CDジャーナル

 バッハのヴァイオリン作品全集で高い評価を得た日本古楽界の名コンビが、没後250年を記念してヘンデルをリリースした。偽作とされる4曲まですべて収めたアルバムは、海外盤も含め、これが史上2例目となる奇特な録音だ。また真作についても、演奏者自身が自筆譜から新たに作成した楽譜が用いられている。旧知の仲である二人の演奏は見事の一語に尽き、アンサンブルは一分の隙もなく、強靱な集中力とスリリングな緊迫感に満ちた密度の濃い快演となっている。記念の年に相応しい屈指の名盤といえよう。 (神倉 健)

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