「これは驚きだぞ」

「ああ、ビックリだ」

「まさかのまさか!こんなに驚いたのは久しぶりだな」

「僕らの人生でもなかなかお目にかかれない大ニュース!」



「「あのロニー坊やがシリウス・ブラックと知り合いだなんて!!」」







僕はフレッド。

僕はジョージ。


何を隠そう、かの有名なホグワーツの悪戯双子とは僕らの事さ!!




今、僕らは

ロニー坊やとハーマイオニーが、人目を忍んでやってきたマグルの民家


・・・の庭で、中の様子を盗み見盗み聞きしている。




なんでそんなところに居るのかだって?

そんなことは決まってるじゃないか。

え?分からない?


仕方ない。

では説明してしんぜよう!



話は遡ること15時間ほど前。

夕食を終えて、僕たち兄弟がリビングでチェスを楽しんでいた時だった。


窓から黒いものが闇夜に紛れて、

僕ら目がけて突っ込んできた。


あの時の驚きときたら堪らなかったね。

難しい顔で小難しい本を、これ以上ないってくらい真剣に読んでいた兄君。

そう、パーシーのおでこに直撃したんだから!


あの時の可笑しさは堪らなかったよ!!


おっと、話が逸れたぞ。

それは大変だ。戻せ、戻せ!


とにかくパーシーのおでこに激突したその、黒いものだけど、

それは速達のフクロウ便だったんだ。


宛先人はロニー坊や。

そして送り主は我がグリフィンドールで1、2を争う変わり者のハーマイオニー。

おやおや?彼女のどこがそんなに変わってるのか分からないって顔をしているようだ。

説明してやろうぜ、兄弟。

おうとも!では教えてさしあげよう。彼女の変りどころ・・・それは!

勉強が大好きなところさ!!

悪戯が大好きな僕らとは大違い!

全くだ!


それはともかく、

ハーマイオニーからの手紙を受け取ったロニー坊やは

その中身を見るや否や

僕らから逃げるように二階の自分の部屋にあがっていった。


その素早さときたら、血みどろ男爵に追われてるビーブス以上。


これはなにかある!

そう思った僕らは、今日の朝。


黙って家を出るロニー坊やの後をつけた。


途中、やっぱりと言うか何と言うか

ハーマイオニーと合流して、2人肩を並べてそそくさと移動して


ダイアゴン横丁までやってきて漏れ鍋の中へと入っていった。


だから僕らもバレないように悪戯決行中の時ばりに細心の注意をはらいながら

他の客が入るのと同時に

そーっと店内にと身体を滑り込ませた。


そしてすぐに、目立たないテーブルについて

2人を探すと・・・


2人は、知らないやつと会っていた。

おい、「やつ」は失礼だろう!

あっと、そうだな。知らない「女」と会っていた・・・にしておこう!

そうそう。そしてその「女」っていうのが、これまた美人!


歳は定かじゃないが、見たかんじ20代前半。

月光のように輝き、小川のせせらぎのように流れるハニーブロンド!

天然真珠も恥ずかしくなるほどの珠の肌!

純金製のビー玉でも埋め込んだんじゃないかと思える光を放つ、黄金の双眸!


真夏の夜と見違えるような質のいい深い青のローブを身にまとう姿は、まるで女神か!

いやいや、あの柔らかで優しげな笑顔は、まるで天使!


意見は割れたが、とにかく

そんな女と会っていた。


僕らの好奇心は溢れんばかりに踊りだした。

そうさ。この時既に、ブラッジャーも顔負けに暴れだしてた。



そして、仲良さ気に喋る3人に、気づかれないように

少しずつ席を変えて、会話が聞こえる位置まで忍び足。



頭をテーブルにはりつけて、耳をすまして、会話を盗む。




「え、じゃあ本当に?!・・・お会いできて嬉しいです!あの・・・サインもらってもいいですか?」


『聞いたか?』
『ああ、もちろん聞いたとも。ハーマイオニーは彼女のファンなのか?』




「そんなこと後にしろよ。それより早くハリーのところに・・・」


『ハリーだって?今ロニー坊やは”ハリー”と言ったぞ』
『面白そうなことになってきたぞ』





この後、すぐに席を立ち上がった3人は

正面口から出て行った。

裏口じゃなくてね。


ってことは、あの女はマグル?

