「うっわ〜!でけぇ!!」



談話室の窓からが見下ろしているのはガンマ団本部。
にとって初めての本部訪問だ。



「そっか。は本部来るの初めてだよな」
「リキッドは来たことあんの?」
「一応な。つっても3回くらいだけど」



一緒に喋っているのはより少し早く入隊したリキッド。
2人で窓に張り付いて仲良く下の風景を見ていた。

そこに現れたのは、お馴染みのイタリア人。



「仲良しこよしなのはいーけど、早く降りる準備しねーと隊長に怒られちゃうよん」



リキッドとの間に割って入って馬鹿にしたように言うロッドの後ろには
嘲るように笑うマーカーの姿もあり、リキッドは嫌そうな顔で振り向いた。



「うっせーなあ、分ってるっつの。行こうぜ」



厄介なこの2人から逃げようと、リキッドはの手を引っ張ったが、それは叶わなかった。
リキッドが掴んでいない方のの手は、ロッドがしっかり握っていた。



「んだよロッド」
「別に降りる準備くらい一人で出来るだろ〜?」
「一人で行け坊や。はこっちで私達が見ている」




この日、本部に来た理由は飛空艦の整備のため。
終わり次第、即出発とのことだ。
どの程度で終わるか解らないので、外出せずに、本部の中で時間を潰すしかない。


本部に私室のあるハーレム以外は、暇つぶしの方法が無いのだった。



よって、リキッドはと適当にブラブラしようと考え、
マーカーは資料室かどこかでに勉強させようと考え、
ロッドは取り合えず自分が暇にならないようにを所持しようと考えていた。




だって俺たちと居たいよなぁv」
「どっちでもいーよ」
「んじゃ多数決なvは俺かマーカーと居るべきだと思うヤツ手ぇあげて」



はぁ〜いvと自分でも手を上げるロッドと、静かに挙手するマーカー。



「はーい、2対1でリッちゃんの負け〜vv」
「なっ!?そんなの卑怯だろ!!」
「負け犬がとやかく言うな、さっさと去れ」
「ちっきしょーッ!!」



泣きながら走り去っていったリキッドを、マーカーとロッドの2者は面白そうに見送る。
そして入れ違いにGが中に入ってきた。




「……、少しいいか…?」
「G、お前もか」
「・・・?俺はの採寸を、したいだけだ……」
「ダーメだめ。は俺といーことして遊ぶんだぜぇ」
「勝手なことを言うな。は私が勉強させる」
「採寸…」



マーカーは射るような目でGを睨みつけ、
ロッドは何を考えてるのか解らない視線をマーカーに送り
Gはメジャーを握ったまま無表情にロッドを見る。

痛いほどの熱気は風が相殺し、渦巻く旋風を震える床が打ち消し
圧力をかける足元は炎が押しとどめ・・・

そんなことが繰り返し行われている。


3者の間には尋常じゃない火花が散っては消え、また弾けていた。





「おらおら何やってんだ、お前ら!とっとと降りやがれ!!」
「「「た、隊長?!」」」
「テメーらが降りねーせいで整備ができねぇって苦情が
俺に来てんだよ!」
「あれ?何処行った??」
「あーん?だったら1人でとっくに出てったぜ。探検するんだとよ」



