興味深い話を聴いた。「作用反作用の法則とは物理だけの法則ではない。万物現象すべてに通じる法則である」成るほど物事の因縁や人間同士の争いごと、しいては動植物の成長に至るまで「作用反作用の法則」が当てはまる。原因があり結果が生じる作用。これは人為的なものであっても自然界の法則(作用)であっても同じことだ。ならば、これは少林寺拳法の教義であるところの「ダーマの徳性」と同じではないか。
天と地,陰と陽,体と心,善と悪,生と死等々、相反するように思われがちだが決してそうではないのである。表裏一体、即ち均衡をとりながら互いを支え合ってすべてが成り立っているのである。そのバランスが崩れると、傾いた側に力が作用し問題が生じるのだ。例えば人間の体について考えてみると良く分かることだが、体と心のバランスが崩れると病気になることは疑いのない事実である。また自然界のバランスが崩れると、天変地異その他環境破壊が生じることは紛れもない事実なのである。
ただここで重要なことは、「崩れる」ということはまだ修正が効く状態だということである。然るに「壊れる」では修正不可能になるということを理解しておきたいものだ。
人間には、本人の自覚とは別に太古の昔の狩猟民族のDNAが必ずインプットされている筈である。それが良いとか悪いとかいうことではなく、育つ環境を改めないといづれ善悪のバランスが崩れてしまうということだ。つまりそれが現代社会における「犯罪者」が育つ所以ではなかろうか。
植物の成長においても、「優しく声を掛けながら育てる」ことは特に有効である。単に肥料を沢山与えれば成長著しいということだけではないのだ。やはり育つ環境を整えながら大切に育てることが一番ですね。
拳禅一如,力愛不二,身心一如,自他共楽...etc。すべてが相反するものの調和。やはり人間は「内修・外修」を整えることが大切ですね。つまり可能性豊かな人間の「徳性」を磨き育てること。それを怠ってはならないということなのである。
大宇宙の真理(等しく平等に働く力),法則は無限である。また自然界すべてに正確に作用している。それはまた万物の霊長である人間の存在に対しても同じことなのである。
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