いやいやそれは無いだろ、相棒。あんなローブを着たマグルなんて見た事あるか?

そうだな、ない。・・ってことはやっぱり・・・


あの女は魔女だ!!



結論を出した僕らは、またまた後を追った。

オーダーしたまま来てないバタービールのことなんて、すっかり忘れて

無我夢中。


けど、ここで一つ問題が発生した。

女はマグルの車で、走っていってしまったんだ!


これは困ったぞ!

僕らがワタワタしていると、

天の助けが僕たちに!!


親切な運送業のマグルが、

僕らの嘘八百の事情を信じて、女の車を追ってくれたんだ。

もちろん僕らを乗っけてね。


マグルにも良いやつは居るんだな。

そうだな、兄弟。今度から我らが父君のマグル話をもうちょっと真剣に聞こうか。

ああ。今よりほんのちょっとだけな。



そんなこんなで無事に女の車が止まったココまで辿りつけた僕ら。

親切なマグルには、お礼に僕らオリジナルの悪戯グッズを山ほどあげたさ。

なんたって僕らの恩人だからね!



2人になった僕らは、まずどうやって家に入ろうか頭を悩ませた。

家の屋根は見えるものの、その家と庭はぐるりと一周を気に囲まれていて

どこからも入ることができやしない。


無理に入ろうとしてみたら驚きたまえ!

木が僕らの上に圧し掛かろうとするではないか!

これには流石の僕らも驚きの余り、目玉が飛び出しそうになった。

僕は木に体当たりされて本当に飛び出しかけたけどね!

僕だって、枝が振り下ろされた時は首が飛ぶかと思ったさ!



だけど、僕らは今

もう庭の中に入ってる。

どうやって入ったのかは企業秘密。。

悪戯双子の知恵は伊達じゃないってところかな。



庭に入った僕らを次に待ち受けていたのは

大きな大きな木と、2階建ての幅広の家。

それに、咲く季節がごっちゃまぜの花や草が茂った庭園。


そして家に近づき

窓の両側から中を覗き見た光景には・・・


我らが愛する弟、ロニー坊やと、そのご友人ハーマイオニー。

漏れ鍋で見たあの魔女。

そして驚くべきは、マグルの家にいるはずのハリーと


アズカバンから脱走した大量虐殺犯シリウス・ブラックがいた!!






ここで話はやっと最初に戻る。。






「さて。どうするフレッド」

「どうするもこうするもないさ。ジョージ」

「僕ら考えてることは一緒かな?」

「さあ?試しに言ってみるかい?」

「いいとも」

「じゃあせーので言うぞ。せーっの・・・・」




「「中に入ろう!!」」




にぃっと笑う同じ顔。

くいっとドアを指差す。

こくっと頷き、そろーり、そろりとドアまで抜き足差し足。




ジョージがドアノブを手にする。

フレッドが身をかがめてクソ爆弾を投げ入れる準備。



目だけでカウントダウン。。




3!



2!




1!!






「我が城よ!歓迎すべき悪戯小僧をここに!!」

「狽チ!?」



ジョージが扉を開けるより一瞬早く

凛と響いた聞きなれぬ声。


フレッドがクソ爆弾を投げ込む暇もなく

開いた扉が2人を吸い込む。




身体が僕らの意思に反して勝手に宙に浮きあがり、

乱暴に廊下を突き抜けて、

さっき覗いていたリビングに繋がってるだろうドアが

ぶつかる直前にばたん!と開いて


怪しいニオイがぷんぷんする、密会場所まで一直線で飛ばされてきてしまった。



ききぃーー!!っと空気と空気が摩擦して音がなる。

途端に魔法が切れて、僕らは尻から床に落っこちた。


何が起こったのか、さっぱり分からない僕らは

助けを求むべく

僕らを囲む5人をランダムにきょろきょろ見上げた。


ロン、ハリー、ハーマイオニーは

僕らと同じか、僕らよりもっと驚いた顔をして、腹をすかせた金魚みたいに口をぱくぱくさせていて

大犯罪人シリウス・ブラックは、目を見開いて僕らを睨みつけている。


そんな中、あの魔女だけは・・・・・




「おお!同じ顔。お前ら双子?それともドッペルゲンガー?」




杖をくるくる指で回しつつ

僕らの顔をなんとも面白そうに見ながら、話しかけてきた。



「・・ん?赤毛に・・そばかす・・・それにノッポ・・・・・・・お前らもしかして・・・」



魔女が、なにか気づいたらしい。

やるか、兄弟。

やらないわけにはいかないさ!



