日本雁を保護する会(JAWGP

2007/2008 シーズン ハクガン飛来概況

国内に飛来したハクガンは、少なくとも77羽にのぼると考えられます。この中で、国内で越冬したものは27羽(成鳥10羽、幼鳥17羽)です。この数は、飛来数、越冬数のいずれもが、これまでの記録を大きく上回る記録更新となります。

なお、観察されたハクガンはすべて白色型(white phase)でした。

77羽の内容は次の通りです。

1)    シーズンはじめの10月に、オオヒシクイ、マガンと共に十勝川下流域に飛来し、1月から3月にかけて日本海側の八郎潟、小友沼、朝日池で越冬した成鳥9羽、幼鳥16羽から成る25羽の群れ。

この群れは、十勝での飛来時期の違いや、行動のようすから、(成鳥7,幼鳥6)、(成鳥2,幼鳥10)のふたつの小群が合体したものと思われます。このうちの幼鳥1羽は、八郎潟で越冬中に行方不明になり、春季には24羽で北上して行きました。

39日、朝の飛び立ちの6時頃に小友沼を飛び立った24羽が、1210には十勝川下流域で観察されています。

2)    11月初旬に福島県南相馬市で、12月初旬に福島県相馬市でともにコハクチョウの群れの中に観察された幼鳥1羽。

11月下旬に宮城県蕪栗沼でコハクチョウの群れのなかで観察された幼鳥1羽も、同一の個体の可能性が大きいと思われます。

3)    12月に福島潟で観察された成鳥1羽。

4)    上の越冬した群れ、個体とは別に、1212日に八郎潟上空を南へ通過した50羽(概数、成幼不明)の群れ。

* 1011日に蕪栗沼で観察された1羽は詳細不明のため、上の2)、あるいは3)と同一の可能性もあり、別の個体とはしませんでした。

2016/4/7 改訂)