常夏の島。
青々とした森の中。
ピンクの外壁の一軒屋。
アルコールの充満した室内。
「あー・・・・暇だ」
飲んだくれの獅子舞と不愉快な仲間達(某家政夫命名)
「暇って隊長・・・暇だから飲んでるんじゃないっすかぁ」
白い肌を赤に変えてワインボトルを空けていたイタリア人が、
火照った酒臭い息を吐きながら長い金髪の男に言う。
「そーなんだけどよ、やっぱ飲んでるだけじゃツマんねぇぜ」
こちらもプハァーっと煮こごった息を吐き出し
ついさっき開けたばかりのラージサイズの酒瓶を適当に放り投げる。
酒瓶はがらんガチャッ・・と空のガラス同士がぶつる鈍い音を残し
既に形成されていた残骸の山を更に大きくした。
「なーんか面白ぇことねーのかよ・・・」
「でしたら坊やのところへでも参りますか?」
アルコールが入って妙に妖艶な雰囲気を纏っている中国人はそう提案しつつ
やはり同じくして空にした瓢箪の栓を薄い唇で挟んで、きゅっと絞るようにして閉める。
「ん〜・・・・・・・・・・・・・・・・・そうすっか」
金髪の男が答えると、今まで無言に徹していたドイツ人が逸早く動き
辺りに転々ばらばらに散らばっている酒瓶の数々を、申し訳ていどに片して
出入り口までの通路を作った。
手入れをしていない髪を手櫛でときながら
重い動作で腰をあげ、見た目に違わぬ堂々とした風格で立ち上がった金髪の男は・・・
「おうサンキューG。おらロッド、マーカー!いつまでも飲んでねーで行くぞ!!」
3人の屈強な男、ロッド、マーカー、Gを当然の如く従えながら
金髪の男・・・・・・特戦部隊長、ハーレムは太陽がさんさんと降り注ぐ屋外に出て
意気揚々と歩きだした。
少し離れた場所にある元・部下の済む家を目指して・・・・・。
「っっっつ!?」
「どーしたのさ家政夫」
「今・・・・・なにかものすっごーーーーーく嫌な悪寒が・・・・こう、背中にぞわぞわじどーォっと・・・・」
彼の容姿とは不似合いな作業、おやつ作りに励んでいた手が一瞬止まり
代わりに大柄な身体を大きく身震いさせた。
しかもそれだけでは飽き足らず、
警戒心でいっぱいの眼で激しく家の中を見渡し
わざわざ外まで行って異常がないかをしきりに調べる。
「気のせいでしょ?いいから早くオヤツにしよーよ」
「いや!あの背筋を無遠慮にゾクリと縦断する悪寒は絶対ぇ何かのまいぶれだ!!」
扉を木製フィギアで防護しながらリキッドは断言する。
流石は長年に渡って虐げられ続けた者の勘だ。
その鋭さは今やパプワ島でナンバーワンと言っても過言では無いはず・・・・よって
キング・オブ・いじめられっこの称号は君のモノだ、リキッド!!
「いらねーよ、そんな称号」
ナレーションにまで突っ込みいれるな。
「・・なぁリキッド、さっきから独りでなに空回ってんの??」
「あ・・///」
リキッドは近寄ってきた少女・・・の方を向いて顔を赤らめる。
が目覚めてからというものの、この男は数時間前に行った自分の大胆な行動を思い出してしまい
どうにもこうにも頬の火照りが引かないのである。
たかがほっぺにちゅーだと言うのに、どこまでも純情な男だ・・・。
(そのくせ意外と手は早かった)
「あたしもオヤツ食いたいんだけど」
「あ、おう!じゃあ今すぐ用意するな」
「「やったーv」」
ぱちんと手を合わせて喜ぶロタローと。
歳は7も離れているのに精神レベルは似たようなものらしい。
「(オヤツだけであんなにはしゃいで・・・、可愛いなぁ)」
ぽへぇーっと締まりのない顔でを見つめる。
その背後でも似たような視線が4つばかりあることに・・・
どなたかお気づきでしょうか?
