「、シリウス・・・・・正直に、言ってほしいんだけど・・・」
ハリー少年 幸せを実感する
3人の生活が始まって1週間が経った、朝食の最中。
ハリーが思いつめた顔で2人に言った。
「なんだハリー?悩みでもあるのか?」
「それとも野菜炒めの中に虫でもいた?」
新聞を読んでたシリウスと、パンに塗るバターを冷蔵庫から取り出していたが
揃って見当違いな返事をする。
いや、シリウスの方はやや的を射ていると言ってもいいだろう。
「・・・・・お前それ真面目に言ってるのか?」
「真面目に決まってるじゃん」
「・・・虫がいたくらいで深刻な表情になるわけないだろ」
「いやいや、でもさ。『さあ食うぞ!』・・・って思ってたとこでフォークに虫が刺さったら相当ショックじゃない?」
「確かにそれはショックだ・・・・・」
「でしょ?」
2人とも・・・・ハリーの話を聞け。
「とまあ、冗談はここまでにして・・・・どうしたの?」
「俺達になにか聞きたいんだろう?」
見事なまでの使い分け。
つーか、最初っから真面目に聞いてやれ。
ハリーは少し怖がったような怯えたような顔を2人に見せる。
そして詰まりながら、自分の心配事を伝えた。
「あのさ・・・・僕、邪魔してないかな?」
「邪魔ぁ?」
「なんの??」
顔を見合わせて聞き返す。
ハリーは更に、こう言葉を続けた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・2人の、同棲の」
ハリーの悩みは実はこういうことだった。
アズカバンから出てきたシリウスと再会した。
13年も離れていた恋人同士の水入らずの生活に、
いくら2人の親友の子供だからって自分が居てもいいのだろうか?
ハリーが恐る恐る2人の顔を見ると、
シリウスは少し赤くなって顔をにやつかせ、はぱちくりと金の目を見開いていた。
「あ、あの・・・・・・」
「お・・・俺とが・・・・・・・・・・・・・同棲?」
「ち、違うの?だって2人は恋人じゃ・・・・「ぶはっ!!」
不安いっぱいのハリーにシリウスが確認するように問いかける。
それに答えていたところでが・・・・・・・・・・噴出した。
「だははははは!!シリウスとあたしがど、どうせ・・・・恋ビ・・・・・・ギャーハハハッ!!」
「・・・お前笑いすぎだ」
「だって・・・・ッだってぇ」
ひーひー言いながらテーブルをどんどん叩くに
シリウスは水を渡しながら背中をさする。
まさに阿吽の呼吸、ツーカーの仲。
「えっと・・・?」
「はぁ〜、笑った笑った・・・・ナイス笑いの種だったよ、ハリー」
「そんなに俺との同棲は在り得ないことなのか・・・」
は、いじけモードに突入したシリウスを放置して
ハリーの目の前の椅子に座る。
「ハリー。勘違いしてるみたいだから言うけど・・・・あたしとシリウスは恋人同士なんかじゃないよ」
「え?」
「まあ掛け替えのない大切な友達だけどね。でも恋人でも夫婦でもないから、他人だよ」
「そんなはっきり言わなくたって・・・・・・」
「本当の事じゃん」
野菜炒めをチマチマと摘みながら、シリウスはに言い返すが
あえなく一刀両断にされてしまった。
所詮はへたれ。
そんなんだから昔から親友達に遊ばれるのだ。
「で、でもシリウスはのこと愛してるって言ってるよね?」
「そりゃあたしだって愛してるよ。命と同じくらい大事な・・・大事な友達だもん」
柔らかい微笑でシリウスを見る。
の視線に気づいたシリウスは途端に元気になって、彼女の肩に手を回そうとするが
その手を抓り上げられてしまって、痛い目を見ただけだった。
「そんなに大事なのにシリウスは片思いなんだ・・・」
「うっ・・・」
「でも・・それじゃあシリウスはもう20年以上に片思いしてるの?」
「ううッ・・・・・」
「意外と一途なんだね・・・シリウスって」
「もうそれ以上言うな、ハリー。頼むから・・・・・」
哀れむような名付け子の視線に男泣きする名付け親。
親友の息子がわざわざ椅子から立ってまで自分の肩を叩いてくれるなんて
リーマスが居たら絶対笑顔で毒吐くだろうな・・・・。
「ったく、ハリーの父親代わりのくせに情けない・・・・へたれ犬」
「なっ!お前こそ母親代わりなんてガラじゃないくせに・・・・・・・待てよ、が母親代わり?」
「何か文句ある?」
「それで俺が父親代わり?」
「そうだって、さっきから言ってるでしょ」
シリウスは頭を捻り、ある結論を出した。
「・・・・・・・・・って事は、ハリーが居る時は俺たち・・・仮夫婦?」
「うーん、そーなるのかな?」
「ハリー!!ずっとここに居てくれ!俺が死ぬまでずっと!!」
「ぐえっ」
必死かつ真面目な顔でハリーの肩を掴み
がっくがくと揺する揺する。
おかげでハリーは潰れた蛙のような声をあげてしまった。
流石は目的のために手段を選ばぬ男、シリウス・ブラック。
「やめろバカ犬!」
ぐざッ!!
