うちなーぐち、について ◆沖縄にいると、あれ? へ?と首をかしげてしまう、意味不明の言葉に出会うことがあるはずです。 これは琉球王国のころから使われてきた「うちなーぐち」と呼ばれるものです。 これは方言というよりも、現在の日本語とはまったく異なる言語といってもいいものです。 ただし最近は、本土復帰やテレビの普及によって、正しきうちなーぐちが話せる人が少なくなってしまいました。 特に那覇などの都心部では、核家族化が進んでいるので、うちなーぐちが丸きり分からない人も多くなってきているようです。 ◆ 代表的なうちなーぐちには「はいさい」があります。これの女性形は「はいたい」 で、どちらも「こんにちは」という意味です。 「はいさい、ちゅーがなびら」は、「こんにちは、ごきげんいかがですか?」という意味になります。 このほか、「うさがみそーれー」(召し上がれ)、 「くわっちーさびら」(いただきます)、 「くわっちーさびたん」(ごちそうさま)、 などが、よく耳にするうちなーぐちでしょうか? ◆うちなーぐちのマスターはとても難しいので、ここではこれぐらいにして、もっと身近な、沖縄独特のいいまわし(「うちなーやまとぅぐち」)について、ちょっと述べてみましょう(ちなみに「うちなー」という言葉は「おきなわ」がうちなー流に変化したものです)。 沖縄独特のいいまわし「うちなーやまとぅぐち」について ◆近代の沖縄は、日本とアメリカに翻弄されました。 戦後はうちなーぐちを話すと首に札がかけられる、といった見せしめ的な学校教育までなされたようです。 しかしそれだけ強制的な日本語教育がなされても、海と歴史による本土との隔たりからか、沖縄独特の日本語的いいまわしが浸透していきました。 ◆「●●しましょーねー」 第三者に対しての、謙譲の気持ちを表わしています。 喫茶店で「お水、入れましょーねー」といわれたら、「お水を入れてさしあげましょうね」の意味だと思ってください。 また、会社などで「お先、なりましょーねー」といわれたら、「お先に帰らせていただきます」という意志表示です。 ◆「だからよー」「だからねー」 これほどまでに、利用頻度と利用価値の高い言葉はありません。 「そーなのよー」とか「そーだけどさー」などといった感じでしょうか。感情移入した同意、を表わしています。 「今日はあっついさぁ」「だからよー」 「あの人って、ちょっとイヤじゃない?」「だからねー」 というような使われ方をします。 ◆ 「来る●●」「去った●●」 「来る」は「来たる」、「去った」は「去る」の意味です。 「来る日曜日、ヒマ?」は「今度の日曜日、ヒマ?」です。 ◆「パーリー」「ティー」「スープ」など アメリカ統治時代の影響から、英語が日常生活に入り込んでいます。 みそ汁のことをスープといったり、喫茶店で「ティーください」といったりしているのを聞いたときには、ちょこっとビックラしてしまいました。 長い夏にはビーチパーリーを楽しみます。 ◆「えー」 「おい」とか「ねえ」という意味です。 街中で「えー」と言ってみてください。周りの人がみんな振り向くはずです。 「えーーー」とやや伸ばし気味に言うと、「おいおい、そりゃねーぜ・・・」といったニュアンスにもなります。 ◆「にーにー」「ねーねー」「おじい」「おばあ」 「にーにー」はおにーちゃん、「ねーねー」はおねーちゃん、 「おじい」はおじーちゃん、「おばあ」はおばーちゃん、です。 「えー、そこのにーにー」という第三者的な使われ方と、「うちのおじいがさ」という親族的な使われ方のほかに、たいへん親しい間柄になると「友子ねーねー」といった呼び方がなされます。 ◆ 「でーじ」 良く聞く言葉ではないでしょうか。 「とっても」という意味です。 「でーじ、コワい」は「とってもコワい」です。 近ごろ、高校生などがこれに変化を加えて、「でーみ」といっていたりします。 ◆ 「●●ぐゎーしー」 「●●っぽく」といった意味です。 「しらんぐゎーしー、してからにぃ」は「しらんぷり、しちゃってさぁ」ってな感じです。 女の子は「かわいいぐゎーしー」などと言われないように、気をつけましょう。 ◆ 「あい!」 「あら!」とか「おおっ!」といったお叫びです。 お年寄りは「あい!」の次に「だー」を続かせることが多いです。 ◆ 「あきさびよー!」「あぎじゃびよー!」 これも「うっへぇー!」などといった意味の、お叫び言葉です。 お年寄りはこの後に「なーなー」をつけたりします。 ◆「あがっ!」「あがー」 「痛いっ!」「いてっ」ってことです。 いっくらナイチャー(内地の人)ぐゎーしーしていても、これがとっさに出てしまうのがウチナンチュです。 ◆ 「てーげー」 「いいかげん」という意味です。 ◆ 「なんくるないさぁ」 「なんてことないさぁ」です。あまり聞いたことありませんけど。 「てーげー」と「なんくる精神」こそ、ウチナンチュの本質だと言われています。 ◆ 「ぬーが?」 「なにが?」 ◆ 「●●ばぁ」 横浜の「じゃん」と同種の、無意味な語尾です。 「言ったばぁ」は「言ったじゃないかよぉ」といった感じでしょうか。 那覇あたりの男の子がよく使っています。 ◆ 「わじわじー」 「イライラぁ」ということです。 ◆「ちゃーすが」「ちゃーすがや」 「どうするの?」「どうしようか?」。 「えー、このHP、下らないけど、ちゃーすが」「・・・」 ◆「あらん」 「ちがう」。 元々うちなーぐちには尊敬語と謙譲語があり、一歳でも年上の人には、必ず尊敬語を使っていました。 「あらん」や「ぬーが」などは、目上の人に使うと失礼になったりもしますので、十分に注意しましょう。 ◆「かりゆし」「かりー」 最後はおめでたい言葉でしめくくりましょう。 「おめでたい」「おめでたいこと」「すばらしい」などを表わす、良いことづくめの言葉です (たまに「やまとぅぐち」ではない純粋うちなーぐちが混じってますね・・・)。 民謡の歌詞や店名などにも、よく使われます。 ◆うーん、もっともっとたくさん書きたいのですが、きりがないので、このへんで終わりにしておきましょう。 最後まで読んでくださって、 (ありがとうございました) |