「(1年振りに見たけんど、相変わらずはめんこいべv)」
「(だっちゃ!でもちゃん、すっかり女の子だがや///)」
「(胸がえらくでかくなっちょるのぉ、どこもかしこも柔らかそうじゃけぇ)」
「(ああ!はん!わてはあんさんにバーニングラブどすぅvV)」
リキッドに負けずしも劣らぬ熱〜い視線を注ぐ4体の木製フィギア。
だが、しかし
おやつで頭がいっぱいのに存在を認識してもらえるのは、当分先になりそうだ。
「ところで家政夫、今日のおやつはなに?」
「リキッド特製パイナップルのコンポートだぜ」
「わぁいv それじゃあ飲み物はココナッツミルクで決まりだね」
僕ココナッツミルクだぁ〜い好きvV
と、可愛らしい笑顔で言うロタローだが、この笑顔は次の瞬間崩れ去ることになる。
「あ、そーいやココナッツ採ってくるの忘れてたわ。悪い」
ぴしぃッ!
ガラスが裂けたような音を立てて、ロタローの笑顔に亀裂が入り
瞬きをするよりも早く、リキッドの脳天に鉄球が炸裂した。
「なに考えてるんだよ!パイナップルときたらココナッツなんて常識中の常識だろ!この馬鹿ッ!!」
「そこまで言うか・・・この坊ちゃんは」
「もうっ、今すぐ採って来なよ。待っててやるから」
ドコゾの兄が見たら鼻血の鉄砲水になりそうな『ご機嫌斜めモード』炸裂。
しかも『女王気質』だ。
だが、そんなことにもやや慣れたリキッドが、重い動作で収穫用の籠を背にし
はぁぁ・・・とでかい溜息をついてドアを開けようとした時だった。
「あたしも行くー!」
しゅぴっと威勢のいい手がかざされた。
それを見て「えっv」と、嬉しそうに振り返るリキッドと
「え?!」と、ショックを受けるロタロー。
「さんはいいよぉ!そんなの家政夫に行かせれば・・・・」
「うん。だからリキッドと2人で行ってくる」
「むぅ・・・駄目!さんは僕らと一緒にいようよ」
ロタローはの手を掴んで一生懸命引き止める。
どこぞの赤ブレザーが見たら今頃鼻血の花が満開に咲いてただろう。
「ん〜・・・だったら皆で行きゃいーじゃん」
「え・・・家政夫も・・・・・?」
あからさまに不快オーラを撒き散らし、リキッドをぎっと睨む。
その目は、元上司が不機嫌な時に酷似していて、リキッドは思わず息を飲み・・・
「!ロタロー達と行ってこいよ、俺は留守番してっから」
・・・と、微塵も思っていなかったことを言ってしまったのだった。
そして、達が出かけて行って数秒後
激しく後悔の念に打ちのめされるリキッドがいた。
「くっそー・・・・あいつやっぱり隊長の甥っ子だぜ。あの傍若無人さはまさに獅子舞・・・・・」
「だぁれが何だってぇぇ?」
ぽん。
肩に置かれる手。
腰の辺りから首筋までを全力疾走する、あの悪寒。
そして・・・・・・・
「出たーーー!!飲んだくれの獅子舞と不愉快な仲間たちッツ!!」
トラウマにも似た4つの顔。
(そのうち3つが素晴らしく楽しそうな笑顔・・・)
「ほぉ・・・大そうな字(あざな)をつけてくれたな、坊や」
「ぎゃはは!いいセンスしてるじゃ〜ん」
「・・・・・・・・・・・・・・ん」
(元)同僚達の顔の楽しそうなこと楽しそうなこと。
でもそれ以上に楽しそうに口を吊り上げているのは・・・・(元)上司。
「覚悟は出来てんだろーなあ?リーちゃんv」
ハーレムはごきごきと指を鳴らしながら、秘石眼を光らせた。
「あ・・・・・え・・・・・・・・・・ヒぃ・・・・ぎっ!」
ぎゃぁああああぁぁぁぁぁーーーーーーッツ!!
