「、やら…」
「イ・ヤ・だ」
バカな彼氏ほど可愛いの法則
本棚に寄りかかって本を読んでるあたし。
そして伸ばしてる足に跨ってる猿が一匹。
あたしの彼氏。
「まだ何も言ってねーじゃん」
「どーせスケベで下らない事だろ」
分かってんだよ、猿の考えなんて。
「下らなくねーもん」
「スケベは否定しないのか?」
「……男はみんなスケベなんだよ!!」
特徴、バカ。
「だって2週間もやってねーんだぞ」
「そだね」
「だからやろうぜ!」
「何で?」
「やりたいから!」
「誰が?」
「オレがっ!!」
「あたしはやりたくない。はい、残念でした」
読みかけの漫画に目を戻した。
視界の隅っこでコケてるノブ。
いちいちリアクションでかいなぁ…
「じゃあ何でオレの部屋、来てるんだよ!?」
「えっ?」
瞬く間に復活したかと思ったらベタな質問。
「ちょっとは期待してるんだろvv?」
ズイッ、と顔を迫らせてくるノブ。
顔を向けたらキスしそうなくらい近い。
「ちょっと、読むのに邪魔!」
「オレが居るのに、マンガなんか読むなよ」
「読むならココで読めって言ったの誰?」
ノブの瞳が、上のほうを行き来する。
バカ面。
「お…オレ?」
「正解、ほら退け」
あたしは、自分の部屋に持って帰ろうとした。
止めたのは間違いなく、ノブ本人。
そういう事実がある以上ノブは諦めるしかない。
聞こえよがしに文句を言いながらも隣に座る。
座りながら…
「マンガとオレどっちが大事なんだよ」
「マンガ」
逆襲(あっけなく)終了。
口を尖がらせて不機嫌になる。
数分もしない内に、ノブも積み上げてあった漫画を読み出した。
並んで読書。
「バスケとオレは?」
「バスケ」
何の前触れも無く、ノブが言った。
何の迷いも無く、あたしも言った。
「…寝るのとオレは?」
「寝ること」
「食うのとオレは?」
「食うこと」
「勉強とオレは?」
「…大事なのは、勉強かな?」
「……」
黙っちゃった。
イジメすぎたか?
まっイイか。
「オレはのが好きだ」
ページを捲ってる手が止まった。
ノブの方を見ると…ノブもあたしをジッと見てた。
「ふ〜ん」
それしか言えなかった。
「飯食うのよりが好きだ!」
「寝るのより?」
「おお!」
「バスケより好き?」
「それは…両方好きだ!!」
選ばないのかよ。
「へぇぇ〜」
「だからも好きになれよな」
「はぃ??」
どーゆう理屈だよ?
「オレが、これだけ好きなんだから…」
またバカなこと言う気か?
「同じだけお前もオレのこと好きになれ!」
ノブの新たなる大バカ発言。
「やだ」
「何でだよ!?」
「あたしはバスケよりノブが好きだもん」
ビックリした金魚みたいな顔。
みるみるウチに真っ赤になってく。
「っ今『好き』って…///」
「言ったよ」
「バスケのが好きなんじゃねーのかよ…」
捻くれちゃって可愛らしい。
「『大事』なのはバスケ、『好き』なのはノブ」
「なっ、ならオレだって!!」
「ノブは同じくらいなんでしょ?」
あたしとバスケで。
「ぅぐっ…」
言い返す言葉を必死に探して本気で困ってる。
からかうと飽きない。
可愛い、可愛い。
ノブの右ほっぺをムギッ、と抓ってみる。
逆のほっぺを、抓りかえされた。
うぅ〜ん、痛いかも。
「ニョブはにゃひて(ノブ放して)」
「おまへこほ(お前こそ)」
ムギギギギギ‥
お互いの手に、だんだん力がこもってくる。
不毛な戦い。
「いてーって」
「じゃ一緒に放そう」
せ〜のっ!!
「…痛かった」
「オレも…」
ちょっとだけ赤くなった頬。
さする。
あたしはノブのを。
ノブはあたしのを。
「…マジでが好きだ」
「あたしもバスケよりノブが好き」
「も1回///」
言ってくれ。とばかりの目の輝き。
「バスケよりノブが好き」
「もー1回!」
「ノブよりバスケが好き」
「ああっ!?」
「ははは、バーカ」
可愛い恋人。
ふつーはオトコの言う台詞かもしれないけど、
あたしの恋人はホントに可愛い。
バカでカワイイあたしの彼氏。
「ノブ頭かもーん☆」
「頭ぁ?」
ムギュウッ
「はぁ〜抱き心地ナイスv」
人の頭抱くのって、気持ちイイもんだよね♪
調子にのり、更にキュッと抱きしめる。
「…」
「なぁ〜にぃ??」
「コレ誘ってんだよな」
・・・へ?
「いや別に…」
「オレの、やる気満々なんだけど」
ノブの目線が下に落ちる。
下…狽チ!!
「〜〜っ///!?!?」
「2週間ぶん覚悟しやがれ!」
「しないしたくないさせるなっっ!!!」
「〜♪」
可愛い彼氏。
しかし盛ったときは見る影も無く…
逞しく男らし〜い!彼氏となるのです。
オワレ!
END