Column

   麻痺する常識論
 「中学校の組体操10段ピラミッドで骨折事故発生」というニュースをTVで観た。番組司会者は、「子供の挑戦する気持ちや自主性を考えれば多少のことは...」ということを言っていたが、果たしてそうだろうか。確かに組体操自体は昔からありました。但し年々大掛かりになってきているのも事実なのです。当然事故の発生件数も増加の一途ですね。
 
 今回の事故は、幸いにして軽傷者数名と右腕骨折の生徒だけで済みました。しかし、これが首や背骨の骨折事故だったらどうでしょうか。ニュース自体も、身体障害もしくは死亡事故発生との見出しになったことでしょう。当然賛否両論どころか、危険極まりない行為だったと批判を受けることは間違いありません。関係者は当然責任逃れをすることでしょうね。大勢の生徒が10段もの人間ピラミッドを作る訳です。深刻な事故が発生したとしても不思議ではないのです。プロ集団ではないのですから、子供である危険性を考えれば10段もの人間ピラミッドなど実施すべきではなかったのです。
 
 現在は訴訟時代です。悲しい事故だったとは言いつつも、「最悪の事態が発生した場合に誰が責任を取るのですか。いや誰が責任を取れるのでしょうか。」ということを考えねばなりません。
 
「過保護にならない教育や子を伸ばす教育」という言葉を良く耳にします。しかしながら、非常識が常識化することのないようにしたいものです。
更新日時:
2015/10/05

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