どうやら3人が威嚇に夢中になってる間に飽きて、さっさと降りてしまったらしい。
喧嘩する理由の無くなった3人は、つまらなそうな顔で
並んで飛空艦を降りていった。










「なんか本部にいるやつって変なのばっか…」



一人本部内を歩くは、すれ違う人がみな自分を避けたり、
内緒話をすることが気になって仕方がない。

それもそのはず。
が今日着ている服は紛れも無い”特戦部隊”の制服であり
”数ヶ月前に特戦部隊に入った子供”として少しばかり噂になっていた。



だが、それを知らないにとっては、
皆が自分を変な目で見ている。という事実しか残らないのである。




「つまんねぇの、やっぱロッドかリキッドと一緒に居りゃ良かった…」


マーカーやGだと自由に動き回れないのを理解した上での発言だ。




「ん…?なんかイイ匂い…」



の鼻を擽る香り。
肉や野菜がふんだんに煮込まれて、独特の香辛料の香るこの匂いは…



「カレーだ。どこだろ」



匂いのする場所を辿り、アッチへコッチへと
複雑に曲がりくねった道を進みながら、自分の鼻を頼りにどんどん進む。


数分間歩いた後、一つのドアの前で足を止めた。

ドアは他のものよりも少ししっかりした作りになっており、
可愛らしいルームプレートには”シンちゃんのお部屋”と書かれていた。




「えっと、シンちゃんのお……ぶや?あっ、違う。
これ”へや”って読むんだった。じゃあ”シンちゃんのおへや”か。
・・・・・・・シンちゃんて誰だろ?」



マーカーの勉強が役立ち、詰まり詰まりだったものの何とか読めた
”シンちゃん”なる人物の正体とカレーを求めて、その扉を開けた。




ガチャッ



「おい親父!勝手に入るなって…」
「オヤジ?」
「・・・お前、誰だ?」



扉を開けたと同時に、罵声とも言える声がに向けられた。
が、その声は、ではない固定人物に対するものだった。


中に居たのは、長めの黒髪を一つに縛っている青年。
少し悪人面ではあるが、の知っている顔に比べれば全然問題ない。
青年はカレーと食べる手を止め、怪訝な顔でを見ていた。




「勝手に入ってくるなよ」
「・・・お前が”シンちゃん”?」
「ああん?…ッまさか!!」



”シンちゃん”と思わしき青年は、怒りに満ちた顔でに近づき
ドアの外のルームプレートを見て、更に顔を赤くして、プレートを素手で半分にぶち割った。




「あんのクソ親父!!さっき来た時かけて帰りやがったな」



青年は無残に割れたプレートを廊下のゴミ箱に投げいれ、
手の汚れを落すように両手を叩いて、仕事をやり遂げた爽やかな表情で
部屋の扉を閉めようとした時





ぐぐうぅぅ〜





の腹が鳴った。



「・・・・・・・食ってくか?カレーだけど」
「食う!!」
「入れよ」



”シンちゃん”は扉を少し開いてを中へ入るように促す。


そしてキッチンへ行き皿を取り出し、炊き立ての白飯を乗せて、テーブルまで持ってきた。
シンタローがテーブルに置いてあるカレー鍋の蓋をとると、が辿って来た匂いが
一層濃く鼻をつついた。

”シンちゃん”は白飯の横にカレーを流し込んだ皿に、赤い福神漬けを乗せ、
自分の正面の椅子に座ったの前に水と一緒に置いた。



「うわっ、うっまそ〜vいっただっきま〜す!!」



ぱちんと手を合わせてから、白飯とカレーの合わさった所をスプーン山盛りにすくって
大きく開けた口に詰め込んだ。



「美味いだろ?」
「んん!ふっへぇふはい!!(うん!すっげぇうまい)」
「いっぱい作ってあっから好きなだけ食っていーぜ。あのプレートついてんの教えてくれた礼だ」



テーブルに肩肘をついて”シンちゃん”はさっきまでの悪人面と打って変わって
ニコやかに笑って見せた。
そして自分も食べかけだった自作カレーに手をつける。





「”シンちゃん”がさっき言ってた”親父”って誰?」
「ここの総帥のマジック。認めたくねーけどアレが俺の親父」
「マジックの子供?じゃあお前が”シンタロー”?」
「なんだ、俺のこと知らなかったのか」



”シンちゃん”改め、シンタローは呆れたように言った。
マジックの息子であるシンタローは、団内で自分を知らない人間と会ったことがなかった。


それと同時に、何かにつけて”総帥の息子”として扱われたシンタローには、
自分を知らないは新鮮な刺激でもあった。



そんなに興味を抱き、今度はシンタローが質問をする。




「お前士官学生じゃねぇよな?」
「うん違う。オレねハーレムの部隊にいるんだ。あーっと特変部隊だっけ?」
「特戦部隊だろ…まあ間違ってねぇけど。それじゃあお前が噂の新隊員か?」
「噂かどーかは知らねぇけど、一番新米なのはオレ」
「へぇ〜」



素直に感心したように呟く。

特戦部隊がガンマ団の中でも選りすぐりの精鋭部隊だということは誰でも知っている。
その特戦部隊に幼い子供が入ったとなれば、嫌でも噂は肥大し
興味がなくても耳に入ってくる。


