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Q;共同相続人は家庭裁判所の許可を得たときは、格別に限定承認をすることができる。
A;×
限定承認を各相続人ごとに認めると一人一人の清算手続が煩雑となることから、共同相続人は、全員でこれをしなければならず、格別に限定承認を許容する家庭裁判所の許可の制度は認められていない。
限定承認とは
限定承認とは、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して承認することをいいます(922条)。
相続人にとっては、相続財産農地、積極財産と消極財産のどちらの額が大きいか判然としないときに、存在意義がある制度です。
(1)家庭裁判所への申述
限定承認をするには、考慮期間内に、相続財産についての財産目録を調製し、これを家庭裁判所に提出して限定承認をする旨の申述をしなければなりません(924条)。
限定承認は相続財債権者などに与える影響が大きいため、厳格な方式が要求されるのです。
(2)共同相続人の場合
共同相続人が限定承認をするには、相続人全員が共同でしなければなりません(923条)。
これは個別の限定承認を許すと、清算手続(927条以下)ガ煩雑になるからです。
但し、共同相続人中の一部の者が相続放棄をした場合には、その者は初めから相続人ではなかったことになる(939条)から、残りの共同相続人全員で限定承認をすることができます。
(1)基本的効力
限定承認も承認の一種であるから、相続人は被相続人に属した一切の権利義務を包括的に承継するという相続の基本的効果(896条本文)生じます。
したがって、消極財産が積極財産を上回る場合であっても、相続人は債務全額を承継し、相続によって得た積極財産の限度で責任を負うことになります。
すなわち、限定されるのは「債務」でなく「責任」です。
相続債権者は、相続人に対して債権全額を請求することができるが、相続人固有の財産に対して強制執行することは許されません(大判昭15.9.28)。
また、相続人が任意に債務全額を弁済したときは、非債弁済とはなりません。
(2)清算手続
限定承認がなされると、相続財産について清算手続が開始し、相続債権者や受遺者に対する弁済が行われます(927条)。
そのため、被相続人の生前から相続人・被相続人間にあった権利義務関係は、混同の例外として、消滅しなかったものとみなされます(925条)。
限定承認者は、従前と同じくその固有財産におけると同一の注意義務をもって、相続財産の管理の継続をしなければなりません(926条)。
「単純承認・限定承認・放棄の比較」
| 単純承認(920) | 限定承認(922) | 放棄(938) | ||
| 意義 | 相続人が被相続人の権 利義務を無限に相続す ること |
相続財産の限定でのみ 相続債務・遺贈を弁済 ことを留保して相続を 承認すること |
民法所定の方式に従って なされるところの、相続財産 を一切承継しない旨の 意思表示 |
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| 要件 | (a)相続財産の全部又は 一部を処分した(921条1項) →「処分」には法律行為のほか、 事実行為(破壊等)もふくまれる →相続開始を知らないで処分した 場合は含まれない (b)915条1項の期間(熟慮期間)内に 限定承認・放棄をしなかった(921条2項) (c)限定承認・放棄をした後で、相続財産 の全部・一部を隠匿し、私に消費し、悪意 で財産目録中に記載しなかった(921条3項) |
<家庭裁判所への申述(924,938)> (a)要式行為 無方式の意思表示としての限定承認・放棄は無効で ある (b)申述すべき期間 原則として3ヶ月(熟慮期間、915条1項) 起算点:自己のために相続の開始のあったことを 知った時 |
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| 効果 | 熟慮期間がなお残っている場合でも、もはや 限定承認・放棄はできず、相続人は無限に 被相続人の権利義務を承継する(920) |
<限定承認者の義務> (a)財産産目録の調整 (924) (b)相続財産の管理 (926条1項) (c)相続債権者・受贈者に 対する公告・催告(927) (d)相続債権者・受贈者の 弁 済(929) (e)損害賠償責任(934) |
<放棄者の義務> ・管理継続義務(940) <放棄の効果> (a)遡及効(939) 他の相続人の相続分は、 放棄者が初めからいなかった ものとして算定される (b)代襲原因にならない (887) |
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*参考文献
東京リーガルマインドC BOOK民法X親族相続