日本雁を保護する会(JAWGP

2012/2013 シーズン ハクガン飛来概況

国内に飛来したハクガンの数は、少なくとも160羽にのぼると考えられます。この数は、これまで最高だった2009/2010冬季の112羽を大きく超える記録となります。また、この中で、国内で越冬したものは91羽(成鳥43羽・幼鳥48羽)とみられます。

なお、観察されたハクガンはすべて白色型(white phase)でした。

飛来総数160羽の内容は次の通りです。

1)    シーズン初めの9月末から10月中旬にかけて、オオヒシクイ、マガンと共に十勝川下流域に飛来した、成鳥43羽・幼鳥48羽の91羽の群れ。

この群れは12月初旬に八郎潟・朝日池に南下し、越冬しましたが、越冬中の最大羽数は、それぞれ、八郎潟90羽、朝日池89羽でした。

春季には、十勝川下流域を経由して北上しましたが、その時は88羽(成鳥43羽・幼鳥45羽)になりました。

鳥屋野潟、邑知潟、福島潟で越冬し、春季に道央部を北上したコハクチョウと行動を共にしていた幼鳥1羽は、1)の群れから別れた可能性も考えられます。

2)    1)の群れが飛去した後に八郎潟に現れた約60羽の群れ(成幼不明)。

八郎潟より1)の群れが飛去した後の322日の朝、マガンの塒飛立ち観察後に、南方より飛来し、五城目町上空を通過し、上小阿仁方面へ向かう約60羽の群れが観察されました。

この飛行ルートは通常とは異なるもので初めて見るルートとのことです。

3)    10月初めにサロベツに飛来した9羽(成鳥4羽・幼鳥5羽)の群れ。

袋地沼に10月中旬に飛来した3羽(成鳥1羽・幼鳥2羽)は、この群れに含まれる可能性があるので保留としました。

2)、3)の群れは、国内での越冬期の観察がないので、日本を通過して行く個体群と考えられます。

11月に朝日池で見られた成鳥1個体は、3)に含まれている可能性も考えられるので保留としました。

2016/4/7 改訂)