深夜。

獅子舞ハウスは今現在、今までにない妙な雰囲気に包まれていた。


それもそのはず

隊長のハーレムと、その部下のマーカー、ロッド、Gの4人が
いつになく真剣そのものといった顔でテーブルを囲んでいるのだから・・・・。




「おい、本当に誰も知らねーんだろォな」



声からも表情からも不機嫌が滲み出ているハーレムが
3人に、独り言とも問いかけとも取れる聞き方をする。



「はい・・・。残念ながら私は何も」

「右に同じく〜」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



ハーレムから右回りに、皆同じ答えを返す。



「くそ、のやつ・・・。毎日毎日どこ行ってやがんだ」



一人さっさと就寝している部下・・・の連日続く奇行に
苛立ちを隠せないハーレムは、酒瓶を勢いのままに飲み干した。













事の起こりは1週間ほど前の日。



「ごちそーさまでした!」



満腹であることを周りの者に知らせる天真爛漫な声が響き、
その声に、まだ食事中の面々が目を丸くして声の主を見た。


「今日はやけに早いな。言っておくが残しは許さんぞ」
「そーゆうことはちゃんと見てから言え」


マーカーは箸を止めての食器を見る。
確かに食べ残しはないようだ。
最後の米粒一つまできっちり食べたらしく、食器はまるで舐めたようにキレイになっている。



「さってと、あたし遊んでくるな」
「今日もちみっこと約束してんの?」
「ううん。今日はしてねーよ」

「なら俺とデートしよーぜぇv」


答えを聞いたロッドは、しめた!とばかりに笑顔になったが
は逆に仄かに顔をしかめた。


「ご、ごめん。今日は駄目」
「何でだよ?約束はねーんだろ?」
「無いけど駄目」
「ちぇっ、んじゃ明日でも・・・・・」

「悪ぃ。明日も無理」


『明日でもいーや』と、続けようとした矢先
あっさり断られてしまった。


これにはロッドも納得できない。



「はぁ?なんでよ?」
「どーしても!多分明後日もその次も無理!!じゃ、いってきまーす!!」

「狽!おいッ!!」



はロッドから逃げるようにして、椅子から立ち上がり
かけられた静止の言葉も受け取り拒否してドアから飛び出していってしまった・・・。

引きとめよう立ち上がったものの、さっさと逃げられてしまっては引きとめようもなく
それどころかロクな会話さえしてもらえなかった恥ずかしさに我慢しききず
無言でどかっと座りなおしたロッドに、ハーレムがにやにやと笑いながら言った。



「振られたなぁ、ロッド」
「まあ・・・・簡単に靡かないお姫様の方がこっちもヤる気が出るってモンすよ」
「ふ・・・、負け惜しみだな」
「・・・・・・・・・ん」

「マーカーちゃんだけならまだしも、Gまでヒドーい・・ロッド泣いちゃう」


わざとらしい泣き真似をして場を乗り切るロッド。


流石は、リキッドが来るまでと抜けてからの期間
ずっと下っ端をやってただけのことがあって芸に年季が入っている。



「それにしても・・・あいつ何あんな慌ててんだぁ?」
「新しい遊び場所でも見つけたのでは?」
「だったら遊び相手にすんのに誰かしら引っ張ってくだろ」

「そーそー。俺がさっきデート誘った時に連れてこうとするって」



食べきっていなかったマカロニサラダをちまちまと摘みながら、ロッドがからかい半分に述べた意見に
馬鹿にされる事が大嫌いなマーカーは過敏に反応したが、
最もな意見ではあったので、言い返さずに素直に納得することにした。

