●J.H.シュメルツァー:ソナタ第4番ニ長調

 ヨハン・ハインリヒ・シュメルツァー(ca.1620〜1680)は、ハプスブルク家のレーオポルト1世の宮廷楽長を務めた。ハプスブルク宮廷の中心的音楽家として、宗教曲や世俗声楽曲、バレエ音楽などを書いているが、生前のシュメルツァーはヴァイオリン奏者としての才能も高く評価されていた。

 彼の《1つの弦楽器のためのソナタ集Sonatae unarum fidium》(ニュルンベルク、1664年出版)は、ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタというジャンルにおける、ドイツ語圏で最初の出版曲集として知られている。シュメルツァーのヴァイオリン音楽は、当然ながら、ヴァルターやビーバーなどの後の世代よりも技巧的に控えめではある。しかし、ヴァイオリン音楽の先進地イタリアの様式を師のアントニオ・ベルターリ(1605〜1669)より確実に受け継いだという事実は、この曲集からも窺えるであろう。

 全6曲からなるこの曲集の第4番ニ長調は、大きく2つの部分に分けることが出来る。前半部は、主音から順次下行するテトラコルドのバス定型をもとにしたシャコンヌとなっており、サラバンドやジーグと記された「変奏」を含む。それに対し後半部は、バス定型によらない自由な部分からなっている。前半部以上に、徐々に動きが増していく傾向が強いことも印象的である。

●Johann Heinrich Schmelzer:
Sonata quarta in D

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