ウィークエンドアサヒ2006年11月10日

バロック音楽に魅せられて

 長野市出身のヴァィオリニスト桐山建志さんは、2003年からチェンバロ奏者の大塚直哉さんと共に、バッハの「ヴァィオリンとチェンバロのためのソナタ」全曲を網羅するCD制作に取り組んできました。

 この10月に完結編となる第5集2枚組をリリース。12月9日に、記念演奏会を長野県県民文化会館中ホールで行います。

 桐山さんは2歳と10ヶ月の頃ヴァイオリンを選び、スズキメソードに学びました。「両親は音楽教師でしたが『これがいい』と自分で楽器を選んだ記憶があります。そのせいか、やらされているという気持ちになったことはないですね」

 実は桐山さん、高校時代の得意科目は物理。周囲からは理系学部に進んだら?と言われたこともあるそう。しかし子どもの頃からの夢を果たすため音楽の道へ。東京芸術大学に入りました。大学では、バッハカンタータクラブに所属、そこで大塚直哉さんに出会いました。「彼のぺースに巻き込まれました(笑)バロック楽器のアンサンブルの世界にすっかり魅せられましたね」と言います。

 桐山さんは、バロック音楽の世界を表現する時、しばしばバロック・ヴァイオリンを用います。「バロックは、今のものに比べ、音量や力強さは及びません。でも豊かな響きがあるんです」と魅力を語ります。「バッハは高校3年が生誕300年。その頃良く耳にしていた縁もありますね。彼の
音楽は、計算し尽くされたパズル。その中に人間的な温かさ、そして大胆さや自由を感じさせる。どこか理系的なんです」

 現在、フェリス女学院にて、オルガン・チェンバロなど鍵盤楽器伴奏法の指導も行います。故郷・長野は「やはりほっとする場所。大切にしていきたいですね」と話してくれました。

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