「なぁ、あたし疲れたァ。もーやめようよ」
俺の作った服を見事に着こなしているの口から
珍しく破棄のない弱音が漏れた。
元がいいとどんな格好もよく似合うので
ついつい着せすぎて、試着済みの服は今着ているもので20着を超えている。
「・・・・・・・そうか。ならあと2、3着で終わりにしよう」
「げぇ、まだやんの〜・・・」
眉を『ハ』の字に下げて
疲れたてたようにヘタリとその場に座り込んでしまった。
「・・・・そんなに疲れたのか?」
「めっちゃくちゃ疲れた」
「だが、着替えるだけだろう・・・?」
「その着替えが疲れるんだよ」
・・・・・・・・?
「だってGの作る服ってファスナーとかボタン多いし
フリルとかレースついてるのばっかじゃん」
・・・・・なるほど。
言われてみれば確かに
着慣れていないタイプの服を連続して着替えるのは体力がいる・・・・気がする。
感謝と労わりの意味を込めて、結い上げてやった髪を崩さないようにそっと撫でると
はあどけなく幼い笑顔を見せた。
「へへ・・・v」
「・・・・・お前はよく笑うな」
「うん、あたしGに頭撫でてもらうの好きだもん」
「そうか・・・・」
サラサラと手から滑り落ちる茶色の髪は
光の輪を作って輝きを主張している。
・・・・・・・・・・・・・・!
俺はふと思い立ってハサミと・・・・未使用の白い布を手に取った。
型紙も当てず、フリーハンドで裁つ。
じゃきじゃき・・・・・じゃきん。
「G?どーしたんだよ」
「少しだけ・・・待っていてくれ」
針に布と同じ色の真っ白な糸を通し、布にさす。
無心でひたすら針を進める。
ちくちく・・・ちくちく・・・チクチクチク・・・・・・。
それが終わると今度は裁縫箱の中から細かい網目のレースをとり
裾に縫い付ける。
10分ほどして仕上がったのは、無地で純白のワンピース。
「・・・・・これが最後だ」
「え・・これ、あたしが着るの?」
「お前以外に・・・誰が着るんだ?」
「そーだけど・・・・・」
一瞬、以外の顔ぶれが、コレを着ている姿を想像してしまった・・・。
似合わん。
「わかった、着てくる」
少し渋ったあと、は服を持って即席試着ルームに入っていった。
数分後・・・。
「G、着てみたけど・・・・・・・これ色々と無理」
試着ルームから顔だけひょこりと出して言う。
「何故だ?」
「全然似合ってねーんだもん」
「・・・・・見せてくれ」
「やだ」
「・・・・・・・・・・頼む」
「やだ」
「・・・・」
名前を呼ぶと、観念したのか
恐る恐る足を踏み出した。
ひらりと舞うピンク色のカーテンから出てきたは
「・・・・・・よく似合っている」
本物の天使に見えた。
「うそだ!絶対ぇ似合ってないって」
「ドイツ人は嘘はつかん・・・」
「けど、なんか恥ずかしいよ・・コレ」
そう言って照れながら着ている服を見つめる姿は、いつも思っている以上に可愛く見えた。
だからと言って、
思わず引き寄せて頬に口付けてしまったのは
やりすぎだったかもしれん・・・。
「じ、G!?な、なっナなにッ、なっ///」
「・・・・・・・・・・・・気にするな、よく似合っている」
「そーじゃなくって!!今お前・・・っ」
カーッと顔中を朱色にして頬を押さえたまま
金魚のように口をパクつかせている。
ああ、隊長達が何故あんなにもをからかうのかが
今・・・・・よく分かった。
天使の頬からは、
今朝のデザートだった杏仁豆腐のシロップの香りがした。
*あとがき*
ああ、今気づいた。
G視点ってめらムズい!つーかキャラが違いすぎてもう駄目だ・・・・。