ポッジャー、寺神戸亮、桐山建志を聴く

濱田 ポッジャー、寺神戸さん、桐山さんと、三人ともピリオド楽器の演奏でした。こうして聴くと、81年のクイケンから20年近くたって、この間のピリオド楽器の発展、前進はすごいですね。クイケンはクイケンのすごい功績がありますが、ただこの三人は、“古楽器だから”という枠がない。モダン楽器の持っているヴィルトゥオジティを完全に身につけていて、どこから聴いてもほんとにすばらしい音楽。表情の細かさも素晴らしいし、ピッチは低いはずですが、その低さを感じさせません。音楽に緊張感があります。こうしてピリオド楽器でなくてはできないことを突き詰めてやっている人たちが出てきたのは、二十世紀の最後の二十年間のすごい収穫なんじゃないかな。

〈中略〉

濱田 桐山さんには、ある意味ポッジャーと同じような意味の音楽性を感じます。

安田 この〈シヤコンヌ〉に関しては、大変メロウな感じです。もともと彼が持っている音色の特質がすごいメロウな感じで……。

濱田 とてもきめ細かくて、自然にそれが出てくる。内に音楽が溢れてます。

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