部屋に行くと、


未使用の布が不自然な形で膨らんでいた。





「・・・・・・・・・・・・・・」



部屋を出る前までは

確かに畳んで置いておいたはずだが・・・・



もぞっ



・・・布が、動いた。


いや・・正しくは


布の『中』で何かが動いた。




開けたままだったドアととりあえず閉め

まだ生地にすらなっていないサラの状態の布に近づき


真ん中を摘んで、

ゆっくり上に持ち上げると




「・・・・・・」



猫のように身を丸めたが現れた。


は布がなくなったことにも気づかず、眠り続けている。

それはなんとも気持ち良さそうに、

ぐっすりと。



起こすのは可哀想だ。

そう思って、そっと抱き上げてベッドに寝かせてやった。

広々とした場所に移ったせいか

とたんに伸び伸びと手足を広げ大の字で寝だした。




俺は、一度だけの頭を撫でて

ベッドに寄りかかるように、床に腰を下ろした。


そして、が隠れていた布に

印つけを始める。


作るのはもちろん、新しいの服。





・・・それにしても、

何故はここで寝ていたのだろうか?


今日は朝からマーカーと山菜摘みに行っていたと思ったが・・・・。



今朝、起床前のを小脇に抱え

竹篭を背負って

いつになく意気揚々とマーカーが出かけていったのを、ふと思い出し


無意味にを見る。




すると、

さっきまで完全に閉じていた瞳が

薄っすらだが開いて、ぼーっとした顔と目が合った。



「・・・起きたのか」

「・・うん。はよ、G」

「・・・・・・・・・・・・・・ん」



もそもそと起き上がった

ベッドから降りて、すぐ隣に座り込んだので

俺はまた、その撫心地のいい頭に手をやった。



「・・・・・へへ、G。おはよー」

「さっき聞いたぞ?」

「うん。でも、もう一回言いたかったから言った」

「・・そうか。」



自分でも口元が上がったのがわかる。


といるだけで、

表情が乏しい俺でも、こうして笑うことが増える。




「ふぁ〜あ、あー・・・疲れた」

「寝ていたのに・・・・か?」

「だって、最初に起きたら竹籠ん中だったんだぜ。そのせいで変な寝方しちゃったよ・・・」



ぐるぐると肩を回しながら

不満気に言う。


・・・なるほど。

山道を歩くマーカーは

を脇に抱えるのが面倒になって、篭の中に入れたらしい。



「・・・・・・・・よく逃げてこれたな」


あのマーカーから。


「ああ、うん。ちょーどアラシヤマが居てさ」

「・・・・・・代わりに、入れてきたのか?」

「おう!マーカー山登るのに夢中だったから気づかなかったみたい」



今頃。

マーカーはあの弟子を燃やしているだろうか?


山火事で熊が被害に合わないといいが・・・・。



「G?どーしたんだよ」

「・・・・・・なんでもない。それより、・・・・」

「ん?」

「疲れたなら・・一眠りしろ」



俺が言うと、



「わかった。じゃあココで寝る!」



と、言いながら

あぐらをかいていた俺の足の上に転がった。



「な?G、いーだろ?」



そして笑顔で聞いてきた。



「構わないが・・・・寝心地が悪いんじゃないか・・・?」

「そんな事ねーって。寝れる寝れる!」

「・・・好きにしていい」

「やった。んじゃおやすみー」


ごろんと横向きになって、

俺のレザーパンツの裾を、軽く掴んで


瞬く間に、また眠りについた。




そうして俺は、

不機嫌なマーカーが帰宅し、の名を怒鳴り呼ぶ、その時まで


愛しいこの少女の

服を作りながら


ずっと、その寝顔を独占することができた。















*あとがき
G?
これGでしょうか?
なんかマーカーさんが2人の会話に出張ってるし…。
流石は師匠。(意味分からん)

とりあえず、これで「眠り姫」がヘタレ微々エロから抜け出せた。