賃金(給料)
賃金(給料)の基礎的な知識として、男女同一賃金の原則、募集提示額と実際の賃金、従業員兼取締役の賃金、その他の法律規制などについて解説しています。

川村法務事務所
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賃金に関する基礎知識

賃金とは
男女同一賃金の原則
募集広告賃金提示額と実際の賃金
従業員兼取締役の賃金
賃金に関する法律規制
賃金請求権の時効
遅延延滞金
付加金

 
賃金とは
労働基準法第11条
賃金とは、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものを言う。

労働の対償として支払うということは、使用者と労働者の間に使用従属関係があるわけですから、旅館の仲居さんなどがもらうチップは賃金に該当しません。

ただし、チップのみで生計を維持している仲居さんなどで、チップによる収入を得るために一定の場所の使用が認められていれば、その利益が賃金とされます。
また、客からもらったチップやサービス料を一括して使用者が受け取り、これを後で労働者に分配する場合は、賃金とみなされます。
また、作業服や出張旅費、社用交際費などは会社が業務遂行のために負担するものであり賃金には該当しませんが、通勤費や通勤定期券はその支給基準が定められている限り賃金に該当します。

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男女同一賃金の原則
労働基準法第4条
使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。
これは、労働者が女性てあることのみを理由として又は女性が一般的あるいは平均的に能率が悪いこと、勤続年数が短いこと、主たる生計維持者でないことなどを理由とする意味です。
ですから、新卒者について同じ職種なのに男女によって給料に差がある場合は、差別に当たります。
しかし、性別とは関係なく客観的評価により賃金額が異なることは、差別的取り扱いにはなりません。

 
募集広告における賃金提示額と実際の賃金
職業安定法第5条の3第1項
公共職業安定所及び職業紹介事業者、労働者の募集を行う者及び募集受託者並びに労働者供給事業者は、それぞれ、職業紹介、労働者の募集又は労働者供給に当たり、求職者、募集に応じて労働者になろうとする者又は供給される労働者に対し、その者が従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。

労働条件の明示義務は「労働基準法第15条」にもありますが、明示することがらは事実でなければならないのは当然のことであり、もし事実とちがう労働条件を提示したり、偽りの広告を出した者は、「6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金」に処せられます。(職安法第65条)
ただし、新卒者募集の場合の賃金提示額は、見込額で提示される場合があるので実際の賃金額が提示されていた額と違うからといって、即法律違反とはならない場合もあります。

求人票の賃金額より実際の賃金額が少なかった場合は、その会社の業績が急激に悪化したなどの特別の事情がない限り、法律に反することになります。

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従業員兼取締役の賃金
労働者を名目だけ取締役に就かせて賃金を支払っている場合は、その役員も労働実態から見て代表者の指揮命令を受けて働き、その対償として一定の賃金の支払を受けているような場合は、その役員も労働者として法律上の保護規定が適用になります。

 

賃金に関する法律規制
賃金は、原則として使用者と労働者との間の契約(労働契約)によって定められます。

しかし、労使間の力関係や労働市場の需給関係によって、賃金が不相当に決定されるがあるため、法律はいろいろな規定を設けています。

最低賃金法 賃金の最低基準額が定められている
労働基準法 賃金の支払の確保の方策として、通貨払い、直接払い、全額払い、毎月1回以上一定期日払いおよび非常時払いの義務
使用者の責に帰すべき休業の場合の休業手当・出来高払制の保障給
労災保険法 業務上の傷病による療養中の休業補償給付
健康保険法 私傷病による療養中の傷病手当金
賃金支払確保に関する法律 会社倒産時の未払い賃金の立替払い

上記以外に、労働基準法では賃金の決定において不当な差別を排除するために、「国籍・信条・社会的身分・性別」などの事由が明記されています。

賃金請求権の時効
退職金以外の賃金の請求件は2年、退職金は5年で時効により消滅します。


遅延損害金
賃金の支給がされない場合は、使用者が営利企業のときには、商事法定利率の年6%の割合による遅延損害金を請求できます。
また、退職労働者の賃金(退職手当を除く)の全部または一部を退職の日(退職日以後に支払期日が到来するものはその支払期日)までに支払が無い場合は、その翌日から支払われた日までの期間について、年14.6%の遅延損害金を請求できます。


裁判所に未払いの賃金の請求訴訟を提訴する場合には、未払い金と同額の付加金も請求できるとともに、その付加金には判決確定日の日の翌日から民事法定利率年5%の遅延損害金が請求できることになります。
なお、休業手当、休日・深夜割増賃金、解雇予告手当も適用になります。
但し、付加金の請求は使用者の支払義務違反のあったときから2年以内となっています。


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