略称:「デイリークラシカルミュージック」
(さらに短い略称:「デイリー」)
演奏会の(Concert)・音楽評論家による(by Music Critic)・聴衆のための(for Audience)
TITLE
批評
私にとって極めて不思議な体験となった 小林道夫指揮 東京芸術大学バッハカンタータクラブ30周年記念演奏会「バッハ:ロ短調ミサ」。何が不思議だったかと言うと
振り返ると、
などは、トップクラスの在京オケ並みだったのだが、そんなことも忘れさせてしまう「静かなバッハの鼓動」を聴かせてくれた。 小林道夫 の 素晴らしさに改めて、聴き入った演奏会である。 東京芸術劇場を約90%埋めた聴衆の 真摯な聴き入り + 終演後の熱い拍手 も このクラブの「伝統」を充分に感じさせたことを附記しておきたい。
「バッハの世界」は極めて広大であり、私などは
は ほんのごく1部しか知らない。いや、自分自身では「好み」と思っている器楽曲(除くオルガン曲)の世界ですら、作品目録を読むと 知っている世界は まだまだ無限のように感じる。
ロ短調ミサは 当日の演奏会プログラムにもあったように バッハの作品としては、極めて異例な作品の1つであり、解釈の余地が相当に大きい作品。 もちろん、
ことは 多くの皆様がご存知の通り。しかし
小林道夫 は「自然体のバッハ」だけを追い求めた演奏
で 一貫する。例えば
2時間以上の時間がアッと言う間に過ぎた演奏会。 終演後の静かな余韻。「ブラヴォー」は全く無くとも熱い拍手は「宗教曲」ゆえである。 「30周年」の伝統は 『様式の統一』にはっきりと打ち出された演奏会。 声楽ソリストにも突出した名手はいなくとも、それは ソリスト陣が「小林道夫様式に溶け込んだ」からである。 この演奏会を聴けて私は幸せである。
CAST
PROGRAM
2000.09.04 23:30 Daily Classical Music Critique in Tokyo
高本秀行
last revised September 1 2000
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