信濃毎日新聞2018年4月27日

バッハの調べ最後の演奏

「祝祭アンサンブル」松本で6日

10年余の活動に区切り
集大成の「カンタータ」

松本市制施行100年を記念し、2007年に結成された「松本バッハ祝祭アンサンブル」が5月6日、市音楽文化ホール(ザ?ハーモニーホール)で最後の演奏会を開く。10年余の活動に区切りを付けることを惜しみつつ、十八番でもある声楽曲「カンター夕」を演奏、集大成とする。

 アンサンブルは指揮者でチェンバロ奏者の小林道夫さん(85)=大分県=から東京芸術大の音楽サークルで学んだ演奏家を中心に構成。長野県ゆかりの演奏家も関わり、バッハの楽曲を演奏してきた。バッハ研究の権威で、演奏会に合わせて講演もしていた松本深志高校(松本市)卒の礒山雅さんは今年2月に71歳で亡くなる前、「カンタータ抜きでバッハは語れない」と話していたという。

 演奏会は6回目。ホール所有の古楽器チェンバロで演奏した縁があった小林さんが音楽監督、子どもの頃に松本市で暮らし、才能教育研究会(本部?松本市)で学んだバイオリニス卜桐山建志さん(50)=埼玉県=がコンサートマスター1を務める。バロック時代の様式の楽器を使い、教会の礼拝用など計3曲のカンタータを演奏する。

 ホールの制作プロデューサーの中村ひろ子さん(59)は「小林さんは生きるバロック音楽辞典。アンサンブルは古楽器による演奏団体が少なかった時期からレベルの高い演奏をしていた」と評価する。桐山さんは「アンサンブルは終わるが、違った形で松本での古楽の演奏を続けていきたい」と話す。

 演奏会は午後3時開演。全席指定で一般4千円、25歳以下2千円など。問い合わせは同ホール(?0263・47・2004)へ。

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