がテーブルに置いてあった杖を、ダーツのように投げてシリウスの後頭部に命中させる。
結果、シリウスはハリーの横に前のめりに倒れ、床とキスをした。
は死体と化したそれにパタパタ近づいて
天井に向かって堂々と突き立っている自分の杖を、手加減抜きでぶち抜き
椅子にかけてあったタオルできゅっきゅっと赤い痕跡を拭う。
「・・・し、シリウスが・・・・」
「気にしないでよし・・・!」
「少しはしろよ!!」
シリウスはがばっと起き上がり、痛々しい後頭部を押さえ抗議するが
はしれっとして・・・・・
「何だ、ちゃんと生きてるじゃん」
「おまっ、俺を殺す気で・・・っ!俺はそんなハードSM的な愛じゃなくて、もっと甘くて熱い愛が欲し・・っうぐ!!」
「そんなもん誰がやるか」
綺麗なボディブローを決められ、シリウスはまた沈んだ。
「大体無茶言いすぎだよ、ハリーは夏休み終わったらホグワーツなのにさ」
「そ、それならダンブルドアに頼んで、俺達も夫婦仲良く教師としてホグワーツに就職・・・」
「あんたはまだ脱獄者の汚名着てるだろうに!しかも凶悪殺人犯の!」
「ああ・・・シリウスの首が、あんなに細く・・・」
その後、の細い手が凶器と化し
締められている名付け親の顔色が本格的にやばくなってきた辺りで、ハリーも慌てて止めに入った。
「!本当にシリウスが死んじゃうよ?!」
「いっぺんギリギリのとこまで行った方がいいんだよ!このアホは!!」
こんな事を毎日毎日繰り返していたりするのに
誰も飽きないのは、何故かと言うと・・・・・
「ああ・・・・・ジェームズが俺を指差して笑ってる・・・・・・」
「え!?パパってそーゆう人なの?!」
「うん。そーゆうやつだった」
「ははは・・・ジェームズ、次の悪戯考えようぜぇ・・・・」
みるみる悪くなるシリウスの顔色。
それに反比例して召されそうな勢いで穏やかな笑み・・・。
これは・・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・ねぇハリー、これって本当にあっち逝っちゃう寸前?」
「えっと・・・・、・・・・多分」
とハリーの頬に伝う一筋の汗。
「起きろー!!シリウス起きろォ!!まだジェームズとリリーのとこ逝くなーー!!」
「ジェームズ、今そっちに行くぞぉ・・・・」
「「逝くなーーーーッ!!」」
・・・・・・・・・・・・・・・”幸せだから”
と、綺麗にまとめさせて下さい。お願いします。
決して、決して毎日がハプニングだからではありません。
ええ、決して違います・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・多分(眼逸らし)
幸せって何だろう?
どんな形? どんな色?
分からないけど それはきっと
今 僕が手にしている温もりのこと
ありがとう 僕に幸せをくれたみんな
本当にありがとう