日本雁を保護する会(JAWGP

2014/2015 シーズン ハクガン飛来概況

国内に飛来したハクガンの数は、少なくとも139羽(成鳥109羽、幼鳥22羽、不明8羽)になると考えられます。この数は、これまで最高だった2012/2013冬期の140羽にわずかに及びませんが、引き続き増加傾向は続いていると思われます。

なお、観察されたハクガンには、下面が白いタイプ(中間型)の青色型(blue phase アオハクガン)の成鳥1羽が含まれています。この個体は、2006/2007冬期に飛来した2個体に続く国内での3例目の記録になります。

139羽の内容は次の通りです。

1)    秋期に十勝川下流域に現われ、廻堰大溜池を経由して南下し、八郎潟・小友沼で越冬した127羽(成鳥106幼鳥21)。

この群れに青色型(アオハクガン)成鳥1羽が含まれます。春期に、小友沼を経由して北上し、十勝川下流域に達した際には、群れは125羽となっていて、青色型の個体は含まれていませんでした。

春期に十勝川下流域に滞在中、天候不順のため、3月中旬から下旬にかけて一時的に再南下し、群れの一部(29羽)は小友沼まで戻っていたとみられます。

2)    1)の群れが飛来する前に八郎潟に飛来した8羽(成鳥幼鳥不明)。

八郎潟では、越冬中に 1) 2) の群れの合計数の観察例はなく、両群が合流して八郎潟で越冬したかは不明です。

3)    単独で、秋期にサロベツ(成鳥1)、袋地沼(成鳥1幼鳥1)、小友沼(成鳥1)に飛来した計4羽。

長都沼、宮城県(伊豆沼、蕪栗沼)、佐潟に飛来した単独の個体は、3) のいずれかと考えられますが、1) 2) の群れから離れた個体の可能性も残ります。

飛来したハクガン総数139羽のうち、確実に国内で越冬したと考えられるのは、1) の八郎潟で越冬した127羽(成鳥106幼鳥21)と宮城県で越冬した2羽(成鳥1幼鳥1)の129羽(成鳥107幼鳥22)です。