初めてレースに出る



すっかり調子を取り戻したので、毎日が楽しくなりました。
一体、今までの苦労は何だったのでしょう?お年寄りも言いますが、
「病は気から。」だと思います。



少し欲が出て、いっぱしにも、、

「もう少し、大きな世界も見てみたい(爆)」

などと思ったものです。

話が変わりますが、まだ新入社員だった私に、上司の命令で、運転初心者を対象にした、
路上での自動車の安全運転講習を受ける事になりました。教習所の路上と同じメニュー
で1時間。今更、何なのよ、と全員が思ってました。
すると、安協の講師が気の毒がって、こう言ったのです。

講師     「今度、白バイ隊の練習場でお祭りみたいな事やるから、良かったら来て。」

俺様 「何だ、ドラコンか、つまらん。」

そう思ったら、

講師     「競技はジムカーナ形式。終わったら、カート乗せて上げるから。バーベキュー
        と飲み物は食べ放題、飲み放題だよ。優勝商品は秘密だけど、去年は、
    テレビと自転車だったよ。会費は2000円。
        もし良かったら来てね。」

むむ、これはいい話かも?早速、募集要項を取り寄せます。


出場資格は、「男性は30歳未満の運転初心者」クルマは「普通車両(任意保険加入車)」。
どこにも、「ギンギンにチューンしたセブンで出てはならない」、とは書かれてません。

俺様 「これは行かないといけないでしょう!」

さっそく上司に相談します。すると、「費用は経費で出してあげるから」と、有難いお言葉。
直感的に優勝を確信したので、早速、スタボンにワタナベのマグホイール(特注)、ネオバを
注文。さらにガルフォースワンのパッド、クワイフのLSDまで取り寄せました。

そして当日。天童の乱川沿いのある、白バイの特訓場にやって来ました。
すると、エントリーする方のクルマは営業車とワゴンだけ。わずかにAE86とCR−X
が来てますが、聞くとLSDは未装着。

俺様 「しめた!!」



出走前に、さらにジェット交換。未成年相手に大人気無いです(笑)。

と思いました(相当大人気無いです)。タイムトライアルは二回。公安関係者の前で
サイドマフラー(マルカツのはほとんど直管です)で全開は気が引けましたが、

警察 「もっとバンバン踏め!!」

という檄が入ります。実は山形県は、かつてジムカーナが盛んで、昔の関係者が
一杯いるのです。では、お言葉に甘えて、2回目は全開です。



「そんなに踏め踏めと言うなら、もう知らないよ!」 ブリッピングを繰り返す。


「このっ!」 S字クランクで、ケツが流れるのを必死にカバーする。

結果は当然優勝。商品は、キャンプ用品一式。テント、テーブルチェスト、
バーベキューコンロに食器まで付いてました。豪華です。公安は金持ちです。


本部長から優勝賞品を受け取ります。後ろではオネエチャン達が、
「フザケンじゃないわよ!!」と、ブーたれてます(笑)。私のゼッケンは
「2番」ですが、1番の方が直前に棄権したので、私が真っ先に出走
しました。みんなセブンの走りに度肝を抜かれ、他の出走車のタイムに
影響を及ぼし、本部も「今後に支障をきたす」と青くなったのでしょう。
結果、私が30歳になるまで、最低でもあと6年は出場出来たはずが、
私は次年度以降の出場資格を剥奪されてしまいました(笑)。


競技が終わり、川原でバーベキューです。お腹も満腹になったころ、山形県
余目市の「ソレイユ」カート場から搬送したカートが2台下ろされました。
早速乗ってみます。おお!なかなか面白いぞ!エンジン遅いけど(笑)。


何と、みんな、ノーヘルで乗りまわしたのです。公安は太っ腹です。
これはFK9Rレーシングカート。カート場で試乗に使うやつです。


そして、ぎりぎりアウトを狙って、全開で走ってると、縁石があるのを
すっかり忘れてて、スピン。1台お釈迦にしてしまいました。


この1分後に大破。顔に小石が当たって痛いです(笑)。

しかし、関係者はゲラゲラ笑うばかり。公安は、やっぱり太っ腹です。



しだいに終わりに近づいた時、大変な事に気づきました。セブンに
優勝商品が積めないのです。
これは困りました。容量は軽トラック1台分位あります。どうしましょう?
主催者は、

公安 「後で県警に取りに来ればいいよ(笑)。」

なんて言ってますが、まさか、
後で取りに行ったら、即検挙!
なんてことは、ないよねえ?タイムも計測してるし。太っ腹過ぎて、アヤシイです。

なんだか身の危険を感じたので、その時は、たまたま知り合った、某病院
のオネエちゃんの職場に預けて、後日、そのコの職場に取りに行きました。
何だか、イイ感じになってたのですが、機転が利かず、それっきりです。
今思えば、競技の後、どっかへ誘ったらすぐ落とせたのに(爆)

「速い奴は、速い瞬間からモテ出す」

という事に、なんとなく気づいたのでした。
結局、キャンプセットは、ナンパ師で有名だった先輩に1万で譲りました。
彼はその後、なんかイイ事に活用したみたいでした(感謝されました)。