「ん?」
「どーしたのさん」
「今・・リキッドの悲鳴がした気がする・・・・」
「家政夫の?パプワくん聞こえた?」
「いいや。何も聞こえなかったぞ、なあチャッピー」
「わう!」
「僕も聞こえなかったよ」
「うーん・・・でも絶対したと思うんだけど・・・・・・・・・・・・・・・・・・ま、いっか」
そして数十分後、リキッドへのお仕置きをひとしきり終えた特戦部隊の一同はというと・・・
「お!パイナップルのデザートv」
「ああ!駄目っすよ隊長!それロタローたちのなんですからッ!!」
「ん〜v 美味いじゃん、リッちゃんもっと作ってよvV」
「言ってるそばから食うんじゃねーよ、イタリア人!」
「甘すぎる・・・もっと砂糖を控えないと生活習慣病の元だぞ」
「そりゃ辛党のマーカーからすりゃ、デザートなんて何でも甘いだろ」
「・・・・・・・・・・・・・・おかわり」
「G!お前それパプワの分!!あーあ・・すぐ作り直さねーと」
(元)部下・同僚いびりを現在進行形で実地していました。
そして、そして、我が物顔でオヤツを食い漁る親父たちの相手をしているせいで
リキッドの身と心は運動部の使い古し靴下のようにズタボロになっていた・・・。
「けど、やっぱリッちゃんのオヤツ美味ぇなv」
「どーも」
やる気が限りなく0に近いぐってりとした返事をするリキッド。
もう色々と駄目そうだ。
そんな中、コンポートを美味しく召し上がっていた垂れ目の男が、フとあることに気がついた。
「あんれ?おーい、リっちゃん」
「んだよ、ロッド」
「なんで器5個あんの?」
この家に住んでいるのはちみっこ2人と犬1匹、それにリキッド。
・・・だけのはず。
「なんでって・・・・・・・・・・・・・・・・・・・狽ーーーッ!!」
「ッツ!耳元でうるせー!!眼魔砲っ!!!」
ちゅどーん!!
「んん?」
「さん、また何か聞こえたの?」
「うん。なんか妙に懐かしい爆発音が聞こえた」
「??・・・爆発音が懐かしいってなんのこと?」
「あたしもよく分かんないんだけど・・・・うぐ、硬っ・・・」
「あー!ヤシの実かじっちゃ駄目だよ!」
「はっはっは!はチャレンジ精神旺盛だな」
「わおーん」
一方、パプワハウスでは
リキッドがトンカンとんかんと屋根の修理をしていました。
「そういやお前さっき何で叫んだんだ?」
ハーレムがちゃぶ台に片肘をついて煙草をふかしながら、材木を運んでいるリキッドに聞くと
リキッドはハっとした様子で材木やら工具を放り出し、自らハーレム達の傍にダッシュだ駆け寄った。
「聞いてくださいよ!来たんですよ!あいつがッ!!」
「あいつ・・・って誰だ?」
「誰って一人しか居ないじゃないっすか!!」
「だーかーらー、誰だよ?」
「だー!何で分かんないんだよ!!あいつって言ったらあいつしか・・・・・・・・・・・・・・・あ・・・」
待てよ・・・。
のことを本当に隊長たちに言っていいのか?
よーく考えろ。考えるんだ。
ここで言った場合と、言わなかった場合の今後のことを・・・
リキッドは(やや)足らない脳みそをフル活動させて考えた。
ケース1 『のことを教えたら・・・』
隊長・・・ここぞとばかりに隊長命令を使って色々と・・・・・・(以下、放送禁止)
ロッド・・・朝昼夜何処かれ構わずセクハラした上押し倒して・・・・・・(以下、放送禁止)
マーカー・・・針治療とか中国式マッサージとか大義名分かざして・・・・・・(以下、放送禁止)
G・・・作った服を片っ端から着せて・・・・これは問題なし。俺的にも色んな服着てほしいし。
ケース2 『のことを教えなければ・・・』
上のような心配事は一切起こらず、俺との幸せライフが待ってる・・・。
さあ、どっちを選ぶ?(あの声)
考えるまでもなく後者に決まってるよ、ミッキー!
「・・・・何でもないっす!」
リキッドは可能な限り顔を笑顔にして、誤魔化すことに決めた。
だがしかし、人の弱みを握ったり、人の弱点を見抜くのが
大の得意分野であるこの方々がそんなリキッドの態度を不審に思わないわけがない。
4人は(正しくは3人だが)
口元だけを器用に歪ませ、怪しさ爆発信用度0の微笑みを浮かべた。
「隠し事すんなよ、俺とお前の仲だろ〜?
つーか言わねーとぶっ飛ばす」
「そうだぜぇv言ってみろよ。
じゃねーとちょ〜っと痛い思いするかもなぁv」
「言うのが賢い選択だぞ、坊や。
・・・・・・まだ灰にはなりたくないだろう?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
うわー・・・
全員の右手から色んなものが出かけてる・・・・・・
俺・・・・・・もしかしなくても大ピンチ?
でも!俺との明るい未来のためならぁぁぁああ!!
「本当になんでもないんですって!俺の気のせいだったんっすよ」
「あんな盛大に叫んどいて気のせいだぁ?」
「信じられんな」
「言っちゃえよリキッド、楽になるぜv」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん」
どああああ!しつこい!!
