今日は何だか何だかとっても色々でした。

途中まで楽しくってがつがつしてていい感じ。
今日はこんなんで終わるのかな〜、あ、でもライブは生ものだしまだ何が起こるかわからないわよね〜。
と思ったのが本編終了の2曲前のチェイスでした。
ええ、起こりましたとも.

まあ、途中で煽られながらもそれなりに好感触で本編終了のイグナイまで終わったのです。
が、アンコールが。確かにターボコールはしょぼかったのです。
というか名古屋人はせっかちなのか、コールのスピードが早すぎるんです。
で、早すぎて揃わない。結果声が出ていないように感じられる。というのを毎回毎回繰り返してるわけですが。
アンコールで出てきて、やっぱり、と考え直すような顔をして、貴教は歌わずに
「アンコールと言うのは求められて初めてあるものだから、なくていいなら別にいいんです。
今日はどうもありがとうございました」とかいって引き上げたんですよ。
で、もっかいコールやり直して出てきたんですね。
ええ、ここまではいいです。ここまではありがちです。
「ここは自分にも来てくれてるみんなにも神聖な場所だと思うから、嘘はつけないしごまかしも出来ない。だから」
と言ってたんです。

問題はその後。
MCを始めようとして、貴教は「え〜、え〜」と何度も何度も繰り返しました。
本当に長く口篭ってた。こんなに言いにくそうにしてるのは初めてで、もうこの時点でちょっと不安になったんですよ。
「まあ、プライベートのことだし・・・、う〜ん、え〜、・・・・やっぱやめます」
当然のことながら会場は大ブーイングですわ。その中でもやっぱり奴は口篭っている。
会場から「言って〜!」とか叫ぶ人もで始め、このやりとりに逆切れして「そこまで言ったならいえよ!」
とか叫ぶ奴もいて。それに反対に「黙れ!」とかいう奴もいて。
そのあと一人で話し始める客とかもいたけどそれはまあおいといて。
何だかこの時点でちょっと会場中がヘンな雰囲気だったんですよ。

しばらくしてから貴教は口篭っていたことを話し始めました。
「客席の中に家族の方がいらっしゃると思うんですけど・・・。今日この会場に来る予定で亡くなって、
これなくなった方がいます。」
会場中静まり返りましたよ。そりゃあプライベートな問題と口篭るはずです。
「僕が歌うことに何の意味があるんだろう。どんな価値があるんだろう。というか本当に自分には何か価値があるのか
と思います。」
「無力だ、と思いました。」
「昨日、そうやって考えてたらここで立てなくなりました。」
昨日立って歌えなかったイグナイは、体調の所為だけじゃなかったのか、と思いました。
確かに昨日のMCでも自分は無力だ、無力だ、と言ってたんです。

ああ、上手くいえません。何か本当に悲しかったの。切なかったの。
無力じゃないのに、どうやって伝えたらいいのか解らないの。
声も揃わないの。
貴教の会場も気持ちが上向かないまま、曲へ。
「恋ニモマケズ」・・・楽しい歌が楽しく聞こえない。泣けてしょうがない。
「ウルワシキセカイ」激しい曲なのに何にも声が出ない。気持ちは一杯なのに涙は出るのに声は出ない。
私は何だか気持ちがぱんぱんになってしまって。

ダブルアンコール。
オービットの途中から、貴教も泣いてました。
なんかもう会場中みんなぐちゃぐちゃ。泣いて叫んでどうしたら届くのかと。

何度も何度も腕で涙を払っていた貴教は、最後、何度も何度も深く頭を下げていました。とっても長く。
何度も客席を拝んでいました。
袖に引き上げる時も最後振り返って深く頭を下げていました。

今日のライブの雰囲気は口では言い表せれないです。
重い。ほんとに重い。

貴教の腕には点滴の後があったそうです。
貴教は泣いた後、SUNAOさんの方には行きませんでした。SUNAOさんは頭を振り乱してギターをかき鳴らしてました。
すなおさんも泣いてるんじゃないかと思いました。
友達にスナオちゃんのほうに行かなかったね、と言ったら「そんなの泣いちゃうからに決まってるじゃない」
と言ってました。確かに。

