のぞみ公園から見た冬のダイアモンド
(冬の銀河には1等星がいっぱい)

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多良見町から見た冬の空 (2月15日午後9時頃)

 冬の寒い日に震えながら外に出てみると、「おぉ、明るい星がいっぱい出ている。なんだか夏の星空よりきれいな気がする。」って思ったことがありませんか。実は星空大好き仲間の間でも、冬場の方が観測や撮影に忙しいという人が結構多いんですよ。
 冬の星空がきれいな理由はふたつあります。ひとつは、1等星の多さです。

 夏の夜空で見ることの出来る1等星と言えば、ベガ、デネブ、アルタイルの夏の三角形がおなじみですね。しかし冬場は上の星図でも、御者座のカペラ、双子座のポルックス、子犬座のプロキオン、牡牛座のアルデバラン、オリオン座のベテルギウスリゲル、大犬座のシリウス個もの1等星が見えています。これにホーマルハルト、カノープスを加えると、個になります。

 もうひとつの理由は、冬は空気中のもやも少なく、晴れれば気流が落ち着いた透明度の良い日が多いということです。また、日暮れが早いため、早い時間に街の明かりが消えることも影響しているかも知れません。

 また、上の図の中央付近に灰色の線が書いてあるでしょう。これは黄道(こうどう) と言って、地球の公転軌道面を内側から見た平面です。ほとんどの惑星はこの黄道面に沿って動いていくように見えます。

オリオン大星雲 【M42】

 ですから時によっては明るい木星や土星がこの等星の群の中に加わってくれます。そんな年はなお一層、冬の夜空がにぎやかに感じられます。

 さて、この冬の星々の結びかたにはいろいろあります。上の図は、カペラポルックスプロキオン、シリウス、リゲルアルデバランの順に六角形を描く冬のダイアモンド」 といいます。その宝石の中心にベテルギウス が輝いているというわけです。

 または 「夏の大三角」 に対抗して、プロキオン、シリウス、ベテルギウスの三個で 冬の大三角形」 という言い方もあります。

 それから今度は,シリウス,プロキオン,ポルックス,カストル,カペラの五つを繋いでみましょう。弓のような半円形ができますね。「春の大円弧」 に対抗して、これは 「冬の大円弧」 ですね。

 外国では 「ビッグG」 が有名です。ダイアモンドの結び方に似ていますが、アメリカでは 「ダイアモンド」 はあまりメジャーではないそうです。

 実際の夜空にこの 「ビッグG」 を結んでみると、本当に巨大な 「G」 の字が出来上がって、ちょっと感動します。

 もうひとつ教えましょう。カペラから,アルデバラン,ベテルギウス,リゲル,シリウスと結び 「W」 の字を描きます。冬(Winter)の頭文字ですね。これは 「ウィンター・ダブリュ」 と呼ばれています。

 さあ、あなたもさっそく外に出て、これらの結び方を確かめてみませんか。それだけでもう、何だか冬の銀河の一等星達とお友達になった気持ちになれますよ。



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