何だってこんなにしつこいんだ。
そーいや人間って歳くうと無駄に偏屈になるって言うよな・・・。
「・・・・・・・もう歳か(ぼそっ)」
「「「「何か言ったか?」」」」
「いえ、何も」
綺麗にはもった声には、確実に殺意が込められていました。
「とにかく!本当の本当になんでもないって言ったらなん・・・・
ばたん!
「「「たっだいまー!!」」」
・・・いんですッ!!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あれぇ?
今、ドアが開いて
パプワとロタローとチャッピー、それにが帰ってきて
特戦のみんながを見て目を光らせて
隊長とロッドが一瞬で俺を踏んづけてに駆け寄って
しかもナンパしてるなんて・・・・・・・
俺の気のせいだよな?
「パプワくん、家政夫があっちの人になってるよ」
「うむ。見事な現実逃避だな」
「わん!」
気のせいじゃないみたいです・・・。
「チャーオv かわいこちゃん、俺ロッド、覚えてくれよな。
で、早速だけど俺とイーコトしよーぜぇvV」
「おいロッド退け、こーゆうのは年長者優先だろーが!
ん〜・・・15、6ってとこか・・・・よし。今夜ちょっと付き合えv」
おいおい、なんてナンパしてんだよ。
むしろナンパの域を遥かに超えてるだろ。
はそんな2人をじぃっと見つめ、ぱぁっと花が咲くように笑顔を見せた。
「「(お、この反応は脈ありかvV)」」
2人がにやっと笑って久々の充実した夜を想像するのもつかの間、
は2人が・・・・・というか4人が理解に苦しむ言動をし、理解できない行動に出るのだった。
「ハーレム、ロッド!ただいまぁー!!」
「へ?」「は?」
そう・・・・・思いっきり勢いよく飛びついたのだ。
「「だぁぁわっッ!!」」
ずでんっ!
タックルにも似たその行動は、見事に2人に尻餅をつかせ
近づかなかった残りの2人にも衝撃を与えた。
まさかこんな小柄な少女に抱きつかれたくらいで転ぶなんて・・・・・
当事者2人も、傍で見ていた2人も、見た目には出さないものの
並々ならぬ多大なショックを受けていた。
「まっさか先に押し倒されるなんてな・・・いてて」
「ッつぅ、おめー何者だァ?」
ハーレムは地面にぶつけた腰を痛そうに押さえながら
自分達に飛びついてきて、今も足の上に乗っかっている少女に問いかけた。
だが少女、もといの方は投げかけられた疑問に答えることなく・・・
「あたし誰にも負けなかったよ!!」
ハーレムのシャツを両手で握り締め、身を乗り出して言った。
見ず知らず・・・・では無いのだが、ハーレムとしては
自分の記憶が老化してなければ、こんな少女に馴れ馴れしくされる覚えはない。
なので突然そんな事を言われても
頭にクエスチョンマークをぽこぽこ発生させるだけで、何のことだかさっぱりだった。
「勉強だってちゃんとやったし、訓練だって毎日本気でやった!!」
普段なら、こんな少女の戯言に耳なんて傾けないハーレムだが
の余りに熱く弾けた視線と気迫に圧され、
その口から紡がれる言葉に不覚にも聞き入っていた。
「絶対強くなった、強くなれた!だから・・・・もう大人しく追い出されねぇ!」
ハーレムの青い眼に映っているは
自分に、ただ己を認めてもらいたいと必死で・・・懸命に、
「駄目って言われても言う事きかねーもん!何が何でも再入隊してやるッ」
どこからか這い上がろうと足掻いているように見えていた。
「今日からまた・・ずっとずっとみんなと一緒にいるって決めて来た」
まるで喧嘩でも売るように
まるで子供が駄々をこねるように
黄金の両眼を見開き、食い入るように自分を捕らえていた力強い声が、最後の最後・・・
「あたしは特戦部隊のに戻る!!」
一層の大声だったにも関わらず・・・不安に押しつぶされそうな、酷く、頼りない声になった。
「隊長、その子もしかして・・・
ロッドは自分の横で自分と同じように座り込んでいる上司に跨っている少女の顔を
確認するようにじどーっと見つめ、半信半疑に・・・・・けれど強い確信があるような声色で話しかけた。
が、その続きはハーレムの声に重なって消えることとなった。
「ちったぁ女らしくなったじゃねーかよ・・・・・・・・・・」
リキッドの肩に置いたときとは随分違う優しい手つきで
の前髪をかきあげ、しっかりと存在を確かめるように強く撫でた。
懐かしい手の感触に自然と顔をほころばしただったが
すぐにその金の瞳をじーっとある一点に集中させた。
視線の先は・・・・ハーレムの頭。
「ハーレム、なんか前より髪薄くなってねぇ?」
ぴきーーーん。
は感動の再会とも言えるワンシーンを自ら粉々にぶち壊したのだった。
そしてそんなに高速で近づくマーカーと
便乗するき満々のロッド。
「獅子舞様がハゲだと!?お前は言っていい事と悪い事の区別もつかんのか!!」
「いや、マーカー。あたしそこまで言ってない」
「マーカーの言う通りだぜぇ!面白ぇからもっと何か言ってみなv」
「もっと?えっと、髪の他は・・・・・・あ!!そーいや前よりガニ股になってる気がする!あと・・・」
隊長、更年期障害で膝が曲がったんですか?