「察しの通り!我らはそこに居るロニー坊やの自慢の兄!」

「そしてホグワーツ一の悪戯名人!」

「「フレッド、ジョージ・ウィーズリーとは僕らのことさ!!」」




突然かつ盛大な自己紹介に、今度は魔女もビックリしたらしい。

やっぱりこうでなきゃ。

僕らは驚かす側の人間だぜ。

そうさ。やられっぱなしじゃ終われない!!




「っぷ!あはははは!!モリーってば面っ白い双子産んだなぁ」

「我らが母上を知っておいでで?」

「勿論。学生時代に散々お説教されたからね」

「なんと!我が母君は学生時代から母だったとは!」



しまった。また驚かされてしまったぞ。

これは困った。相当出来るぞ、この魔女は。

うーむ、強敵だ。



「フレッド!ジョージ!!僕の後をついてきたな!!」


口を挟んできたロニー坊や。

怒っているせいで顔は、髪の毛よりも真っ赤っか。


「そうさ。お前の行動が怪しかったからな、なぁ兄弟」

「違うさ。僕らはお前が心配だったんだ、なぁ相棒」


わざと違う答えを出したら

ロンは言葉も出ないくらい、ますます真っ赤になって僕らを睨みつけてきた。


ハーマイオニーとハリーが止めなければ

今頃、僕ら3兄弟は、人目も気にせず取っ組みあいになるところだった。





「・・・・・で、どうするんだ」

「どうするって、別にどうもしないよ。ロンの兄弟だもん」

「お前がそう言うなら別にいいが」

「心配しなくても大丈夫だって。シリウスのこと言いふらすようなやつじゃないよ、多分ね」

「お前って奴は相変わらず警戒心が薄いな。



シリウス・ブラックが魔女の名前を呼んだぞ。


”か・・・。

まてよ、・・・・・・・・



あ!!



「「”面白可笑しい悪戯100選”の作者!!」」

「お、読んでくれたの?サンキュー」


やっぱりそうだ!

まさかこんなところで

我らが大先生にお会いできるなんて!!



”面白可笑しい悪戯100選”とは

10年も昔に個人出版された、僕らの長年の愛読書で

僕らを悪戯に目覚めさせたきっかけとも言える一冊!


僕らの悪戯人生は、この本から始まったんだ!



「お会いできて嬉しいです!ミス.

「尊敬すべき大先生にお目にかかれて、我ら、天にも昇る幸せです!」



先生の左手をフレッド。

右手をジョージがとって、敬愛をしめすキスを一つ。



「そんな堅苦しい・・・呼び捨てでいいってば」

「おお!なんたる有り難きお言葉!!」

「身に余る光栄!!」

「はは、まあ何でもいーや。とにかく座りなよ。
 ほらほら、ハリー達もいつまでやってんの。座った座った!!」



我らが大先生、もといはどうやら、僕らの想像通りの大物だ。

学生時代はきっと僕らなんて足元にも及ばない悪戯の申し子だったんだろう。

いやいや、僕らだって足元くらいには及ぶと思わないか?

及ぶかな?及ぶかも。及ぶね。及ぶさ!

そうだとも兄弟!だって僕らは・・・

ホグワーツ一の悪戯小僧!!




!フレッドとジョージの言ってる事は本当なの?!」



ロンを宥めていたハーマイオニーが、突如僕らをキッと睨んできた。

おー、怖い怖い。



「悪戯100選のこと?本当だけど・・・」

「ああ!なんてことなの!!私の尊敬するがそんな本を!!」

「「ハーマイオニーがを尊敬??」」


それはどういうことだ?

そういえば、漏れ鍋でサインがどうとか言ってたような・・・

言ってなかったような・・・


おっと、ハーマイオニーがまたも僕らを睨んできた。

まるで鼠でも食い殺そうとしている猫のようだな。



「いい、貴方達!はね、ホグワーツで使われてるような教科書や
 独創性の高い呪文の本を次々と出してる魔術書の有名著者なのよ!
 間違ってもそんな娯楽本しか書いてないと思わないでちょうだい!!は私の尊敬してる先生なんだから」



歯をむき出して僕らを威嚇する。

天然パーマの髪の毛がメデューサみたいだ。

気をつけろ。目を見ると石にされるぞ!

