「読めない書けないで英語ができるか、ボケぇ!!」
「だからお前に教わってんじゃねーか!」
「でも追試明日だよ?落ちたら1週間部活禁止=インターハイ留守番なんだよ?!」
昨日返却された中間テスト。
信長は英語で見事、赤点&追試をGetした。
名台詞の作り方
「スペル違う!そこはaじゃなくてo!!」
「何でだよ?ジャーナリストならaだろ」
「書くときはjournalistなの」
さっきから中学生レベルの単語に、悪戦苦闘の信長。
「追試なんかメンドくせえ…くそっ」
テスト前日に、徹夜でゲームをしていたやつの言えた台詞ではない。
「何点だったんだっけ?」
「25」
「うっわ、ありえな〜。合格点は?」
「…60」
「付き合いきれないし」
はクラスで3位。
総合点は学年で3位。
信長はさんびゃく…
可哀想なので伏せておこう。
「60点とか無理だし…死ぬ」
教科書10Pという出題範囲。
ふつうにやったら一晩でどうにかなる量じゃない。
信長は休憩のつもりでテーブルに顔を預ける。
寝たい…
―コツン
の投げた何かが、つむじに命中した。
顔を上げた信長が見たのは、テーブルに墜落している紙ヒコーキ。
「早くやれ、自業自得オトコ」
ガサゴソ広げて姿を見せたのは、頭を並べた30行ほどの英単語。
範囲中の、単語の数は100以上…
それを1/3以下にまで絞ったくれた。
「コレ…」
「2年になってから全国デビューなんてあたしが許さん」
訳:何が何でも追試合格してインターハイ出ろ。
「サンキュっ」
「馬鹿な彼氏を持ってあたしってば不幸せ〜」
そんなこと言って、最後はいつもお得意の山当てで、信長を助ける。
信長は鼻歌まじりに上機嫌で、スペルを書き始める。
カリカリカリ…
「それ終わったら文法やるよ」
「おー」
カリカリカリカリ…
「ノブがバスケ部、唯一の赤点所持者なんだよね」
「が勉強見てくんなかったせいだ…」
「だってノブの勉強みると疲れるんだもん」
カリカリカリカリカ――
カチッカチッ
カリカリカリ…
「しっかし同じ25点なら試合の獲得点数だったらイイのに」
「そんくらい次の試合で決めてやる!」
「期待はしてないけどね」
「何だとコラァっ!!」
…中断
「悔しかったら一回戦で得点30点オーバーしてみろっ」
「任せんしゃい!」
再開…
カリカリ…
カリカリカリカリカリ…
カリカリ…カリ‥――
「セン…、せんさちょん???」
何語だソレは。
「センセーションでしょ」
「センセーション?」
「正しくはsensation.」
「せsensation.」
「そ。そんなカンジ」
「意味は?」
「世間をあっと言わす。とか、疾風を巻き起こす。」
「ほほうイーな、それ」
「sensationか…」
どうやら信長は気に入ったもようだ。
「なっ、ルーキーっつって」
「ルーキー?」
「ちがう!英語っぽく!!」
あっそゆことね
ノブらしいっつーか、ノブが考えそうなことだ
「rookie」
「ルーキーセンセーション清田信長全国デビュー!!」
信長は馬宮西のディフェンスを、ものともしないで跳び上がる。
「せいっ!!」
―ガンッ
今日、信長は無事に全国の舞台で活躍できた。
「…」
「何でしょうか。監督」
「清田のアレは何だ?」
「さぁ?あたしは何も知りません」
あたしはあんな見っとも無い英語は、教えていませんから。