「楽しそうじゃねーか・・・おめーら3人ボーナスカットな、特にロッド」
獅子舞の形相で談笑(?)していた3人に言い放つ。
マーカーとロッドは心底「しまった・・・」と、己が反射的に行ってしまった行動を呪った。
その2人の間で、は一人
きょとんとハーレムを見ていた。
「あたしも・・・・・・入ってんの?」
「ったりめーだ。お前も俺の部下なんだからよ」
部下・・・・
ということは、つまり・・・・・・・・・・・・
「〜〜〜〜〜〜ッやったぁーーー!!!」
再入隊の喜びと嬉しさで胸をいっぱいにしたは
ハーレムとロッドに飛びついた時よりも更に勢いよく、その場で飛び上がった。
そして天井ギリギリまで飛び跳ねたの身体を、特戦部隊最後の一人、Gが受け止めた。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「へへ、ただいま、G!」
「ああ・・・・・よく帰ってきたな・・・・・・・・・」
昔に比べかなり成長したを丁寧に扱って地面に下ろし
昔のように頭を撫でる。
もそれを拒否することなく心底嬉しそうに受け入れている。
「よっしゃー!!んじゃ今からの再入隊祝いやるぞーー!!」
「げっ!!」
「あーん?何だリキッド、が特戦入るのが不満なのかぁ?」
「い・・いえ、そーゆうわけじゃないんすけど・・・・」
ハーレムのこの一言で、夜通しの酒盛りが行われることは必至だった。
そしてつまり、リキッドが馬車馬のように働かされるのも・・・・・やっぱり必至のことなのだ。
更に言うならば、ハーレム達が騒ぐことによって、ちみっこから苦情がくるのも・・・・・・・・やっぱりやっぱり(以下省略)
そうなることは当の本人がものすごくよく分かっている。
「あ、リッちゃん。お前さっきが来てること隠そうとしやがったから、あとでお仕置きな」
何気にの肩を抱きながら、無情に宣告するハーレムを
いつか本気で下克上しようと固く誓ったリキッドだった。
昨日の自分が悔しがるくらい
強く速く楽しく 今日この日を走ってやりたい
そして明日も今日の自分に負けないくらい
激しく逞しく 大声で笑って 明日を駆け抜けてやりたい
今 この瞬間はもう2度と来ない
だから たった1秒だって愛すべき宝物
『ゴールに もたれたりしない たとえ辿りついたって
新しい夢がきっと 私の背中押すから
Here we go! go! 走り続ける 誰にも止められはしない
未来の自分へと 今 Give a reason for life 届けたい』
後書き
すんません!!絶対やらないと決めてたこと2つもやっちまいました!!
1つは連載ではヒロインに”泣き”を入れないこと。
あくまでPAPUWA編は完全なほのぼのギャグにしたかったんで・・・ああ、自己嫌悪だ(汗
2つめは・・・・気づく人は気づくと思うんですが
ラストの『』の中です。
とある曲の歌詞なんですが・・・ドリに歌詞は絶対使わない!!と固く決めていたのにも関わらず・・・
わりとあっさり使ってしまった(滝汗)いやはや、どうしても使いたかったもので・・・・・。
でもこの4行だけでヒロインの性格が掴めますね!(無理矢理ポジティブ思考)
ちなみに英語の部分を訳は、『さあ行こう』と『生きてる理由』だと思ってます(不確かでスミマセン←※英語の偏差値37)