綺麗な人
パプワ島は今日もサンサンと太陽の光が降り注ぐ。
海は輝いて、空は澄み渡って
木々の緑は鮮やかに茂り、いろいろなところに花が咲き誇る。
そんな楽園をあたしは朝から彷徨ってる。
「・・・・・どこ行ったんだろ、あいつ」
お目当ての人物がなかなか見つからない。
島中を散歩がてらに1時間くらい歩き回っているのに。
「おーい、マーカー?」
名前を呼んでも出てこない。
ほんとに何所行ったんだろ。
キョロキョロと辺りを見渡しながら歩き続ける。
心なし、早足で。
次第に駆け足。
「あ、」
居た。
見つけた。
大きな木に背中を託して
気持ち良さそうに眠ってる探し人。
近づいてみると、熟睡してるのがわかった。
「マーカー?」
一応声をかけてみるけど、ダメだ。
やっぱり起きない。
しっかりぐっすり眠ってる。
「なんか・・・珍しいかも」
いつもと逆の立場だ。
あたしが寝てるところを見られることはしょっちゅうだけど、
こんなふうにマーカーの寝顔を見たことは、ほとんどない。
「すげーキレイ・・」
黒々とした真っ直ぐな髪がサラサラ風に遊ばれて
普段は鬼畜につり上がった眼も、今は休業中。
鼻から漏れる息は静かで控えめな寝息。
薄い唇は柔らかに閉じられて、いつもの意地悪な言葉は出てこない。
マーカーってこんなキレイな顔してたんだ・・・と
今更気づいた。
「あ・・・あれ?」
何故か心臓が活発に動き出す。
胸の辺りと顔がすごく熱い。
「おっかしいな・・・風邪でもひいたかな」
マーカーの顔を見てただけで
なんでこんなにドキドキするんだろう。
ほうっと溜息に似た火照った息が口から飛び出て
どうしようもないくらい、恥ずかしくなってきた。
駄目だ。マーカーを見てられない。
でも、
「・・・・ちょっとだけ、」
触ってみたい。
このとんでもなくキレイな顔に。
これは、ただの好奇心だ。
そう。
他に大した意味なんてない。
ただ、マーカーに触ってみたいだけ。
そっと手を伸ばす。
目標は・・・・・髪の毛?それともオデコ?
自分でもわからない。
あたしの手とマーカーの顔との距離が縮まる。
指先が、マーカーの鼻に触れそうになると
なんでかビクリと手を一回引っ込めてしまった。
けど、すぐにまた手を伸ばして
キレイなその顔に指先を触れさせ・・・・・
「さっきから何をしている、」
「うわっ?!ま、まままマーカー!?お、起きて・・・たのッ?」
「当たり前だ。私がお前の気配に気づかんわけがないだろ」
「そ・・そーなんだ」
やばい。
心臓がオーバーヒートしそうだ。
ただ喋ってるだけなのに、勝手に汗が噴出す。
伸ばした手の引っ込みもつかない。
「ところで、この手はなんのつもりだ?」
「ッツ!?」
向けていた手を本人に掴まれて
あたしは反射的に、その手を払いのけてしまった。
マーカーが掴んだ自分の手が
異様に熱い。
それよりも更に心臓が、熱い。
まるで、マーカーの炎に灼かれたみたいに。
身体の中に轟々と燃え盛る炎があるように。
「、どうした?」
目つきの悪いつり眼が細まる。
心配させてしまったらしい。
ああ、でも。
いろいろと無理だ。
「なんでもない!!」
「!何所へ行く気だ?!」
「わかんない!」
「待たんか、馬鹿者」
「馬鹿でも何でもいいから待たない!!」
「なぜ逃げる?!さてはまた何かロクでもないことを・・・」
「してないからついてくるなーー!!」
やだ、やだ、やめてくれ。
顔を見られたくないだけなんだってば。
マーカーを見ていて赤面してしまった顔を。
マーカーに見られたくない。
恥ずかしすぎて死んでしまう。
あたし、気づいたよ。
うん。やっとこさ自分の気持ちに気がついた。
今まで気づかなくてごめん。
自分の心に謝るなんて、あたしはやっぱりマーカーの言うように
馬鹿なんだと思う。
あたし。
ずっと昔から。
自分で気づかなかっただけで。
マーカーのことが
大好きだ。
*あとがき*
まとまりのない話だなぁ、おい。
しかもヒロイン視点だよ。名前変換ほとんどなかった・・・(汗)
マーカーさんが何だか鈍感ですね。
彼ならヒロインが顔赤らめた時点で気づきそうです。ダメ出しだらけ。