年次有給休暇Q&A



Q1 定年後、期間を定めて再雇用した従業員の有給休暇について、定年時に未消化だった有給休暇は消滅するか?


勤務が継続しているかぎり消滅しません。
通常、年次有給休暇の権利は退職によって消滅しますが、これは、雇用関係がなくなった以上有給休暇を取得することが不可能であるためです。
しかし、再雇用制度等により定年後に給与や労働時間等が変わったとしても、雇用関係そのものは継続しており、有給休暇を取得することが不可能になるわけではありません。
つまり、定年後の再雇用については、労働条件等の変更であって、実質的に雇用関係が継続しているかぎり特に別な取り扱いを受けるわけではないということです。
よって、再雇用等により継続勤務している者に対し、定年時に残っていた年次有給休暇を与えないことは、違法ということになります。(労働基準法第39条)


Q2 法律上、初回の年次有給休暇は、入社後6ヶ月経過後に10日を付与することになっているが、入社日(4月1日)に前倒しして10日を付与することは可能か?
その権利はいつまで有効となるか?
また、次年度に11日付与することになるが、その付与基準日はいつになるか?


年次有給休暇の前倒し付与も可能です。また、この10日については、入社時5日、6ヶ月後に5日といった分割付与も適法とされています。
請求できる権利の有効期限は、付与された日から2年になります。
また、前倒し付与をおこなった場合の次年度(11日)付与の基準日は、本来は入社6ヶ月後から1年経過後ですが、その6ヶ月を繰り上げたことにより、次年度の付与基準日も同様に6ヶ月繰り上げることになり、入社日から1年経過後に11日付与することになります。


Q3 法律では、週の所定労働時間が30時間未満の労働者の有給休暇は、所定労働日数に応じて有給休暇を付与することになっているが、1日の労働時間が2時間や3時間などで週の所定労働日数が5日や6日のパートタイムの有給休暇は?


年次有給休暇の日数は、1日の労働時間の長さに影響されません。
よって、1日の所定労働時間に関係なく、所定労働日数が5日以上であれば、通常の従業員と同じ基準で有給休暇を付与しなければなりません。
法律では、通常の年次有給休暇の付与基準として、「週の所定労働日数が5日以上または週の所定労働時間が30時間以上の者」としています。


Q4 建設業で毎年5月から12月までの期間を雇用している季節労働者には有給休暇は与えなくても良いか?


たとえ季節労働者であっても、6ヶ月間継続勤務し、その間の出勤率が全労働日の8割以上であれば、余っている契約期間がたとえ1ヶ月間でも年次有給休暇の請求権が発生します。


Q5 月ごとの勤務割表で所定労働日数が決まるパート労働者(週労働時間が30時間未満)の有給休暇の日数はどのように決められるのか?


月単位で所定労働日数が決められる場合には、原則として基準日の属する月の勤務割表による所定労働日数を12倍して1年間の所定労働日数を基準として付与されることになります。
ただし、基準日の属する月の労働日数が他の月に比べて極端に少ない場合には、月ごとの平均労働日数を基準として付与することになります。
付与日数については、1年間の所定労働日数が217日以上であれば、通常労働者と同じ付与日数となり、216日以下であれば、その日数に比例した付与日数となります。


Q6 退職日または解雇を通告し解雇日が決まっている従業員から未消化分の年次有給休暇の請求が出された場合も有給休暇を与えなければならないか?


退職が予定されている人や解雇予告期間中の人であっても労働者であることは変わりはなく、年休の請求があった場合には有給休暇を与えなければなりません。
なお、労働者が権利を行使する前に解雇されたり、退職した場合には、有給休暇の請求権は消滅します。
使用者は、「事業の正常な運営を妨げる場合」労働者から指定された有給休暇の時季を変更することができますが、この変更は解雇又は退職日までの範囲内でしか行うことができないことに注意が必要です。


Q7

年次有給休暇について、現在半日年休制度を行っているが、新たに時間給による年休制度を実施した場合、たとえば、午前3時間の時間年休と午後の半日年休を請求した場合、どのような処理になるか?