日本雁を保護する会(JAWGP)
2022/2023
シーズン ハクガン飛来概況
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国内に飛来したハクガンの最大羽数は、2022/11/11 に記録された1897羽(成鳥1278羽、幼鳥589羽、不明30羽)でした。一方、1823羽(成鳥517羽、幼鳥183羽、成幼不明1123羽)が越冬期後期に観察されているため、飛来したハクガンのほぼ全体が国内で越冬したと考えられます。 越冬数1823羽は、2020/2021冬期の1667羽を超える新記録です。 なお、越冬したハクガンにはアオハクガン5羽(成鳥2羽、幼鳥3羽)が含まれています。成鳥1羽は白色型ハクガン成鳥1羽とアオハクガン幼鳥1羽の家族群で、顔に黒斑のある成鳥1羽は単独で、幼鳥2羽は一緒に観察されています。 越冬期後期(2023年2月17日〜28日)の1823羽の内訳は次のとおりです。 1) 北海道日高地方で越冬した77羽(成鳥53羽、幼鳥22羽、不明2羽)。 2) 青森県八戸市で越冬した14羽(成鳥13羽、幼鳥1羽)。 3) 秋田県八郎潟干拓地で越冬した726羽(成鳥109羽、幼鳥46羽、不明571羽)。 4) 秋田県由利本荘市で越冬した85羽(成幼不明)。 5) 宮城県伊豆沼で越冬した362羽(成幼不明)。 6) 山形県酒田市で越冬した209羽(成鳥181羽、幼鳥28羽)。 7) 新潟県朝日池で越冬した350羽(成鳥161羽、幼鳥86羽、不明103羽)。 この他に、一時的に各地で観察された個体は、上の群れのいずれかと同一の可能性があるので、別個体とはしませんでした。 日本雁を保護する会と山階鳥類研究所等の共同事業として、2022年11月25日、八郎潟干拓地でハクガン2羽(成鳥1羽、幼鳥1羽)を捕獲し、成鳥には位置送信機、幼鳥には緑色首環標識T04を装着しました。残念ながら発信器は約2か月後に送信が途絶えてしまいましたが、首環標識からはハクガンの移動についての貴重なデータが得られました。T04は、2023年4月20日に北海道浦幌町で観察された後、2023年5月7日にカムチャツカ半島東のベーリング島で、ハクガン約60羽の群れの中で観察されています。 |