島ナイチャーになりたい人へ


島ナイチャーとは、沖縄に住みついているナイチャー(内地の人間)という意味の造語だ。島の人よりむしろ内地の人間が使う言葉で、わたしは様々な理由から(説明省略)この言葉が好きじゃない。でもまあ便利な言葉なので、あえて使うことにしよう。

島ナイチャー人口は確実に伸びている。ダイビングインストラクター、ホテルウーマン、飲み屋のマスター、ミュージシャン、転勤族、大学生など、職種も出身地も様々だ。
彼・彼女らは転勤族を除いて自分の意志で沖縄に移り住む。青い海、音楽、人情などを求めて。夢は限りなく美しい。

それなのに沖縄生活が1年、2年とたってくると、彼らは文句ばかり言うようになる。「ウチナンチュは私たちに心を開いてくれない」「沖縄には美味しいものが一つも無い」「仕事にならない」「つまらない」等々。
当たり前だ。表面的にはやさしいウチナンチュだけれど、本当は非常に閉鎖的な人たちなのだ。沖縄は歴史的にも地理的にも、わたしたちが育った土地とは決定的に違うのだ。

例えば家にセールスのおばちゃんが来る。ドアを開けて一言・二言しゃべったとたん「あれ、あんた内地の人ねぇ?」とくる。「標準語が上手いから、絶対そーだと思ったさぁ」って。スーパーに買い物に行くと「あんた内地の人だねぇ」と言われる。飲み屋に行って「木村です」と名乗っただけで、その場の空気が一瞬凍る。一事が万事こんな調子だから、こちらの心がなかなか休まらない。

周囲のウチナンチュの心の中に「この人は内地の人間だから、わたしたちとは違うんだ」という排他的な気持ちがある限り、そこに溶け込むことは難しい。ましてや真の友情を育むことは至難の技だ。

沖縄に暮らしたいのなら、沖縄の人たちと仲良くなりたいのなら、彼らの歴史や風俗・習慣を学ぼう。それと、自分からどんどん心を開こう。あちらがどんなに高い垣根を作ってきても、根はいい人たちだから、長く付き合っていくうちに良い関係が築けてくるだろう。

それでもウチナンチュは、沖縄で一度も暮らしたことのない沖縄からの移民の子孫たちを、沖縄に何十年も暮らしている島ナイチャーよりも大切に思っている。これはいたしかたないことなのだ。

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