読売新聞2009年5月16日

メンデルスゾーン生誕200年

弦楽四重奏曲、全曲演奏
桐山・愛知県立芸大准教授ら

  今月19日、9月4日 名古屋・宗次ホール

 メンデルスゾーンが生まれて200年。これを記念した弦楽四重奏曲の全曲演奏会が19日と9月4日、名古屋市中区の宗次ホールで開かれる。演奏するのは東京芸大出身者が1989年に結成した「エルデーデイ弦楽四重奏団」。東京・第一生命ホールを拠点に多彩な活動を展開してきたが、ビオラを担当する桐山建志・愛知県立芸大准教授=写真=が昨年、愛知県に赴任したのを機に今回の公演が実現した

 メンバーはほかに、バイオリンの蒲生克郷さん、花崎淳生さんと、チェロの花崎薫さん。桐山さんは「東京では3年前に1度全曲演奏に取り組んでいますが、今年はメモリアルイヤー。ぜひ名古屋でもやりたかった」と語る。

 メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲は、14歳で書いた作品番号のない変ホ長調を除くと6曲。今回はこれを出版順に3曲ずつ取り上げていく。「最初の2作は、彼がドイツ古典派の伝統、特にべートーベンを研究し尽くしていたことが分かる作品。そこから徐々にメンデルスゾーンらしさが出てくる過程を味わっていただけると思います」

 2歳10か月でバイオリンを始めた桐山さんが最初にメンデルスゾーンに興味を抱いたのは中学時代。有名な協奏曲がきっかけだったが、本格的にのめりこんだのはここ10年程だという。

 「室内楽から古楽へ自分自身の関心が広がる中で、改めて19世紀前半の作品を見つめ直した時、メンデルスゾーンのすごさに気づいた。バッハに通じる構築カとロマン派的な歌心の両方を備えた人だと思います」

 今春、メンデルスゾーンの初稿自筆譜をもとに、音楽学者星野宏美さんと共同編集した「バイオリンソナタ全集」を独べーレンライター社から出版したばかりで、波に乗っている。

 午後6時45分開演。間い合わせは宗次ホール(052・265・1715)。

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