スピード、アフター・スピートのあとに平壌。社会派へ?とちらりと思った私が間違いだった。
勢いありすぎでちと寒い。キムという人間は実在するのか、それともネタか。
またまた高野秀行。
インターネットで見つけた怪魚ウモッカを探しにインドへ、という冒険記、というかなんというか。
やたらと文章を水増ししてるなぁと思っていたら、連載ありきの企画だということが判明。
この人はこういう書き方をしてほしくない、なんて無責任に思ったりして。
図書館で借りたから何の貢献もしてなくて申し訳ない限りだが。
ウモッカとはなにか、ウモッカを探し出せるのか?
それなりに楽しめるが、これだけで1冊にするってのはちょいとムリがある。
『ビルマ・アヘン王国潜入記』(単行本にて紹介)でワ州に潜入したこともある著者が、
ミャンマー(ビルマ)に合法的に入国し、軍情報部監視つきの旅をする。
軍情報部を柳生一族に、アウンサンを家康に、アウンサンスーチーを千姫にたとえ、
おもしろおかしく、わかりやすくミャンマーについて語ってくれる。
椎名誠(なぜかあとがき担当)の旅行記なんぞよりずっといい。
なぜいまさらこの本を、ってところではある。
むかしのバックパッカーはこうだった。安宿にグズグズと巣食り、ドラッグあるいは“オンナ”だけの人々。
みなさん、ろくでなしなりの個性があった。
下川裕治は好きじゃないのになんだか読んじゃう。
興味本位の客を引くうまいタイトルつけるんだよね。それでまた失望するという毎度のパターン。
日本〜トルコへと続くアジアハイウェイ(高速道路ではない)をひたすらバスで移動する。
バス移動の辛さばかり書かれて、ある意味キワモノ旅作家の本領発揮ということになるだろう。
5万4千円は海外でかかった移動費合計であって、国内移動費、ビザ代その他は入っていない、
なんて細かいことはどうでもよくなるような、内容のない本だった。
『ビルマ・アヘン王国潜入記』(単行本にて紹介)を書いた筆者は、それ以前にこんな生活を送っていたわけか。
やっぱりここにも、友達ができない国だって書いてある。
ほんとーにタイ人はゆるい、というか、ゆるすぎるんだね。
先に読んだ2よりもいい。はじめてのインドへの新鮮な驚きが各所に見られる。
20キロの大量荷物、ホテルのきれいなバスルーム、毎日エステ、
すべての行程につくガイドやドライバーなど、あまりに違う旅のタイプにひゃーっと思いながらも、
彼女が女優だからではなく、多くの日本人女性はこうだよね、と再確認した。
1より先に2を読んだ。これは単なる日記だ。
○△に行った。ガイドのなんちゃらさんが「あーだこーだ・・・」と言った。感想。(この繰り返し)
ここからはどこのこと、という区切りがハッキリついていないから、とても理解しにくいし、
写真がほとんどなく、一段落が長く、読みにくい。
なんとなく南インドとはどういうところかわかればいいや、という人にはいいだろう。
H・P・ブラヴァツキー:1831-91年、ロシア生まれの神秘思想者、1875年に神智学協会を創立。
いにしえのインド紀行が新たに訳出された。
神秘主義に終始するのかと思ったが、
19世紀当時のインドの歴史、文化、気候風土、宗教などがありのままに記述され、
数多くのエピソード・議論が展開され、
インドを深く探りたい人にはたまらない内容になっている。
インド遺跡を描いたペン画が旅情を誘う。
結末を知っているだけに、両親との手紙のやりとりに泣けた。
名著なので今さら述べるまでもない。
故近藤氏の奥さん、ナウさんが書いた『アオザイ女房』が絶版で読めない。
くやしい。
サイゴンの日本語学校教師になった著者が送った、飾らないベトナムの日常。
サイゴン人とハノイ人の確執など、
ベトナムに入り込まないと知ることのない出来事が面白い。
日中戦争中、スパイとしてチベットなどに潜入、ラマ僧として修行を続けた著者。
現在とは比べ物にならない厳しい状況下で、ラマ僧として生きぬく意志の強さは想像を絶する。
戦争というものの異常さと、当時の日本人の強さに圧倒される。
古い作品なので図書館などで。
「なぜ、彼らはアジアにはまってしまったのか?」
アジアにはまる日本人になるかならないか、の境界線がすぐ横に引かれていて、
ちょっとしたきっかけでいつの間にかその線の向こう側にいた、そんな人たちのお話。
自分はどうだ。
化粧もすれば仕事もする、身体が強いわけでもなく夫子もいる、
つまりたいへんノーマルな女性がアジアを旅すると、こういうスタンスで物事を見るんだろうなぁ。
たしかにシンプルで、どことなくお上品で、読みやすく、毒はなし。
タイ人ってその場限りのいい加減人種なんだ、ということがよーく分かる本。
何度行っても友達が出来ない国なんだよね。
中国で生まれた組織、幇の一員だった日本人の手記に基づいている。
ベトナム戦争とは、アジアとは、日本人とは?
