STEREO 2020年5月号

弦楽四重奏というのは音楽的には小さなオーケストラであり、また楽器数からは完全に室内楽であるので、その録音における音の作り方も、ホールトーンを取り込んだたっぷりした音像感から、目の前で演奏されるサロン的なものまでいずれも可能である。この録音はどちらかというと後者で、大きめの部屋の少人数の聴衆のために弾かれている雰囲気である。しかし、そのような場合に時として気になる演奏に伴うノイズなどはうまく抑えられており、また定位の分離も明瞭でありながら自然である。珍しく38分という短時間収録のCDであるが、内容は濃い。

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