新潟メサイア合唱協会 演奏会プログラム
「メサイア」.今年話題の国内LIVE(2組) 新潟メサイア合唱協会名誉会長 星野和雄 「メサイア」の魅力にとりつかれ、いつの間にか35年余を歌い続けてきた。その間聴いてきたCD(Messiah)も60種を下るまい。現在手元に57組を数える。無論忘れ難い名演が多く、都度少なからず啓発されたが、今年は久々に国内演奏団体(@竹久源造指揮、cem/コンヴェルスム・ムジクム、A高橋大海 指揮/初音舎、東京室内o)2組と、海外盤(ブライデンク指揮/ハノーヴァ少年cho、L’ARCOバロックo)計3組が登場した。(いずれもLIVE)この内、特に印象深かったのは国内盤で、以下それを紹介する。 両盤はLIVEの外にソリスト多数起用等の共通点があるものの、楽譜や使用楽器の違い、演奏の規模、目的などスタンスがまるで異なるので、良否の判断は聴く人の好みにまかせるしかない。筆者は竹久盤@を推すが参考になれぱ幸いである。 ●ヘンデル ■竹久源造(cemb、指揮) Ko−ALM●ALCD1051〜2(2枚組)3,990円(2003.9.7) コンヴェルスム・ムジクムは2000年6月、竹久源造の呼びかけで集まった気鋭の若手古楽器奏者(21名)と声楽アンサンブル(13名)で結成された演奏団体。今回の「メサイア」は国分寺チェンバークワイア(15名)の参加を得て2002年4月、束京カザルスホールで演奏されたライヴ録音である。 Bookletに書かれた竹久氏の記事によると、@決定稿が無いとされる楽譜は試行錯誤の末、ヘンデルのダブリン初演ヴァージョンを第1と考え、テンポはヘンデルが記した15種類を1曲1曲実証しながら決定した。A合唱は15人と3つのソリスト群を分けて配置しエコー効果を工夫、オケも3段階の人数区分により、音の厚みと色彩の濃淡にヴァラエティを持たせたetc。(第2部No.38(Duet&cho)、No.39(Ten,solo)など耳新しく新鮮。) もちろん演奏は素晴らしく、指揮者がそれまでに培った実績を踏まえて真撃にトライする姿勢が随所にうかがわれ、心の琴線に触れる傾聴すべき演奏となった。その一因は、1才の時失明というハンデを背負いながら克服した、竹久源造のその生き様が根底にあるのかも知れない。今度は直接会場に足を運びその感動を味わって見たいものだ。 |