あのひとは私のたった二つ歳が上なだけで、いろんなこと見たりやったりしてるひとだけど、
結局は自分達の友達と同じ単なるおにいちゃんで、こんな何万人の命を背負うなんて出来ないんだし、
しなくていいんだよ、と思いました。
彼が気にしいで、こうやってゆらゆらと揺らいでしまう人だと知ってるのに、それを包んであげれるライブを
今日は私たちが出来なかった。
無力じゃない、と思わせるだけの熱を彼に返せなかった。
それが悔しい。


帰りの友達に乗せてもらった車のなかで、チェイスが流れました。
微妙な沈黙後。
「すっげーむかつく!呑気に歌ってんじゃねえよ!」と友達と口をそろえて叫んでしまいました。
さっき聴いた歌と全く違う歌が、CDから流れてきます。
アルバム、発表された時はすごくいい歌いかたしてると思いましたが。
今では魂のない曲にしか聞こえません。
魂の歌はライブ会場にしか、ないのです。

なのに奴は自分が無力だと言う。

しかし最後の挨拶で
「全部の答えは見つからないけど、ひとつひとつ、今はここでできることを・・・!」
と言っていたような気がします。

今日のライブは重かった。
帰りに友達たちと一緒にあーでもないこーでもないとひとしきり語り合えたのが、本当にありがたく思いました。
一人だったらきつかったな。
ありがとう。








《お友達に当てたメールより以下抜粋》

TURBO−WEBあれからものすごい量の書き込みがあるのですが、
結局書き込みが書き込みを呼んでしまうんですね。
あの場にいたのは3000人ぽっちで、そこに参加してないひとって言うのは
貴教の「自分は無力だ」と言う言葉にものすごく揺さぶられてしまったようです。

なんと言うのでしょうか、あの時一番思ったのは
「今何を感じたらいいのか解らない」という何だか飽和した感情でした。
すごくいっぱいいっぱいで、悲しいとか腹立たしいとかそういう気持ちはなかったんです。
どうしたらいいんだろう、そんな感じでみんなすごく戸惑っていたように思います。
どうしたらいいんだろう。うん、本当にそんな感じです。
多分それは貴教も同じだったんじゃないかと。

言うべきかどうかすごく悩んでて、一度は「やっぱり(言うの)やめます」ときっぱり言ったんです。
それを無理矢理言わせたのは会場の私たちです。
言わざるを得ない状況を私たちが作りました。
その時の会場の雰囲気ったら!
他所さまで読みましたが「貴教の迷いが会場に伝染して、会場中が不安になった」
という状況です。
凄く荒んだ感じでした。
で、貴教は話してくれたんですよ。

「自分の生きている意味はあるだろうか。」
「音楽をする意味はあるのだろうか。」
そんなことをずっとぶつぶつ言い続けてました。

「だけど」とか「それでも」とか前向きな言葉はなくってね。
会場中が「そんなことない」とか「届いてるよ!」とか口々に叫ぶんだけど聞いてくれてないの。

貴教もね、本気で私たちの言葉が届いてないとは思ってなかったと思うんですよ。
それは他の方のサイトにも書いてあった。
でもどうしてもやさぐれてしまったりつらかったり人の言葉に耳を貸したくないって時って誰でもあるでしょう?
そんな感じだったんです。
今のこの会場をどうしたらいいのか、私たちも思っていたし、それは貴教も思ってたと思う。
でもみんなどうしたらいいのか解らない感じ。

その頃から私の記憶は飛んでいて、貴教がどんな歌い方をしたのか思えてないんです。

でもすごく強く力を込めてた歌だったことは確か。
記憶のある人は凄い歌だったっていってました。覚えてないのが残念です。

最後ダブルアンコールの2曲目、ライブラストの曲はOUT OF ORBITなんですけど、その途中から貴教泣いててね。
二階の私の席からもよく見えました。

最後の挨拶の時、サポメンを紹介した後、「なごやー!!なごやー!!!!なごやー!!!!!」と
声が裏返るほど叫んでいてね、
私たちの気持ちは届いていないとは思わなかったのですよ。

