魚菜王国いわて

しわ寄せはどこに?

まき網漁業と沖合い底曳き網漁業のスルメイカ転業漁獲で、被害を被ったのは、ほかでもない、イカ釣り漁業である。
両漁業の実質無制限状態の水揚げで、加工用の冷凍イカは在庫圧から、値下がりする一方であり、まず大型イカ釣り船から順に、倒産または廃業に追い込まれている。
たとえば、ペルー沖アカイカ漁に行く大型船などは、帰ってきても赤字なので、そのまま船をペルー国内の業者に売却している。
帰ってきても、船の引き受けては無く、解体費用がかさむだけだ。
次が中型イカ釣り船で、彼らもやはり冷凍水揚げだから、在庫圧から大型船と同じ運命をたどっている。
小型船は生イカが主体であるが、それでも加工用のイカも水揚げしている。
この分の水揚げ収入は、もちろんマイナスとなる。
したがって、小型イカ釣り漁船の経営体も、どんどん減っている。

このように、「何でも根こそぎ漁業」が、専門漁業を窮地に追いやっている。
これが、わが国の漁業政策なのである。



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