期間とその後30日間は、労働者を解雇することはできません。
産前産後については、女子につき出産の前原則として6週間(多胎妊娠の場合は14週間)、産後は、8週間の休暇を認めています。産前の休暇については、本人の請求によりますが、産後の休暇は請求に関係なく絶対的な休暇とされています。なお、産後6週間を経過し本人の請求があった場合において、医師が支障がないと認めた業務に就かせることは差支えがないとされています。
業務災害のための療養の場合は、業務上のものでなければならず、通勤災害によるものや私傷病によるものは適用されません。また、治癒または病状が固定した後の通院等の期間も含まれません。
解雇制限の例外
@ 業務災害による解雇制限は、使用者が打ち切り補償を支払った場合は適用されません。この打ち切り補償については、療養開始後3年を経過した日において、労災法の傷病補償年金を受けていたりまたは同日後受けることになった場合は、3年を経過した日または傷病補償年金を受けることとなった日に、打ち切り補償が支払われたみなされ、労働基準法の解雇制限はなくなります。
A 天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合、解雇制限はなくなりますが、この場合には、労働基準監督署長の認定が必要です。

男女雇用機会均等法
事業主が、労働者の定年及び解雇について、労働者が女性であることを理由として男性と差別的取扱いをすることを禁止しています。なお、女性労働者が婚姻、妊娠、出産を退職の理由として定めたり、また、婚姻、妊娠、出産または産前産後の休業をしたことを理由として解雇することを禁止しています。

育児・介護休業法
事業主は、労働者が育児休業(介護休業)の申出をし、又は育児休業(介護休業)をしたことを理由として労働者を解雇することを禁止しています。
これらは、休業期間中および休業が終わった後も、この休業を理由としてする解雇は許されません。これに違反した解雇は無効となります。

 
解雇予告手当(労働基準法)
使用者が労働者を解雇する場合は、少なくとも30日前に予告をしなければならず、予告をしない場合には、30日分以上の平均賃金をしはらわなければなりません。
この予告日数は、1日分の平均賃金を支払った日数分だけ短縮することができます。
詳しくは、ここをクリックしてください。

 
解雇無効
「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」
上記は、いままでに最高裁の判決で確立されていた「解雇権濫用法理」が労使当事者間に十分に周知されていなかったため、法律に明記されたものです。

「解雇権濫用法理」
「解雇権濫用法理」とは、昭和50年に初めて最高裁の判決として確立されたもので、この判決では「使用者の解雇権の行使も、それが客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当として是認することができない場合には、権利の濫用として無効になると解するのが相当である。」と判示されています。
(最高裁第2小法廷 昭和43年(オ)第499号 昭和50年4月25日判決)

普通解雇については、解雇予告や解雇予告手当を支給したからといって、当然に解雇できるものではありません。
解雇するには、客観的に合理的な理由あり社会通念上相当として是認できる場合でなければ、その解雇は無効となります。

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就業規則への「解雇の事由」の記載

就業規則に「退職に関する事項」として「解雇の事由」を記載しなればならないことになっています。就業規則に定められていない事由での解雇は無効になる可能性があります。
 

労働契約締結時における「解雇の事由」の明示

使用者は、労働契約の締結をする際に、「解雇の事由」を書面の交付により労働者に明示しなければならなりません。

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解雇理由の明示

労働者は、退職証明に加えて解雇の予告をされた日から退職の日までの間でも、解雇の理由についての証明書を請求できます。
ただし、使用者は解雇の予告がされた日以後に労働者がその解雇以外の事由によって退職した場合には、この証明書を交付する義務はありません。

 
整理解雇の原則

整理解雇するにはつぎの4つ理由が必要とされています。
(東京高裁 昭和51年(ネ)第1028号 昭和54年10月29日 判決)
(1) 人員削減の必要性(特定の事業部門の閉鎖等の必要性)
(2) 人員削減の手段として整理解雇を選択することの必要性
(配置転換等をする余地がないこと)
(3) 解雇対象者の選定の妥当性(選定基準が客観的、合理的であること)
(4) 解雇手続の妥当性(労使協議等を実施していること)

整理解雇ついて、使用者は労働者や労働組合に対し、整理解雇の必要性、規模、時期、方法などについて説明し十分に協議をする義務があるとされています。これに違反した解雇は無効となります。


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