うちなーの日常会話、おしえましょーねー





うちなーぐち、について

沖縄にいると、あれ? へ?と首をかしげてしまう、意味不明の言葉に出会うことがあるはずです。
これは琉球王国のころから使われてきた「うちなーぐち」と呼ばれるものです。
これは方言というよりも、現在の日本語とはまったく異なる言語といってもいいものです。
ただし最近は、本土復帰やテレビの普及によって、正しきうちなーぐちが話せる人が少なくなってしまいました。
特に那覇などの都心部では、核家族化が進んでいるので、うちなーぐちが丸きり分からない人も多くなってきているようです。

代表的なうちなーぐちには「はいさい」があります。これの女性形は「はいたい」 で、どちらも「こんにちは」という意味です。
「はいさい、ちゅーがなびら」は、「こんにちは、ごきげんいかがですか?」という意味になります。
このほか、「うさがみそーれー」(召し上がれ)、
「くわっちーさびら」(いただきます)、
「くわっちーさびたん」(ごちそうさま)、
などが、よく耳にするうちなーぐちでしょうか?

うちなーぐちのマスターはとても難しいので、ここではこれぐらいにして、もっと身近な、沖縄独特のいいまわし(「うちなーやまとぅぐち」)について、ちょっと述べてみましょう(ちなみに「うちなー」という言葉は「おきなわ」がうちなー流に変化したものです)。




沖縄独特のいいまわし「うちなーやまとぅぐち」について

近代の沖縄は、日本とアメリカに翻弄されました。
戦後はうちなーぐちを話すと首に札がかけられる、といった見せしめ的な学校教育までなされたようです。
しかしそれだけ強制的な日本語教育がなされても、海と歴史による本土との隔たりからか、沖縄独特の日本語的いいまわしが浸透していきました。

「●●しましょーねー」
第三者に対しての、謙譲の気持ちを表わしています。
喫茶店で「お水、入れましょーねー」といわれたら、「お水を入れてさしあげましょうね」の意味だと思ってください。
また、会社などで「お先、なりましょーねー」といわれたら、「お先に帰らせていただきます」という意志表示です。

「だからよー」「だからねー」
これほどまでに、利用頻度と利用価値の高い言葉はありません。
「そーなのよー」とか「そーだけどさー」などといった感じでしょうか。感情移入した同意、を表わしています。
「今日はあっついさぁ」「だからよー」
「あの人って、ちょっとイヤじゃない?」「だからねー」
というような使われ方をします。

「来る●●」「去った●●」
「来る」は「来たる」、「去った」は「去る」の意味です。
「来る日曜日、ヒマ?」は「今度の日曜日、ヒマ?」です。

「パーリー」「ティー」「スープ」など
アメリカ統治時代の影響から、英語が日常生活に入り込んでいます。
みそ汁のことをスープといったり、喫茶店で「ティーください」といったりしているのを聞いたときには、ちょこっとビックラしてしまいました。
長い夏にはビーチパーリーを楽しみます。

「えー」
「おい」とか「ねえ」という意味です。
街中で「えー」と言ってみてください。周りの人がみんな振り向くはずです。
「えーーー」とやや伸ばし気味に言うと、「おいおい、そりゃねーぜ・・・」といったニュアンスにもなります。

「にーにー」「ねーねー」「おじい」「おばあ」
「にーにー」はおにーちゃん、「ねーねー」はおねーちゃん、
「おじい」はおじーちゃん、「おばあ」はおばーちゃん、です。
「えー、そこのにーにー」という第三者的な使われ方と、「うちのおじいがさ」という親族的な使われ方のほかに、たいへん親しい間柄になると「友子ねーねー」といった呼び方がなされます。

「でーじ」
良く聞く言葉ではないでしょうか。
「とっても」という意味です。
「でーじ、コワい」は「とってもコワい」です。
近ごろ、高校生などがこれに変化を加えて、「でーみ」といっていたりします。

「●●ぐゎーしー」
「●●っぽく」といった意味です。
「しらんぐゎーしー、してからにぃ」は「しらんぷり、しちゃってさぁ」ってな感じです。
女の子は「かわいいぐゎーしー」などと言われないように、気をつけましょう。

「あい!」
「あら!」とか「おおっ!」といったお叫びです。
お年寄りは「あい!」の次に「だー」を続かせることが多いです。

「あきさびよー!」「あぎじゃびよー!」
これも「うっへぇー!」などといった意味の、お叫び言葉です。
お年寄りはこの後に「なーなー」をつけたりします。

「あがっ!」「あがー」
「痛いっ!」「いてっ」ってことです。
いっくらナイチャー(内地の人)ぐゎーしーしていても、これがとっさに出てしまうのがウチナンチュです。

「てーげー」
「いいかげん」という意味です。

「なんくるないさぁ」
「なんてことないさぁ」です。あまり聞いたことありませんけど。
「てーげー」と「なんくる精神」こそ、ウチナンチュの本質だと言われています。

「ぬーが?」
「なにが?」

「●●ばぁ」
横浜の「じゃん」と同種の、無意味な語尾です。
「言ったばぁ」は「言ったじゃないかよぉ」といった感じでしょうか。
那覇あたりの男の子がよく使っています。

「わじわじー」
「イライラぁ」ということです。

「ちゃーすが」「ちゃーすがや」
「どうするの?」「どうしようか?」。
「えー、このHP、下らないけど、ちゃーすが」「・・・」

「あらん」
「ちがう」。
元々うちなーぐちには尊敬語と謙譲語があり、一歳でも年上の人には、必ず尊敬語を使っていました。
「あらん」や「ぬーが」などは、目上の人に使うと失礼になったりもしますので、十分に注意しましょう。

「かりゆし」「かりー」
最後はおめでたい言葉でしめくくりましょう。
「おめでたい」「おめでたいこと」「すばらしい」などを表わす、良いことづくめの言葉です (たまに「やまとぅぐち」ではない純粋うちなーぐちが混じってますね・・・)。
民謡の歌詞や店名などにも、よく使われます。

うーん、もっともっとたくさん書きたいのですが、きりがないので、このへんで終わりにしておきましょう。
最後まで読んでくださって、


(ありがとうございました)


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