その後も4人は順番に意見を出すが、どうにもピンとくるものはなく
会話は平行線上を単独疾走した。


そしておよそ5分後、ハーレムが出した結論は



「まっ・・・・好きにさせとくか」









ハーレムの放任主義の親のような発言から丸々7日が過ぎ去り・・・



「あれから1週間、毎日は朝から夜まで出かけっ放しですね」


昼飯を食いにすら帰ってこないで・・・。

マーカーは不満気にぼつりと洩らす。
それもそのはず、この1週間の分の昼食も用意しているのだが
それらは全て最終的にはハーレムの胃袋に収まっている。

実のところ、の食事には他の者達のものに比べ
自分のメニューと同じくらい気を使っているのだ。



「しかも帰ってきたらすーぐ寝ちまって全然相手してくんねーし」


もちろんお喋りの相手っスよ。ぶっちゃけ夜の営みの相手もしてほしいけどv

ロッドの言うように、の帰宅は夜・・・しかも夕飯の時間の直前に帰ってきて
食べたら速攻で就寝してしまう。
しかも熟睡しているため、ちょっとやそっとの悪戯をしても起きる気配すらない。

よってこの1週間、楽しいお喋りも団欒もほとんど全くしていなかった。



「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8着」


着せてない服が・・・・溜まってる・・・・・・・。

テーブルに何枚も重ねられている手作りの服を握り締める
その姿は哀愁に満ちている。

着て欲しい本人に着てもらえていない服。その作成者。
余りの悲しみでだんだん趣味に走り出しているらしく、今現在糸を通している布は
真っ赤な生地で半袖ヘソ出し服になろうとしている。

最早、良心の頼みの綱であるGすらがギリギリだ。




「つーか、隊長があの時放っとけって言うから〜」
「あんだよ、俺のせいだって言いてーのか。ロッド減給」

「ぎゃー!恐怖のマイナス棒!!」


すかさず取り出されるノート。
書き込まれる平行線1本。


「あ、おめー再来月分まで差っ引く給料ねーぞ」
「ま・・マジっすか・・・・!?」
「おう。おめーに触りすぎっから、遠慮なしに引かせてもらってるぜ」

「お、俺の給料・・・・・・・と行くホテル代がぁぁぁあ!!」



衝撃の現実を知り、戯言をほざきながらのた打ち回るロッドを尻目に
マーカーがハーレムに話をふる。


「ショックに打ちのめされるイタリア人は放っておくとして・・・隊長、如何しますか」
「そーだな・・・・何かいい案ねーのか、マーカー」
「いい案・・・ですか?ないことも無いのですが・・・・」
「何でもいーぜ。言ってみろ」
「では・・・・・・・」


こほんと、一つ咳払いした後

マーカーは一言。



         
ツケ
「明日を尾行しましょう」

















「・・・・・・・・・・・・・・・・・で、こうなるワケね」

「何で俺まで・・・・・」



翌日、問答無用・・・公平で公正な話し合いの結果、
ストーカーまがいの行為を実行する立役者に選ばれたのは
特戦部隊のセクハラ師ロッド。

と、そのロッドが強制的に連行したリキッド。


2人は今日も朝食を早々済ませるであろうを尾行するため
木やら草や花を身に纏いながらコソコソと獅子舞ハウスの前で隠れていた。



「でもロッド。お前朝飯の時いなくても平気なのか?が怪しむんじゃ・・・」

「その辺はヌカりねーよん。俺は隊長の命令で水汲み行かされてる事になってんの」

「なるほど。それなら居なくても気になんねーな」

「だろ?・・・・・・・・・・って、そろそろだな」



ロッドが草陰にでかく白い図体を隠すと、リキッドも慌てて木の裏側に身を潜める。

勘は当たったらしく、その直後に勢いよく獅子舞ハウスのドアが開け放たれ
中から可愛らしい少女が一人飛び出してきた。




「いってきまーす!!」



元気よく中に居るであろう上司&同僚たちに声をかけ
止まることなくロッドとリキッドの前を通過して、森の奥へと駆けて行く。



ロッドはあぜ道の右側に沿って草木の中を移動しようとしたが、
一度リキッドの方を振り向き、指で軽く合図する。
リキッドはそれに軽く頷いて、ロッドとは逆の左側を音を立てないように気をつけながら進んだ。