しかも特戦部隊の隊長はシンタローにとって、叔父にあたる人物。


小さい頃から見てきたが、その叔父ときたら、赤札モノの暴れ者。
粗雑で金に汚く、獅子舞のような風貌の男をシンタローはあまり好きではなかった。


だが、強いのは確かだ。
もし何らかの事故でマジックが消えれば、家系的にも実力的にも、
あの男が総帥になることは確定だろう。



そして叔父は、何より強い者が好きだ。
そんな叔父が拾って来た子供というからには、それこそ悪魔のように強く、無情に人を殺すのだろう。




と、シンタローはそう思っていたのだが・・・




「なんか…お前普通だな」
「そっかな?」
「おう」
「そーかなぁ・・・まあいいや。カレーおかわりしていい?」
「ん、ああ。しっかしお前よく食うなぁ」



シンタローはから皿を受け取って、白飯をよそってこようと席を立って



「うん。だって女盛りだもん♪」
「ぶッ!」



前のめりにズッこけた。
そのせいでテーブルの中央に置いてあったカレー鍋に顔面を突っ込んだ。



「だあっちー!!!」
「あーッツ!勿体ねぇ!!」
「俺じゃなくてカレーの心配かッ!?」



カレーまみれになった顔を、手元に置いてあった布で拭いているシンタローを余所に、
は零れたり飛び散ったりして半分以下になったカレー鍋を覗き込んでいる。



「それよりなぁ、”女盛り”じゃなくて”育ち盛り”だろ!女盛りってのはもっと…
って、コレ台布巾じゃねーか!しかも女盛りィ?!



手にしていた台布巾を流し台に放りながら叫ぶシンタロー。



「え〜、でもロッドが”女盛りは食い盛り”だって…。食い盛りっていっぱい食うことだろ?」
「ちっがーう!!あのイタリア人こんなガキに何教えて…ッつーか、お前女なのか?!」
「なんだ違うんだ…。じゃあ”食い盛り”ってどーゆー意味?」
「それはだな…って!子供はそんなこと知らなくてよろしい!それより俺の質問に…」
「オレ女だよ。何でみんなそんなに驚くんだ?」



会話のバランスもくそも無くひっちゃかメッチャカなやり取り。
は鍋の中身をお玉でかき混ぜながら、まだ食べられるかどうかを
一念に気にしている。

シンタローは引っ張り出してきたタオルで改めて髪や顔を拭いている。




「でもうちって女団員募集してねーぞ?親父知ってるのか?」
「知らないと思う。けどハーレムは『団員じゃなくて隊員だからいーんだ!』って言ってたよ」
「あのオッサンらしいぜ。自分の部隊が”ガンマ団特戦部隊”っつーこと忘れてんだろ」




まあ親父も知らないことを知ってるのは気分いいから黙っとくけどな。
などとシンタローが考えているのは言うまでも無い。






「なぁシンタロー、さっきから思ってたんだけどさ、お前マジックのこと嫌い?」



自分の顔が突っ込んだカレーなんて人に食わせられない、という理由から
カレーを没収されたは、代わりに出されたインスタントラーメンを啜っていた。
シンタローもまた然り。



「まぁな!」


ズルズル麺を啜りながら答える。
は返って来た答えに、不思議そうに金の瞳を揺らした。



「変なの、マジックいいやつなのに」
「ドコがだよ!異常なまでの変態っぷりじゃねーか」
「そーかな?」
「おう!どこ探したって自分の息子のホームビデオを1000本以上も撮るやつなんかアイツだけだ!」



他にも色々思い出して、本気で気色悪そうに身震いするシンタローだが、
はラーメンを啜りながら



「オレ羨ましいけどな」
「24にもなって親父に抱きつかれるのがか?」



ハッと我に返ったシンタローの目は
『そんなこと言えるのは他人事だからだ。俺の身にもなれ』
と神妙な面持ちで語っている。




「だってオレ捨て子だから”お父さん”ってどんなのか知らないんだもん」
「えっ・・・あ、悪ぃ。無神経だった」
「ん〜、いいよ。オレ”今”好きだから気にしない」
「なんだそれ?」
「捨てらなかったらハーレムに拾ってもらえなかったし、そしたらオレ今ココに居ないじゃん?
だから捨てられて良かったんだ」
「そーゆうもんか?」
「だってさ、親居たって幸せだったとは限んねーだろ?」
「まあ、な」
「でも親がどーゆうもんなのかは、気になるんだよな。・・・・・・ふぅ、ごちそーさまでした!」



