日本雁を保護する会(JAWGP

2019/2020 シーズン ハクガン飛来概況

国内に飛来したハクガンの最大羽数は、秋期、2019/11/22 に記録された1965羽となります。その内、少なくとも 1621羽(成鳥 606羽、幼鳥 964羽、成幼不明 51羽)が国内で越冬したと考えられます。

飛来数、越冬数共にこれまでの記録を大きく上回る値です。

なお、昨シーズン越冬したハクガンにはアオハクガン幼鳥 1羽が含まれています。アオハクガン成鳥の記録は、これまで、2006/2007冬期に2羽、2014/2015冬期に1羽 の記録があり、今回は国内での4例目のアオハクガンの記録となりますが、幼鳥としての飛来は初めての事例です。

越冬した1621羽の内容は次の通りです。

1)    北海道道央部(長都沼、日高地方など)で越冬した 6羽(成鳥1幼鳥5)。

2)    北海道日高地方で越冬した 1羽(幼鳥1)。

一昨年(2017/2018冬期)より、3期連続の北海道でのハクガン越冬記録です。

3)    八郎潟干拓地で越冬した 1575羽(成鳥594幼鳥930成幼不明51)。

この中にアオハクガン幼鳥1羽が含まれます。この群れのほとんどは十勝川下流域を経由して移動しているとみられますが、一部は、秋春に、青森県弘前地方(廻堰大溜池など)を中継地としていることが、アオハクガンの存在により確認されました。

4)    宮城県北部(伊豆沼、蕪栗沼周辺)で越冬した 31羽(成鳥10幼鳥21)

5)    仙台市東部の大沼で越冬した 6羽(幼鳥6)

6)    朝日池で越冬した 1羽(成鳥1)。

ハクガン成鳥1羽、マガン成鳥1羽の両親と交雑種と思われる幼鳥3羽からなる家族群として飛来し、ほとんど行動を共にしていました。

7)    鳥取県米子水鳥公園、及び島根県能義平野で越冬した 1羽(幼鳥1)

島根県でのハクガン越冬の記録は2008/2009冬期にありますが、鳥取県でのハクガン越冬は初めての事例です。

この他に、一時的に各地で観察された個体は、上の群れのいずれかと同一の可能性があるので、別個体とはしませんでした。