魚菜王国いわて

「戦争中毒」

この「戦争中毒」は、リンクサイトのbunbukuさんの掲示版で紹介されていて、さらに読むよう勧められました。
bunbukuさん、ありがとうございます。

「戦争中毒」は漫画です。
しかし、漫画といってもバカにできない内容です。
私のサイトを読むより、ずっとアメリカ合衆国政府の都合の良い世界戦略が描かれています。
私は今まで、「アメリカ」と書いて批判してきましたが、ここで皆さんにお願いがあります。
当サイトにあるアメリカ批判の中の「アメリカ」という言葉の後ろにすべて、「合衆国政府」を付けて読んでください。
この「戦争中毒」では、アメリカの国民も被害者であることも書いています。
作者はジョエル・アンドレアスさんという方で、彼がアメリカ人であることから、非常に説得力もあります。
今まで、ただ「アメリカ」と記述し非難してきたことは、配慮に欠いていましたので、この場でお詫びします。

内容は、「アメリカ帝国」成立の歴史からアメリカ合衆国政府の起こした戦争、そして、アメリカ国民の生活への影響、さらにはアメリカ合衆国政府の情報操作にまで及んでいます。
数値データが示されていて、驚くものが一つや二つではありません。
ここでは、あのテロの主犯とされるオサマ・ビン・ラディン氏の記述だけに留めます。

確か、アル・ジャズィーラ?は、ビデオテープに収録した彼のメッセージを公表しました。
その時、アメリカ合衆国政府は、「テロの実行犯向けの暗号を含んでいるかもしれない」として情報統制したのは、皆さんが知っての通り。
しかし、本当は、アメリカ合衆国政府がこのメッセージを隠したかった、というのが、真相かもしれません。
その時のメッセージ内容をここで「戦争中毒」から引用します。

アメリカが今、味わっていることは、われわれがもう何十年も味わってきたことにくらべれば、ごく、ささいなことである。われわれの国(イスラム世界)は、80年以上にもわたってこの屈辱といやしめとを味わってきた。息子たちは殺され、その血は流され、聖地は攻撃される。そしてだれも耳を傾けず、心にも留めない。こうして話している間も、何百万もの無実のこどもたちが殺されている。イラクでは何の罪もない子どもたちが殺されている。
アメリカ〜その国家と人々に対して、私はほんのいくつかを言いたい。私は柱もなく天空を支え給う偉大な神に誓う。ここパレスチナに暮らす私の前に平和が戻り、異教徒の軍隊がマホメッドの土地から出ていかないかぎり、アメリカ、そしてアメリカに暮らす人びとは、安全を夢見ることさえ叶わないだろう。
神に平和を。
(「戦争中毒」p33)

漫画ではこの後、アメリカがオサマ・ビン・ラディン氏のメッセージを知られたくなかった理由を次のように書いて、さらに続きます。

「9月11日の攻撃は、アメリカの外交政策、とくに中東地域への軍事介入への報復として実行された」というメッセージがあたえる影響のほうを心配したのだろう。
(中略)
アメリカ国防総省は、最新鋭の兵器によって、攻撃目標になった国のインフラを破壊しつくし、数千人いや数十万人の人びとを殺してその国を破滅することができるということをくり返しくり返し見せつけてきた。
(前掲書p34)

これをうけて、主人公の一人のある家庭の主婦が、今度はこう言っています。

これで報復攻撃がないなんて考えるほうが甘いわよね。
(前掲書p34)

オサマ・ビン・ラディンは、アメリカ合衆国政府が生んだテロリスト。
彼はアメリカ合衆国政府に反目したわけですが、そうでないテロリストもたくさんいるらしいようです。
「戦争中毒」では、実名を2名あげており、その両名はアメリカ合衆国政府のために、他国へのテロを実行しているとしています。
しかも、アメリカ国内で、保護までしています。
この後もアメリカ合衆国政府の「テロ行為」の描写はつづきますが、もう私は書きません。
ぜひ、買って読んでください。
一家に一冊あっていいと思います。
それほど、現在はアメリカ中心に動いていますし、しかも、日本はアメリカの属国です(副島隆彦)から、私たちの平和な暮らしと比較し考えることも必要かと思います。
小泉内閣は、アメリカのイラク攻撃を支持していますが、この「戦争中毒」がベストセラーになれば、少しは考えを変えるかもしれません。(甘い!?)

前回のつぶやきでは、アメリカの地方主権を書きました。
そこでは、地方の「小さな政府」のことがでています。
しかし、「戦争中毒」を読めば、合衆国政府は軍事目的の「大きな政府」になっています。
そのしわ寄せが、「地方」の住民の生活にきていることになります。
(2003年2月13日)



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