は、ラーメンのツユを音を立てて飲み干して
空いたカップをテーブルに置いた。
中身は麺カス一つなく、ネギなどまでキレイさっぱり食べきっていた。



「お粗末さん」



シンタローは自分が食べきったカップも重ねて、まとめてゴミ箱に投げた。



「あーあ、満腹満腹♪もう食えねー」
「そりゃあんだけ食えばな」
「オレ、シンタローみたいな兄ちゃん欲しいなv料理上手い兄ちゃん」




そう言って屈託無く笑うに、なんとなく離れた弟の面影を重ねた。
髪も瞳の色も顔も背格好も似ていないのに、

小さい弟が自分のことを”お兄ちゃん”と呼ぶ姿が、と被って見えた。





「(コタロー…お前は何処に居るんだ)」
「…
タロー、シンタローってば!」
「ん?悪ぃ、ボーっとしてた。なんだ?」
「ちゃんと聞いてろよなぁ」



遠い記憶の弟を思い出している間、の呼びかけを無視していたらしい。
は少し不機嫌めに文句を言ったが、次の瞬間にはパッとスイッチを切り替えて
シンタローに問いかける。



「あのさ、マジックのことイツから嫌いになった?」



そんなにマジックが気にかかるのか、と思いつつも、
投げかけられた質問の答えを考える。



「どーだったかな。少なくても士官学校入ったときはもう好きじゃなかった」
「なんで?」
「なんでだろーな。でも多分、こんな家業やってたからじゃねーか。
自分の親が人殺しなんて普通ガキには抵抗あるだろ」


そんなの子供じゃなくたって嫌だ。


「でもシンタロー自分からマジックのこと”嫌い”って言ってないよな」
「そうか?気のせいだろ」
「違ぇよ!オレちゃんと聞いてたもんね」



子供というのはイヤなところに気がつく。
シンタローは口に出さずも内心そう思った。




「・・・本音言うと別に嫌いじゃねーよ。ただ、色々な」
「ふ〜ん、よく分んねーけどシンタローも大変なんだ、オレ応援するから頑張れ!」
「サンキュ。でもさっきのコト誰にも言うんじゃねーぞ!特に親父とハーレムには絶対だ!!」
「うん、いいよ。絶対言わない」
「よーし!約束だぜ」
「約束すんなら指きりしよッ」
「指きり〜?俺もう24なんですけど…」
「いーの!早く!!」
「わぁったよ!!」



渋々右手の小指を差し出すシンタローに、
は一回り以上小さい自分の小指を絡めて上下に振り始める。
高い声が小さい頃よく言っていたメロディーを歌う。



「指きりげんまんウソついたら”さいいんざい”飲〜ます♪指切っ…」
「ちょっと待ちなさいッ!!」


最後のシメ台詞を遮られ、口を尖らせる


「なんだよ?」
「俺の気のせいじゃなければ、今”催淫剤”って言わなかったか?」
「うん。ロッドに教わったんだけど、違った?」
「ほんっとに!ロクでもねぇな特戦部隊・・・!!」


特にイタリアン。



「もう一回やり直すぞ。俺が正しい指きりを教えてやる」
「ロッドから教わったのまた違ぇの?」
「おう。だから金輪際アイツの言うことは信じるな」



シンタローはの指を自分からとり、小指同士をしっかりクロスさせて歌いだす。
も自分の知っている所を重ねて歌う。




「「指きりげんまん、ウソついたら」」


「”ハリセンボン”」


「「飲〜ます♪指切った!」



指が離れる。




「ウソついたら針千本も飲むのかよ・・・G1人で千本も持ってるかなぁ?」
「いや、俺は知らねぇ」
「うーん…頑張って探しとかないとだ」
「お前が破らなけりゃ用意しなくていーだろ」
「あ、そっか。じゃあいらねーや」