2人ともに気づかれないため一定の距離を空けるものの、すばしっこい動きをする少女を見失わないよう
視界にしっかりと目標の姿を捕らえながら後を追う。


は2人に気づくことなく、呑気に鼻歌を唄いながら森の奥へと進む。
しだいに景色は変わり、森から山へと場所が変わっていた。

それに伴い道も徐々に狭まってきたため、
両サイドから追うのに限界を感じたロッドがリキッドを自分の方に来るよう促し
今は2人仲良く肩を並べてを尾行していた。




「しっかしちゃんてば、こんな色気のねーとこで誰と逢引する気なんだか」

「狽ヘぁ?!ってもう誰かの彼女になってるのか!!」

「やーだ、リッちゃん。もしかして本気にしちゃった?」

「って嘘かよ!マジでビビッただろ。止めろよな、そーゆう冗談。
 ・・・・・でも嘘で良かった」


ほっと胸を撫で下ろすリキッドを見て、ロッドは、「ああ、やっぱりこの坊やも本気なんだな」
なんて、改めて感じていたりする。



「・・・ま、恋は障害が多いほど燃えるってな」

「なんか言ったか?」

「さあ?言ったかもねん」


ヒュ〜♪と、軽く口笛を鳴らしてはぐらかし、
視線をに戻す。



「これから何をしてくれんのかねぇ、うちのお姫様は」


興味津々になっての行動を食い入るように見ながら
同じ歩幅だけ足を進める。
決して同じ歩数になってはいけない。

何せ足の長さが数十センチと違うのだから、気をつけねばの意識範囲に踏み入ってしまうかもしれない。
いや、もしかしたら既に入ってるのかもしれない。

ただ、こちらが殺気や闘気を出していないがために気づかれてないだけで。



そんな考えを頭に巡らせていると
の足がぴたりと止まった。

反射的に近くの木の陰に素早く身を隠すと、
リキッドもワンテンポ遅れてロッドより少しだけに近い位置に隠れた。



「あ、なぁロッド」

「喋るなら声落とせよ、坊や」


小声・・・・というより、ほとんど口パクで意図を伝える。
その間も常に細心の注意を払いを観察を怠らない。



「あのさ、が今居るとこなんだけど・・・」
「あそこがどーか・・・・・・・・・なんだ?鳥の・・羽??」


舞い落ちてくる白い羽毛羽。

上を見上げたロッドが見たのは・・・・・・・



「クボターー!!こっちこっち!」



巨大なニワトリ、クボタくんだった。


「あー・・・・やっぱり」
「煤wやっぱり』ってどーゆう事?!」

「あそこ、散歩してるクボタくんに見つけてもらうのに絶好のポイントなんだよ。・・・ほら」


リキッドに言われるままに見ると、
確かに、がクボタくんの足に掴まり大空に・・・・

って、そんな悠長に見学してる暇はない。



「追うぜ!」
「でも何所で降りるかなんて分かんねーぞ?」

「降りるところは分かんなくても、手ぶらで帰ったらどーなるかは分かるだろ?」
「・・・・・獅子舞とチャイニーズの拷問部屋は嫌です・・」
「奇遇ね。俺もそれだけは勘弁」


意見が難なく合致したロッドとリキッドは
既に足の回転を増やし、空を羽ばたく・・・・もといクボタくんに掴まって移動している
ただ必死で引き離されないためだけに走るのだった。




