魚菜王国いわて

ハリウッドも日本を属国に見たてている?

副島隆彦さんによると、社会科学(社会学問)の分野で、「日本の知識人は、かなり低レベルで、何も知らない」と断じています。
そのことは、彼の著書の全編にわたって書かれており、そういうふうにバカ扱いされることが嫌いな人たち、特に文系の人たちは、彼の著書から離れていく人も少なくないでしょう。
しかし、こうもあからさまに日本が属国扱いされると、少しは副島さんの言うことも見直したらどうかと、私なりに書いておきます。
題名からもわかるとおり、映画を通じても、日本はその程度の国にしか見ていられないようです。
彼の指摘によって、今まで観てきた映画に対する私なりの評価も、かなり変わりました。
今日は、副島隆彦著「ハリウッドで政治思想を読む」から、ハリウッドの、日本に対する見方を紹介します。

最初に「スター・ウォーズ エピソード1」。
「スター・ウォーズ」シリーズは、善の連邦軍と悪の帝国軍の構図で、最後に勝つのは、善の連邦軍です。
そこで次を引用します。

銀河共和国(Galactic Republic、ギャラクティック・リパブリック)という、銀河系宇宙の諸惑星が加盟する各々の生命体(生物種)からなる自治組織の連合体が出てくる。これに対抗して、今回、宇宙の平和に破壊攻撃を仕掛けてくるのは、何とおそれ入ったことに「通商連合」(Trede Confederation)である。いやこれには参った。通商戦争(貿易摩擦)からの類推だ。
この通商連合が、宇宙の平和を乱す悪の軍事同盟として現れた。銀河共和国とは言うものの、本当は、こっちの方が現在のアメリカ帝国(American Empire)及びその属国(同盟国、Alies)群である。他方、この「通商連合」というのは、現在のアメリカに、自分勝手な工業製品のダンピング輸出攻勢を行っているヨーロッパ諸国とりわけドイツと、日本のことである。それで、「通商連合」なのだ。ありゃありゃ。ここまで露骨な話だったとは。
(副島隆彦著「ハリウッドで政治思想を読む」p118)

私、この映画、観てないんですよ。
どうせ英語わかりませんから、字幕で「聞く」わけですが、字幕ではどう書かれているのでしょう?
字幕まで「通商連合」なんですかねえ?
英語ができる人はごまかせんから、この辺の指摘はさすがです。
ジョージ・ルーカスがこんな形でアメリカ以外の国を表現したのには、彼の心の底は、やはり「日本憎し」なのかもしれませんね。
あきれてしまいます。

さて、この「ハリウッドで政治思想を読む」は、「アメリカの秘密」の続編です。
「アメリカの秘密」では、日本がモデルになっているハリウッド映画を複数紹介しています。
そのモデルも、未開の原住民のモデルとして、です。
すなわち、未開の原住民=日本人なわけで、それほどアメリカ人からみれば、日本人は東アジアの奥地の原住民らしいのです。
映画のストーリーは、片方は、その東アジアの奥地に来てびっくりした、というのと、もう一つの方は、一人のアメリカ人が未開の奥地の王様になり、アメリカはそれを許さなかった、というストーリーです。
どちらも超有名な映画です。

東アジアの奥地の原住民は、どうせどのようにでも支配できる、という見方なのでしょう。
今までそんなことも知らず、これらの映画を喜んで観てたんですから、制作したアメリカ側は、「日本人ってバカだ。やはり奥地の原住民だ」と心の底では思っているのでしょうか?
いやなやつらだ!
(2004年4月11日)



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