さっきまでは真剣に針の調達ルートを考えていたというのに、シンタローのアドバイス(?)で
あっさり思考を切り捨てるを見て、シンタローは堪えきれず笑い出す。



「ははは!マジ変なやつだなお前」
「ここのやつらに言われたくない」
「そりゃごモットモで…」



自分の父親、血縁者、その関係者、士官学校時代の同級生…etc
”変なヤツ”の代名詞的存在がシンタローの脳裏に次から次へと溢れ出す。




思い溜め息を吐いていると、廊下に複数の気配を感じた。
まだ少し遠いが、この部屋の付近のようだ。




『おーい!ー!!どっこだぁ〜』
ちゃーん、出発するぜぇ。来ないと置いてっちゃうよん』
『お前等あいつの面倒みとけよ』
『申し訳ありません、スグにでも探しますので』
『・・・いない』





「やべっ!行かねーと怒られる!!」
「やっぱアレ特戦部隊の声か」
「うん。そんじゃあなシンタロー、カレー美味かった!」
「あっ、おい待てよ!」



扉を開けようとしたところを呼び止める。
は少し急いだ様子でドアノブを掴んだままシンタローの方を振り向いた。



「なに?」
「名前言ってけよ。一応知ってるけど、まだお前の口から直接聞いてねぇ」



ニッと笑ってハッキリそう言うシンタローの顔は、彼特有の温かさに包まれていた。



「オレは、特戦部隊の新米隊員」
「俺はシンタロー、ガンマ団ナンバー1だ。またその内会おうぜ!」



差し出した右手。
はドアから離れてシンタローの目の前まで行き、その手をしっかと握り返す。



「そん時はまたカレー食わせてくれよ」
「いいぜ、とびっきり美味いの作っといてやるから楽しみにしとけ」
「うん!じゃあまたな!!」




握った手を離し、今度こそドアを開けて部屋を出た。





左右に首を振れば、左側に黒いレザーに身を包んだ4人と厚手のスーツを着た男の
5人組がたむろしていた。


その集団の元に急いで走る。




「たっだいまー!!」
「おっvお姫様発見〜♪」
「…
「遅いぞ。何処へ行っていた」
「内緒〜」



リキッドとマーカーの間に入り込み、6人で歩き出す。



「ん?なんかカレーの匂いしねぇ?」
「え?しねーよ、気のせいだって」
「いや、俺もするぜ。食堂のメニューにゃカレーはねぇし、何処で食ってたんだぁ?」
「ダメ!ハーレムには絶対言わねぇ!!」
「あーん?なんでだよ、虐めたろか」



の首を掴もうと手を伸ばすが、ヒラリと身をかわし
ハーレムから一番遠くを歩いていたGの影に隠れる。



「絶対言わないもんね、針千本も飲みたくねーもん!」
「あんれ?俺が教えてやったのと違うぜぇ?」
「ロッドの言うことは信じるなって言われた」
「誰に?」
「シ…っとと!言わない約束だった」
「おっ、逃げやがった!オメーら追えー!!捕まえて吐かしたヤツにゃボーナス2倍だぁ!!」
「「2倍?!よっしゃー!!」」




ボーナス2倍という賞品を掲げられ、一瞬で気合を燃えたぎらせ
逃げたを追いかけるロッドとリキッド。




「お前らは行かねーのか?」
「先週次のボーナスは全員無しと宣告されましたから」
「0の2倍は0です・・・」
「チッ、覚えてやがったか」



冷静な2人は誘いに引っ掛からず。




一方、見事に引っ掛かった2人はと言えば・・・




「坊や邪魔すんな!ボーナス2倍は俺のもんだぜぇ!!」
「俺なんか給料だって10円なんだから譲ってくれたっていーだろ!!」
「い・や・よ〜んv俺だってお前が思ってるほど貰ってねーんだよ」
「俺のがそれ以上に貰ってねぇ!!」
「うるせーなぁ。坊やはお寝んねしてなッ!羅刹風!!」
「うおぉおう!?ロッドてめぇ…電磁波ァ!!」
「2人とも技だすなよ!!危ねぇじゃんか!!」






この数分後、ハーレムたちが見た整備したばかりの飛空艦は・・・無残だった。


先端部はリキッドのプラズマがかすって黒くなり
側面はロッドの風によって楕円形にヘコみ
入り口付近のが溶かしたと思われる痕跡に至っては、多数に昇っていた。




3人が給料カット、来年分のボーナスカット、
ついでに修復作業を命じられたのは、また別の話。



















名前しか知らない 他に何も知らない
だけど下手にお互いを知っているより
分かり合えることもある

ボクとキミがまさにそれ