そして数分後、
いい加減に疲れが見え始めた2人は動きを遅め、徐々に歩き出した。

クボタくんの足から手を離したが、
森の中に着地したのを確認できたためだ。

また少し警戒心を働かせながら、が降りたと思われる付近を探る。



すると、キョロキョロと辺りを見回して
しきりに人気が無いのを確認しているの姿を発見した。




のやつ何やってんだ?」
「俺が知るかよ。・・・まあ、見てりゃ分かるんでない?」


声を潜めて気配を絶ち、挙動不審なから目を離さないようにする。

と、一瞬・・・後ろを振り返ったと目が合ってしまった気がロッドは
顔も含め、全身をひっこめた。


「やべっ・・・・!」

「見つかったのか?!」
「・・・かもしんねぇ」
「なら早く逃げねーと・・・・・」
「馬ー鹿。逃げて音立てたら完璧に見つかるっての」


今考えられる最高の展開は
と目が合ったは気のせいで、何事もないこと。

2つめの妥協展開は
目は合ったががこちらの姿を確認できておらず、気のせいで終わってくれること。


最悪の展開は・・・



「お、おい!がこっちジッと見てるぜ!!」

「騒ぐなって。まだバレちゃいねーよ」


そう、バレてはいない。
バレているのなら、の性格からして突撃してくるに決まってる。

だが・・・・多分怪しんではいる。

下手するとあいつの本能には気づかれてる。



とにかく今できる最善の対処方法は
大人しくして物音を立てないことだけだ。


じーっと注がれているだろうの視線をちくちくと感じる。
背中に服が張り付く思いだ・・・。

もっとも上着は着てないのが。まあ、物の例えということで。



「どーせ見つめられるなら、真正面の上目遣いの方がいいぜぇ」
「んなこと言ってる場合かよ?!」
「だって本当のことだしィ」


口パクで言った軽口に、律儀に突っ込みを入れるリキッド。

お前絶対A型だろ?