現代にはとんとなくなった「義」を思い出させてくれる。
ダライ・ラマの朴訥実直な言葉にハッとさせられる。
宗教者からの真実の提示は期待と予想を裏切りながら、心をポカリと開けてくれる。
旅の超初心者向け内容でありながら、著者がとっても知ったかぶり、プラス、エロジジイ。
しかもモテナそうなエロジジイでちょい不快。変にマニアってないところは○。
おみやげマニュアル入門編といったところかな。
上記本と同時に出版された。
内容もかぶってて、1冊で済むものをむりやり2冊にして、印税稼ごうって魂胆なのか。
観光名所案内にありきたりな危険情報くっつけたって感じ。
ヒジュラたちとの出会いをそのまま綴ったもの。
ヒジュラと語る、ヒジュラと時間を共にする、それは大変貴重な体験だとして、
読者としてはヒジュラの生活の表面的な部分や会話の記録ではなく、
もっともっとダーティな部分、触れてはいけない部分、インドの深淵なヒダを剥いでみて欲しかった。
ってゆーのは欲張りかな。ムリだよな。
カーストという呪縛。呪縛というよりインドそのもの。
不可触民だからレイプも拷問も殺人も可だというインドの素顔。
プーラン他、何年か前からこういった本がやっと出まわるようになって、
でもインドからカーストが無くなることはありえないし、堂々巡りをあらためて感じさせてくれる。
もう少し深いところまでつっこんで欲しかった。
もののけというよりおばけに関する入門書といったところ。
単行本『バンコクの容姿』に加筆されたもの。ヲタクだわぁ。
タイを愛してないけどこれを書いてるってあたりが、素直に楽しめる要因なんだろう。
一章加わって文庫になった。
インドを語るのにオーバーな言葉は必要ない。
インドにまた行きたくなった。
淡々としているのにどうしてこんなに旅情をかきたてられるんだろう。
やっぱり前川先生はすごい。カバン持ちさせてほしい。
『インド花綴り』西岡氏の最新刊。
インドの大学で学んだ氏だからこそ可能な、素朴なインド庶民との出会いと交友が描かれている。
花樹にまつわる物語とスケッチも中綴されていて、久々に内容充実、心洗われるアジア本が登場した。
アジアの不思議の寄せ集め。
不思議というほどのものかどうかはともかく、数時間の暇つぶしにはなる。
アジアの料理を素人たちが現地で作る。
企画は面白いけど、文章があまりに稚拙ではずかしい(これでコピーライターとは!)。
めっちゃバカな日本人たちのおはなし。
旅に出るとこんなヤツラが観察できるから面白いんだよね。
ショートストーリー集で脈絡がなにもない。
旅に持ってって古本屋に出すタイプ。
子連れでバンコクに住みたい人へ。
エピソード部分は面白い。
元新聞社勤務だったからなのか、もともとそういう人なのか、評論に終始している。ツラい。
文庫になったから持ち歩けるぞ。
ドラッグ本としてというより、旅本として多くの人にすすめたい。
まえださんの店「大麻堂」が東京にもあるたぁ知らなんだ。
今さらガイドブックにすら載らないような、ありきたりの情報ばかり。
さすがに筑摩。シブい趣味してる。
非常にまっとうな内容で、文体も古風だから、活字に馴れていない人は読みにくいだろう。
内容は実に深い。
タイトルと著者名から、もっと過激な内容を期待していたのに拍子ぬけ。
いつか買おうと思っていたら文庫になった。よかった。
彼のようにポジティブな人と一緒に旅したら、さぞかし有意義だろうなぁ。
相変わらずダマされ続けるお人好し。
旅日記スタイルはそろそろあきた。ここらでひとつ写真集でも出したらどうだろう。
やっと文庫になったか。一緒に旅はしたくないけど、本は買いまっせ。
旅本書きの中ではめずらしく、文章がうまい人なのだ。
前川しぇんせいが若かりしころのアジア旅回顧録。
淡々と一歩退いた視点はあいかわらずで、安心して読んでいられる。
旅費キリツメキチガイを常日頃から不快に思ってる人は、ぜひ。
前三部作よりはアジア本らしくなったけど、やっぱりこの人って、いろいろと“考えちゃう”人なのね。
いい加減、新ネタ披露してよ。
東南アジアに荷担しすぎるフシがあって、読むほうの肩にも力はいっちゃう。
言いたいことは分かるけど、国際政治が語りたいんなら、
そういうメディアで述べてくんな、と。
最初ダマされっぱなしだったから、こいつは?!と思ってたけれど、
旅が進むにつれて、お人好しが良い方向にすすんでGOOD。
等身大旅本ってスキ。モテモテ著者にいちど会ってみたい。
観点はいいのに、深さがなぁ。
フィリピン・韓国・台湾、いずれも興味なしだから、いまひとつ。
この人、さすがカメラマンだけあって、文章が・・・。
さすが鉄道ヲタクの宮脇しぇんしぇい、というところもあるけれど、
すべての日程がガイド任せの大名旅には共感もてず。
中国の長距離列車に乗ったことのある人なら、懐かしさを覚えるとともに、フツフツと怒りが・・・。
ゲーノージン本にしては、しっかりとした文章で、きちんと読み物に仕上がってる。
すべてがテレビロケがらみだから追体験はできないけれど、ヒマつぶしにはいいんじゃないかな。
途中から登場する「やっちゃん」と著者とのカンケーが、気になって気になってしかたない。
やっぱりシーサンパンナ行きたいぞっ!!
著者はジャーナリストだそうだが、それにしては、この「てにをは」はナニゴト?
これから貧乏旅を、という人にはいいかも。
屋台本というより、広く浅く情報本。