オブレート便り


ご復活特別号
'05.3.27発行分
院長ご挨拶                                                                                                                         


  主のご復活
      おめでとうございます。

久しぶりに、アレルヤ唱を口に出来る喜びを味わっておりますが、オブレートの皆様お元気ですか?

今年のご復活祭は昨年より二週間早いので、例年より雪解けもさぞかし早いと楽しみにしていただけに、記録的な積雪に驚き、除雪も難航し北国の厳しさを実感しました。

落雪の状態は、屋根の勾配と風向きによっても様々ですが、降雪量が平年の約1.4倍という北海道の記録には、いつもの勘は見事に外れ、冬の風物詩と思っていた氷柱と、一階の窓を超える落雪が、実際以上に重く深く感じました。そんな時、本州からいらしたお客様から、「雪かき中のシスターには悪いけれど、きれいな雪!背丈を越す積雪!珍しい氷柱!きれい!嬉しい!北海道に来たというこの実感!幸せ!」と連発され、考えさせられました。雪が好きで、北国育ちを感謝していた頃の自分はどこにいってしまったのかと思った程でした。

 以前、アニメのポリアンヌという少女から、毎日がどんなに重く暗く見えることがあっても、どこかに必ず良かったと思えることがあるから、「良かった探し」をしようと教えられました。思い通りにならないことを呟くより「良かった探し」を実践することでまわりも明るくなると言うことでした。
 ご復活祭を迎えた今、世間の常識や価値観に振り回されている私達を見捨てることなく、いつもいつも、どんな人の中にも「良かった探し」をして下さるイエス様に、改めて感謝
し付き従って行きたいと思います。

 「急いで降りて来なさい。今日はぜひ、あなたの家に泊まりたい」と言われてザアカイを仲間にされたイエス様。「子供達を私のところに来させなさい」と言われて祝福されたイエス様。「私にはこの囲いに入っていない他の羊をも導かなければならない」と手を広げられたイエス様。「父よ、彼らをおゆるし下さい。自分が何をしているのか知らないのです。」と祈られたイエス様。復活後「あなた方に平和があるように」と言われて、弟子達をゆるし祝福されたイエス様。この復活節、「良かった探し」の筆頭者であるイエス様につながって、アレルヤの精神で共に過ごして参りましょう。

 オブレート会員の皆様とご家族の皆様の上に、復活された主の平和と
喜びが日々豊かに与えられますように心よりお祈り申し上げております。

                 
院長 シスターテレジア斉藤



        

水の結晶





      内観黙想指導の為、来院なさった
    藤原直達神父様
(大阪教区)
のお説教
    から、
一部ご紹介させて頂きます。
 

   「水の結晶」と言う写真集があります。
  それは、色々な水を結晶にした写真集です。
  北海道の雪、大阪の雪、エベレストの雪、
  など結晶がみな違っています。淀川の水、
  摩周湖の水、四
万十川の水などの結晶を見
  ますと、淀川の水は、のた打ち回っている
  ような形の結晶で、摩周湖の水はきれいな
  結晶でした。
   
   科学者でもある写真家の著者は、今度は
  水に、モーツアルトの曲と、ロックを聞か
  せてみました。そうすると、結晶は全然違
  っています。又「お前はダメだ」等の否定的
  な言葉と、「愛しているよ」「ありがとう」等
  暖かな言葉を掛けた水の結晶では、後の方
  がずっと美しい結晶が出来ました。

   さて、人間の体内の80%は、水で出来て
  いるそうです。そうすると私達には、言葉
  が大事になってきます。やさしい言葉を、
  自分自身に向って掛けてみましょう。「愛し
  ているよ」「ありがとう」と肯定的な言葉を、
  自分に対して絶えず掛けてあげて下さい。
  そうすれば体内の80%の水が、きれいな水
  に変わってきて、人格の変容が起こるので
  はないでしょうか。

   神様は、呪いの言葉を掛けに来たのでは
  なく、神の子として、愛されている尊い価
  値のある子である事を、伝えに来て下さっ
  たのです。



良書紹介

使徒的書簡
 「主よ、一緒にお泊りください」
    ヨハネ・パウロ二世教皇 著
  カトリック中央協議会 630円 
「だいじょうぶだよ」
     
晴佐久 昌英 著
 
女子パウロ会   1,050円
   
 
   

・『10人のなる人々』

   
島村菜津他3名 著
      学習研究社 1,890円



聖人に倣う 

  「聖グレゴリオ一世教皇教会博士」

  歴史は人をつくるものといわれるが、古代から中世へと教会史の方向を大きく転換させたひとりに聖大グレゴリオ一世教皇の名を上げることができる。またまれに見る政治的手腕と学徳とをもって聖会の組織をかため、その発展と文化に多大の影響を及ぼし、アングロ・サクソン人およびゲルマン諸民族のキリスト教化に尽くした功績は、今もなお世界史にさん然たる光輝を放っている。
 グレゴリオは、540年ローマの裕福な貴族の家に生まれた。一家そろってきわめて信心深く、母シリヴィアは列聖され、父は   政府の要職を退いて、名もない聖職者となったほどである。このような恵まれた家庭環境の中で、グレゴリオは修辞学、法学、哲学などを修め、教父たちの著書に親しむいっぽう、時事問題にも非常な関心をもった。