そして時間にしてみれば、それからほんの数秒後のこと
突き刺さるように見られていた感覚がふと消えた。

そっと顔だけ覗かせてみると、案の定
こちらに背中を見せたが伸びた草の中に入っていくところだった。



「さーて、お姫様の秘密の園に直行といきますか」
「その言い方やめろ///」


赤面しながらの突っ込みをスルーして
ロッドはさっさとの入って行った茂みの中に侵入すると
鬱蒼と茂る草の同じところが何度も踏まれていて、道ができていた。


「毎日通いつめてる先がココなのは間違いねーな」


この先にあるお姫様を独り占めしてる憎らしいものの正体を
一刻も早く突き止めたくて、ロッドは音が出るのもお構いなしにざかざかと草を掻き分け進む。

それに焦ったリキッドは後ろをついてきながら静止の声をとばす。


「おい!!そんなに早く進んだらに追いついちまうだろ!」
「ココまで来たら、もうこっちのモンでしょ。いいから行くぞ」

「あ、ちょっと待てよ!」


リキッドを置いて足早に一人進むロッド。

ずんずんと草の踏まれた道を歩いていくと、生い茂った植物が
まるで扉のように行く手を阻んだ。

だが、それも特に気にすることなく
ロッドは少々乱暴に、植物の葉を左右に退かし己の体を差し込んで
閉ざされた空間へと足を踏み入れた。



そこで目にしたものは、


一本の樹木。

背丈は馬鹿っ高いとは言わないが、まあそれなり。

だが、それに比例せず幹は図太い。

日の光をふんだんに浴びた葉は健康的な緑色をしていて
合間合間に見たことがない・・・だが、美味しそうな実をつけている。


そして一番注目すべきなのは



太い幹が三股に分かれた位置に建てられている
簡素でちんまりとした作りかけの小屋。



「ふーん、なるほどね。こーゆうこと・・・・」
「狽ー!!」


響く高らかな声。


「やっぱ着いてきてたな、ロッド!」
「あーらら、見つかっちゃった」


木の後ろから、ひょっこり顔を出した
持っていた板を放って駆け寄ってきた。


「お前毎日これ作りに来てたんだな」
「そーだよ、あたしの基地にするんだ!」

「17歳にもなって秘密基地ごっこかよ。お子様だねぇ」
「うっせー、別に秘密じゃねーもん。みんなには出来上がってから言おうと思ってたんだよ」


むぅっとむくれてロッドから顔を逸らし
放り出した板を拾い集めに行く。

集めた板を両手にいっぱい抱えていく
何だか妙に可愛らしくて、ロッドはその腕に収まっていた板を抜き取って言った。


「作るの手伝ってやろーか?」

「マジで?ならドア作って、ドア!!何回やっても上手く出来なくてさ」


満開の笑顔でロッドを見上げる。
ロッドはそれに応えるように同じように笑って・・


「ご注文承りました。支払いは身体で頼むぜv」

「そ、そんなのやだ!///」

「んじゃ今夜ご奉仕してv」

「さっきのとどう違うんだよ!!」



は散らばっていた残りの板を全部集めきると、
自然に出来ていた木のでっぱり部分を利用して、小屋の位置まで幹を駆け上った。


「ロッドー!早く来いよ!」
「そんなに急かさなくても、今行ったげるよん」


ロッドもがやったのと同じように、勢いよく最初のでっぱり部分を踏みつけ幹を駆け上がった。
だが、違うところが一つ。
は今居る位置まで行くのに6回幹を蹴ったが、
ロッドはその半分の3歩で同じところまで上がってきた。

それに気づき、はあからさまに不機嫌な顔をする。



「むかつく」
「仕方ないっしょ。ちゃんのが俺より足短いもん」

「それこそ仕方ないだろ。あたしのが背ぇ低いんだから・・・」
「ごめんごめんv でも、女の子は小さい方がキュートだぜぇ」

「キュートじゃなくていいから、もっと身長欲しい」


恨みがましい上目遣いでロッドを見ると、
わりと爽やかだった笑顔が・・・・・・・厭らしく歪んだ。


「背は伸ばしてやれねーけど、他のとこだったらでかくしてやれるぜ」

「他って・・・何所をどーやって?」


ぱちくりとした眼で聞いてくるを見て
更にニマりと笑みを深める。


「そりゃ触って揉んで弄りまくって・・・・・」


そろりと伸びる逞しい腕。



「こ・こ・をv」




むに・・・と、

ロッドの指が、のある箇所に埋まる。


硬直する



「ん〜、でもココもう十分育っちゃってる気配?感触もいいしv」


調子に乗ったロッドは更に、
両手で両方のそれを寄せるようにして、その形が変わるほど指を食い込ませた。



「うんvサイズも感触も120点満点合ー格vV」

「な、な、な、ななっ・・・・・」

「『な』?あ!もしかしてナマで触っていいの?なら遠慮なく・・・・」



それはそれは愉しそうな笑顔で舌なめずりをして、その気になるロッド。

だが、それが実行できるはずもなく・・・・






「「何してんだぁぁあーーーッツ!!!!!」」

「ぐほっ、買Mャーーーーーーっ!!??」



2つの怒りに満ちた罵声を浴びせられ、

目の前の少女からは、数十枚の板を的確に全身の急所という急所に投げつけられ

背後に出現した青年からは、電力MAXの超高電圧電磁波をくらった。



無事か!?ロッド菌が移ってねーか?!」
「り、リキッド!?お前も来てたのかよ」
「ああ!ただちょっと途中で底なし沼にハマったせいで着くの遅れたんだよ」

「あ、だから色々汚れてん・・・・・・・リキッド。あんま近寄んな、臭い」
「狽ヲぇ!俺臭ってる?!」
「うん。けっこー」


愛しい少女に鼻をつまみながら、ダッシュで3mばかり距離を開けられ
純粋にショックをうけるリキッド。

とりあえず、川で落として来いよ。色々と。


その後10秒ほど固まっていたリキッドは

「んじゃ俺帰るな。ちみっこの昼飯の仕度しねーとだし・・・」

と、マイナスイオンを背負って帰っていった。


ロッドはダメージが相当らしく、未だ復活していない。




「なんだよ・・・・結局あたし一人で作るんじゃん」


は、作りかけの小屋を見上げて

「ドアどうしよう・・・・」と、頭を悩ませながら

一人、作業に戻るのだった・・・。






そして帰ってこないロッドに痺れを切らしたハーレムたちが、
リキッドを問いただしての居場所を聞き出しここに来るのは
今からおよそ30分後のこと・・・・・。













一人の場所がほしかった
一人前になれる気がしたから

だけど独りは嫌だった
だから夜になればちゃんと帰った

「一人」はいいけど「独り」はいやだ
帰る場所がなきゃ 秘密なんていらない

ここは独りじゃない子供の我侭を満たす一人の場所