なーんてね。



「お前・・・この10年間そんなことやってたのか」

「そんなことって何。一応売れっ子作家なんだからね、あたし」

「呪文書や魔術書は兎も角、・・・悪戯100選とかって言うのは俺らとやった悪戯書き綴っただけなんだろ?」

「否定はしないよ。パットフッド」


「「なんだって?!」」



今、はなんて言ったか聞いてか?

ああ、聞いたぞ。シリウス・ブラックのことをパッドフットと呼びなさった!

パッドフットと言えば、ハリーにプレゼントした忍の地図を作った一人!

初代・悪戯仕掛人!!



「「本日2人めの大先生の登場だー!!」」

「うおっ!?」

「お初お目にかかります、我らが先人」

「我ら、あなた方の意思を受け継ぎし者でありまする」

「「以後、お見知りおきを!!」」



盛大に自己紹介すると

先生は、切れ長の眼を丸々とさせて僕らを見た。



「お前ら・・・俺のこと怖がらないのか?」

「怖がる?」

「僕らの先生を、僕らが怖がる?」


何故?


「あんな素晴らしい地図を作れる悪戯者で」

「その上、我らのもう一人の大先生が匿ってるとくれば・・」

「犯罪者なわけがない!」

「・・・となれば間違ってるのは世間の方!」



フレッドが右手を

ジョージは左手を

大先生2人に差し向けて



「「さあ、お答えは?先生方!!」」

「「大正解」」



僕らに負けずとも劣らぬ見事なハモりを見せてくれたお二方。

もしやお二人も双子?

ないない。見た目が違いすぎる。

この二人が双子だったら、我らの父上とルシウス・マルフォイだって兄弟になれるさ。

うむ。我ながら意味が分からないたとえだな。

我ながら?言ったのは僕だぞ。

どっちだっていいさ。だって僕らは正真正銘の双子だからね。




「・・・えっと、取り合えずフレッドもジョージも、シリウスのこと冤罪だって分かったみたいだね」

「そうみたいね。本当に取り合えず・・でしょうけど」

「シリウス、。・・・・ごめん」

「なんでロンが謝るの?別に2人増えたくらいなら飯の量も足りるし問題ないよ?ね、シリウス」

「ああ。俺は大歓迎だ。悪戯についても話せそうだしな」

「そういうことで謝ったんじゃないんだけど・・・」

「ロン。シリウスと・・特ににメンタル面の気遣いならいらないと思うよ」

「ハリー、貴方少し性格変わったんじゃない?」

「そうかな?多分免疫が出来ただけだと思うけど・・・」

「免疫ってなんのこと?」



「さーあ!じゃあ外でバーベキューでもするかー!!」

「何が『じゃあ』なんだか分からないが、チキンがあるなら早くやろう」

「「お手伝いします!先生方!」」



「こーゆう突発的なことに適応する免疫だよ。ハーマイオニー」

「納得だわ」

「なんでフレッドとジョージは、あんたに早く対応してるんだろう・・・」

「ロン。そんなの決まってるじゃない」



ハーマイオニーは僕らと、先生2人を見て



「同じ人種だからよ!」



そう言いきったハーマイオニーときたら、笑っちゃうよ。

僕らに先生をとられてプリプリと怒っちゃって。


でもハーマイオニーはわかってらっしゃる。

流石は次期・監督生だ。


僕らと先生方が共有している

素晴らしい楽しみを、しっかり把握してるんだから。



なあ、兄弟。先生方となにを話そうか?

そうだなぁ。まずは先生方の学生時代の武勇伝。

それに逃げ道の話も外せない!

僕らの開発している悪戯グッズにコメントももらわないと!


山ほどあるな。

谷にも埋まりきらないほどだな。


まあ、いいさ!

全部話そう。


それがいい!

なんたって相手は・・・




僕らが世界一尊敬している大人なんだから!!















必要なのは身体一つ
必需品は尽きない遊び心
持ち前の品は一級品の悪戯センス

僕らにかかれば
どんな偏屈地帯だって遊び場になる





*あとがき*

双子登場〜。しかもテンション高いし。どっちがどっちだか・・・。
とりあえず『!!』がついているのはハモってます。

大好きなんだけど上手く書けない・・・・。
でも楽しかった。