  三十歳のとき、東ローマ皇帝ユスチノの信任をえてローマの市長に就任した。そのころ父が死亡したので、グレゴリオは莫大な遺産を受け継ぎ、それを惜しげもなく貧者に施し、シチリア島に修道院を六つも建て、最後にはローマの自宅を改築してベネディクト会修道院とし、自分もここに入って修道者となった。院内では「聖ベネディクトの戒律」を守り、祈りや修得に励み、院外では貧者や病者の世話に身をゆだねた。
  579年、ベラジオ二世教皇はグレゴリオの学徳を高く買い、彼を教皇使節として東ローマ帝国の首都コンスタンチノープルの宮廷につかわした。グレゴリオはそこで大役を果たすこと六年、再びローマの修道院に帰り、会員の信望を一身に集めて修道院長に選ばれた。
  590年、ベラジオ二世が世を去ると、その空席はグレゴリオに白羽の矢が立った。ところが謙遜な彼は、いち早く人々のうわさを避け、教皇位を他の適任者に譲ろうと山奥に隠れた。数日後、人々に発見されたので、グレゴリオも神の思し召しと悟り、こころよく教皇位についた。教皇は生涯、胃病に苦しんだが、日ごろ修道院で鍛え上げた精神力によって在位十四年の間「大教皇」の名にふさわしく、教会の内外に対して絶大な指導力を発揮した。対外的には東ローマ帝国の衰微と平行してイタリア、シチリア、ガリア(今のフランス)における教皇領、いわゆる「聖ペトロの世襲領」を確保し、教皇権の政治的地位を築いた。

 時に、ゲルマン系のランゴバルド族は北イタリアを占領した勢いに乗じ、なだれをうってローマに進攻した。グレゴリオ教皇はラテラノ宮より防衛軍を指揮して、良く敵の攻撃を防いだが、結局多額の金を納めるという条件のもとに講和を結び、敵の暴虐からイタリアを救った。そして教皇は、ランゴバルト人をキリスト教化するため、彼ら独自の文化を尊重し、その伝統的儀式、慣習などにキリスト教的精神を浸透させようと努めた。
 教皇は、ローマの奴隷市場で見た奴隷少年がアングルス人(英国人)であると聞いて、アンゼルス(天使)を連想し、同族への布教を思い立ち、五九六年、ベネディクト会の聖アウグスチノ以下四十名の宣教師を英国に派遣した。また当時、各国に広まったドナト、アリオ、オイケチなどの異端説から聖会を守り、信仰を高めるため、諸教会あての手紙を八百以上もしたためた。対外的には典礼運動、ことに教会音楽(グレゴリオ聖歌)を盛んにしたり、アウグスチノの神学を平易に解説したりして信者の教養を高めた。
 このような多忙の身にありながら、たえず貧者、避難民の保 護に心を用い、「私に任せられたことは、自己の財産の管理では なく、富者の所得を貧者に分配することである」と言って彼らに 多額の金や食物を施した。このほかコンスタンチノープルの司 教が帝国の首都にいることをたてに、「全キリスト教会の総大司 教」を自負して権力争いに明け暮れたのに反し、グレゴリオ教皇 は「神のしもべ中のしもべ」と自称して、その権力も、常に神の 栄光と人々の救霊のためにもちい、ついに604年に64歳でこの世を去った。
          (池田敏雄著「聖人たちの生涯」より



     修道院の慶事
     3月12日(土)、当院の姉妹シスターヘルマンナ小林
   と、シスターセシリア藤井が、誓願25周年の銀祝を迎
   えました。
     
    
当日、メリノール宣教会のライヤ・フランシス神父様
   (管区長で苫小牧・新富町教会主任
)をお迎えして、ミサ
   聖祭を行い、これまでのお導きと、数多くのお恵みに感
   謝致しました。
神父様はお説教の中で、「互いに愛し合
   いなさい(ヨハネ15章)。キリストの愛だけが奉献生活
   の要です。」と強調され、それぞれが心を改にし、新し
   い奉献生活の再スタートを切りました。





    お祈り下さい

今、オブレート会員やご家族の方々の中に入院されている方がいらっしゃいます。難しい診断が下され、ご本人もご家族も共に苦しんでいる方がいらっしゃいます。どうぞ、その方々のためにお祈り下さいませ。  
  一日も早く健康が回復されますよう、聖母マリア様のお取次ぎをお祈り下さいませ。
   

編集後記

気象観測衛星「ひまわり号」が、やっと軌道に乗りました。「ひまわり号」を軌道に乗せて下さった主のみ手が、災害を未然に防ぐ科学技術の進歩と、 医療にも伸べてくださいますように。 係り