日本雁を保護する会(JAWGP

2020/2021 シーズン ハクガン飛来概況

国内に飛来したハクガンの最大羽数は、春期、2021/2/12 に記録された 2125羽となります。その内、少なくとも 1667羽(成鳥 1168羽、幼鳥 477羽、成幼不明 22羽)が国内で越冬したと考えられます。

飛来数、越冬数共に昨シーズンの記録を上回る値です。

なお、越冬したハクガンにはアオハクガン成鳥 1羽が含まれています。2019/2020シーズンにはアオハクガン幼鳥 1羽が越冬し、同じ経路で移動しているため、同一個体の可能性が大きいと考えられます。

越冬した1667羽の内容は次の通りです。

1)    北海道十勝川下流域(浦幌町)で越冬した 22羽(成鳥9幼鳥13)。

北海道道東部でのハクガン越冬の初記録です。

2)    北海道道央部(日高地方、むかわ町など)で越冬した 25羽(成鳥16幼鳥9)。

2017/2018冬期より4期連続の越冬記録です。

3)    北海道新ひだか町で越冬した 49羽(成鳥11 幼鳥38)。

新ひだか町でのハクガン越冬の初記録です。

4)    八郎潟干拓地で越冬した 1532羽(成鳥1110 幼鳥410 成幼不明12)。

この中にアオハクガン成鳥1羽が含まれます。この群れのほとんどは十勝川下流域を経由して移動しているとみられます。

5)    宮城県北部(伊豆沼、蕪栗沼周辺)で越冬した 38羽(成鳥22 幼鳥6成幼不明10)

6)    伊豆大島で越冬した幼鳥1羽。

11月中旬に八丈島に幼鳥5羽が飛来し、その後、周辺の島に分散しましたが、大島で1羽が越冬したことが確認されました。

この他に、一時的に各地で観察された個体は、上の群れのいずれかと同一の可能性があるので、別個体とはしませんでした。