読売新聞2000年8月17日夕刊

モダン楽器も古楽器も

昨年、ベルギーのプルージュ国際古楽コンクール・ゾロ部門で優勝した逸材。パロック・バイオリンだけでなく、モグン・パイオリンも、時にはビオラもこなす柔軟な三十二歳だ。

「パロック楽器は音色の柔らかさが、モグン楽器はカ強い響きが魅力です」

十月に東京で行うバッハのバイオリン・ソナタ全曲演奏では古楽器を用いるが、ヒンデミットなど今世紀の作品ではモダン楽器を弾く。が、バロック音楽は古楽器でなけれぱならないとも思わない。「要は曲の解釈であり、どんな音楽を表現するかです」

長野県松本市出身。スズキ・メゾードでバイオリンに親しむ。東京芸大を卒業後、ドイツに留学。古楽器演奏は独学に近いという。

ソロ活動にも室内楽にも意欲的。「だれかを目指せぱコピーになります。自分にしかできない、日々新たな音楽を追究したい」

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