みんな引き上げた後も一人貴教は残っていました。

彼はいつも深々とお辞儀をしてくれるけどこの日は本当に長くて、彼の私達への感謝の気持ちが
本当に伝わってきたんですよ。
で、何度も顔の前で手を合わせて、会場を拝んでた。
「ありがとう」とか「ごめん」とかその姿からは聞こえてきましたよ。
何度も何度も涙を拭っててね。



最後袖に引けるとき、半分袖の中で会場を振り返って立ち止まって、もう一回深々とお辞儀してるのも見えました。
いつもしてるわけじゃないんですよ、それ。


会場中の声を受けて、でも貴教は耳を塞いでというか頭を抱えてステージでふらふらと揺れていた姿も本当です。
何を考えていたのかな。
その姿を見たのは最後だったのか話しちゃったすぐ後だったのか、記憶が曖昧です・・・。



この事態はその日会場に居合わせた私たちに非があると思いました。
もっとちゃんとした声を返せていたら、凄いライブを私たちが出来ていたら、回避できたか、
もっと違う雰囲気に持っていけたのだと思うのです。
実際土曜日も彼は「自分は無力だ」と言ってたのですから。
体調も悪かったのでしょう。でもそれだけじゃなくって、貴教も悪いけど私たちも悪かったと思うの。


で、昨日はオールナイトニッポンだったのですね。
しょうがないから三時までうつらうつらしながら生で聞きました。
最後に「最後に辿り着く答えはまだ見えないけど、今自分が出来ることをひとつずつやっていこうと思います」
と言っていたような気がします。
それと同じことをライブの最後でも言ってたと思うんだけど、他の印象が強すぎてみんなそれが
飛んじゃってるんではないかと思います。

でも、実際ライブでは前向きな強い言葉じゃなかったの。
昨日のラジオでは強い言い方をしていて、私は安心しました。


そんな感じの名古屋でした。




《以下ANNの書き起こしです》

自分が直接、やっぱ音楽をやっててですね、人にどんなことができるのか、
どんなことを皆さんにお届けできるのかってのは、
まだぜんぜんわからんわけですよ。
でも…やっぱ、たぶんその答えにたどり着くのはずいぶん先だろうし、
たぶんやってもやってもたぶんその答えにはたどり着けないのかもしれない。ね?
人の助けに本当になってたりすんのかな、とかさ。
自分がこうやってることって、本当にちゃんと意味があることなのかなぁって。
悩み続けてもたぶん答えは出ないし。でもやるしかないし。
で…。でも、考えてみたら、今ここに、こうやってラジオがあったり音楽がやれてる
状況があるわけじゃないですか。
これが与えられてる状況の中でやっぱそこで精一杯やるのも、これもすべてですから。
ということはやっぱりここで今精一杯やっていくしかないんですよね。
ということが、ラジオもそうだし、音楽もそうだし、
自分がかかわるすべてのことがそういうことなのかなーということを
今すごく感じていたりとかしております



《さて、一月半が経って》
あの名古屋事件から一月半たった五月静岡が終わった翌日に書いております。
あれから色々あり、この時のことはPATIPATIにロングインタビューで載り、
4月末の尼崎の列車事故でも別くちでウチのファンがなくなり、その方の記事が新聞に載り。
新曲は発表になり、ボルネオは放送され、またもや一期終了とかこの期に及んで言い出してほのかに私をむっとさせたり(苦笑)、ライブの神降臨、のようなライブを神奈川にて行い、
その新曲はバラードと発表され、そして10年目に突入し。

ツアー中とはいえ、色々巻き起こりすぎなような気もしないではないですが、
こうやってワタシタチはどこまでも行くのでしょう。